<動意株・2日>(大引け)=三井物、オプロ、rakumoなど
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総合商社株=軒並み物色人気化。三井物産<8031.T>が年初来高値を更新したほか、三菱商事<8058.T>、伊藤忠商事<8001.T>、丸紅<8002.T>、住友商事<8053.T>なども買われた。全体相場は半導体関連などハイテクセクターの高PER銘柄から、バリュエーションに割安感のある銘柄群に資金シフトの動きが観測されている。流動性の高いバリュー株として商社株がそのターゲットとなっているもようだ。前週にはウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイの三菱商の株式保有比率が議決権ベースで10%超となったことが判明した。他の大手商社株も漸次買い増すとの見方が広がるなか、これも追い風材料となって商社株が投資マネーを誘引している格好だ。 オプロ<228A.T>=一時ストップ高。7日続伸し上場来高値を更新した。この日、SaaS事業者向け帳票機能組み込みサービス「オプロアーツ」が、ユーザベース(東京都千代田区)が提供する経済情報に特化したAIエージェント「Speeda AI Agent for Salesforce」に採用されたと発表した。ユーザベースの「Speeda AI Agent for Salesforce」は、顧客企業の調査・アカウント戦略の立案・商談資料の作成といった営業業務を、Salesforce上でAIエージェントに依頼することを可能にするもの。今回、「オプロアーツ」が採用されたことで、PowerPoint形式の営業資料を自動作成することや、精度の高い提案資料を迅速に作成することによる提案力とスピードの強化などが可能になるとしている。 rakumo<4060.T>=急反騰で新高値。同社は1日の取引終了後、米アブポイント<AVPT>子会社のAvePoint Japanと業務提携を締結したと発表しており、業績の押し上げ効果を期待する買いが流入している。米マイクロソフト<MSFT>と強固なパートナーシップを持つアブポイントの日本法人との提携により、Microsoft 365に、グループウェアSaaSの「rakumo」シリーズを提供していく。25年12月期業績に与える影響は精査中。AvePoint Japanによる「rakumo for Microsoft 365」のライセンス売上高の一定割合を、ストック収益として計上していく。 日本ヒューム<5262.T>=続急騰。8月7日につけた上場来高値3480円を大幅に更新する強さ。ヒューム管やコンクリートパイルなどコンクリート2次製品を手掛けており、国土強靱化や電線地中化の関連最右翼としてマーケットで存在感を示す。2026年度の政府予算の概算要求は過去最大の122兆円台となったことが伝えられているが、そのなか国土交通省は前年度比2割増となる7兆円あまりを要求。そのうち、上下水道やトンネル、空港などの老朽化対策で前年度から3割の増額となる1兆円強を計上した。下水道の老朽化が原因で埼玉県八潮市の県道交差点で大規模な道路陥没事故が起こったことで、その対策が喫緊の課題となっている。株式市場でもこれをテーマ視する形で下水道インフラ関連銘柄を物色する動きが活発だ。きょうは日本ヒュームだけでなく、栗本鐵工所<5602.T>、日本鋳鉄管<5612.T>、ブルーイノベーション<5597.T>、大盛工業<1844.T>など下水道関連株が軒並み動意している。 北海道電力<9509.T>=上値指向を鮮明でバリューシフトの流れに乗る。半導体製造企業ラピダスが北海道・千歳市に最先端半導体の量産を目指す巨大工場を建設しており、2027年の量産開始を目指しているが、北海電はその関連有力株として注目度が高い。また、同社は26年3月期の営業利益が前期比3割減見通しと低調ながら、8月8日に開示された25年4~6月期の同利益は前年同期比27%増の438億9800万円と好調で、進捗率の高さから通期上方修正への期待を内包している。また、PER10倍前後、PBRが0.7倍台に放置されており割安感も強い。市場では「半導体関連など投資指標面で割高なハイテクセクターに足もと逆風が強まるなか、目先バリュー株への資金シフトが観測されており、同社はその受け皿となっている。また、直近9月1日付でモルガンスタンレーMUFG証券が同社株の目標株価を1450円に引き上げており、これを受けて上値余地が意識された」(中堅証券ストラテジスト)と指摘する。 伊藤園<2593.T>=大幅続伸し年初来高値を更新。1日の取引終了後、第1四半期(5~7月)連結決算を発表しており、売上高1308億7500万円(前年同期比4.7%増)、営業利益83億6000万円(同17.3%増)、純利益57億1200万円(同28.6%増)となった。全国的に記録的な高温・少雨だったことに加えて、前期に先行投資した広告宣伝費の効果もあり、主力の「お~いお茶」「健康ミネラルむぎ茶」ブランドの飲料製品を中心にリーフ・ドリンク事業の売上高・営業利益が好調に推移した。また、北米を中心に「お~いお茶」の海外販売も数量を伸ばした。 26年4月期通期業績予想は、売上高4900億円(前期比3.7%増)、営業利益255億円(同11.0%増)、純利益160億円(同13.0%増)の従来見通しを据え置いている。 ※未確認情報が含まれる場合があります。株式の売買は自己責任に基づいて、ご自身でご判断ください。 出所:MINKABU PRESS