前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―
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■アールビバン <7523> 1,403円 (+300円、+27.2%) ストップ高 アールビバン <7523> [東証S]がストップ高。前週末8月29日の取引終了後、同社の会長兼社長が代表者であるOrsay(東京都品川区)がアールビバンに対し、非公開化を目的としてTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。MBO(経営陣が参加する買収)の一環で、TOB価格は1株1670円。アールビバンの株価はこれにサヤ寄せする動きをみせた。買付予定数の下限は298万7200株(所有割合32.80%)で、上限は設定していない。買付期間は9月1日から10月15日まで。TOBが成立した場合、アールビバンは所定の手続きを経て上場廃止となる予定。アールビバンはTOBに賛同の意見を表明し、株主に応募を推奨している。東証は8月29日付で、アールビバンを監理銘柄(確認中)に指定した。 ■abc <8783> 442円 (+80円、+22.1%) ストップ高 abc <8783> [東証S]がストップ高。同社は前週末29日の取引終了後、暗号資産のボラティリティを監視し急激な値動きがあった時はアラートを発信するシステム「Vixサービス」を9月中旬から提供すると発表しており、手掛かり視された。連結業績に与える影響は軽微とした。LBankに上場しているAGF Tokenのボラティリティを監視する。GYAN BLUEやWOWBITなども順次対象に追加していく予定だ。なお、同社は9月1日付でGFAからabcに商号を変更した。 ■BTM <5247> 1,002円 (+150円、+17.6%) ストップ高 BTM <5247> [東証G]がストップ高。同社は前週末8月29日の取引終了後、さくらインターネット <3778> [東証P]とセールスパートナー契約を締結したと発表しており、好感した買いが集まった。さくらネットは自社運営の国内データセンターからクラウドサービスを含む各種事業を展開。パートナーネットワークの拡大を進めている。BTMは顧客へのクラウドの選択肢を増やし、最適なソリューションの提供を図る。 ■Sワイヤー <3929> 291円 (+39円、+15.5%) ソーシャルワイヤー <3929> [東証G]が続急騰。8月29日の取引終了後、美容、化粧品領域に特化したインフルエンサーマーケティング支援事業を展開するiHack(東京都千代田区)の全株式を9月3日付で取得し子会社化すると発表しており、これを好感した買いが流入した。今回の子会社化は、インフルエンサーPR領域の大幅拡大と複合的なデジタルPRの提供体制の構築を目指したもの。取得価額は8億800万円。なお、26年3月期業績予想への影響は精査中としている。 ■日東紡 <3110> 6,030円 (+630円、+11.7%) 東証プライムの上昇率トップ。日東紡績 <3110> [東証P]が3日ぶり急反騰。前週末29日に下値サポートラインとなっていた75日移動平均線を終値で下抜ける格好となっていたが、1日は一転して強さを発揮していた。前週末引け後、同社は福島事業センター内にガラスクロスの生産設備を増設することを決議したと発表。AIサーバー市場の拡大に伴うスペシャルガラスの需要急増に対応したもので、これを材料視する買いを誘導した。株式需給面では貸株市場を通じた空売りの買い戻しが株価に浮揚力を与えたもようだ。 ■IIJ <3774> 2,979.5円 (+201円、+7.2%) 東証プライムの上昇率4位。インターネットイニシアティブ <3774> [東証P]が3日ぶり急反発。1日付の日本経済新聞朝刊は、「ゆうちょ銀行がデジタル通貨を2026年度に貯金者向けに発行する」と報じた。ゆうちょ銀行 <7182> [東証P]の利用者は自身の貯金口座に、IIJグループのディーカレットDCP(東京都千代田区)が開発するデジタル通貨「DCJPY」用の口座をひも付け、貯金口座残高のうち希望額を1円=1DCJPYとして発行、入金する仕組みという。IIJに対しては、国内最大規模の貯金額を保有するゆうちょ銀を通じたデジタル通貨の流通拡大と、事業への好影響を期待した買いが入ったようだ。 ■たけびし <7510> 2,080円 (+139円、+7.2%) 東証プライムの上昇率5位。たけびし <7510> [東証P]が急反発。8月29日の取引終了後、9月中間期の連結業績予想について、売上高を491億円から505億円(前年同期比6.1%増)へ、営業利益を15億円から16億円(同12.3%増)へ、純利益を10億円から11億円(同20.1%減)へ上方修正し、あわせて中間配当予想を31円から33円へ引き上げ年68円(前期62円)としたことが好感された。社会インフラ分野で成長戦略の一つである医療ビジネスが堅調に推移していることに加えて、半導体・デバイス分野で電子部品実装機向け産業用パソコンやセキュリティーカメラのODMビジネスが増加していることなどが要因としている。 ■gumi <3903> 640円 (+37円、+6.1%) 東証プライムの上昇率9位。gumi <3903> [東証P]が3日ぶり急反発。前週末8月29日取引終了後、25億円の暗号資産「リップル(XRP)」を購入すると発表した。購入期間は9月~来年2月の予定。XRPは、SBIホールディングス <8473> [東証P]が中核的に推進する国際送金・流動性ネットワーク戦略において重要な役割を担うアセット。このエコシステムに参画することで、自社の金融領域における収益機会の拡大に直結させることを目指す。これが材料視された。 ■あすか薬HD <4886> 2,570円 (+120円、+4.9%) あすか製薬ホールディングス <4886> [東証P]が大幅高で3日続伸。同社傘下のあすか製薬の緊急避妊薬「ノルレボ」について、厚生労働省の薬事審議会要指導・一般用医薬品部会が8月29日に市販薬としての製造販売を承認したと国内メディア各社が報じ、将来的な収益向上への期待から買われた。ノルレボは性交72時間以内に経口投与する薬品で、海外第3相試験における妊娠阻止率は84%だった。 ■ワークマン <7564> 5,520円 (+190円、+3.6%) ワークマン <7564> [東証S]が4日ぶり大幅反発。同社は1日、疲労回復を支援するリカバリーウェア「MEDIHEAL(メディヒール)」について、今年の秋冬商戦において24アイテム200万着を販売すると発表した。昨年の秋冬商戦に比べて10倍の販売計画数という。収益押し上げ効果を期待した買いが株価を支援したようだ。従来の作業客に加えて一般客にも販売ターゲットを拡大。25年秋冬商戦で34億円、26年春夏商戦では330万点で51億円の売り上げを目指す。同社は21年に作業客向けでリカバリーウェアに参入。25年春夏期までに累計で170万着を販売してきた。 ■エーザイ <4523> 4,699円 (+161円、+3.6%) エーザイ <4523> [東証P]が5日ぶり大幅反発。同社と米バイオジェンは8月30日、米国食品医薬品局(FDA)が早期アルツハイマー病に対する「レカネマブ」の皮下注射製剤「LEQEMBI IQLIK(レケンビ アイクリック)」について、週1回の維持療法に関する生物製剤承認申請を承認したと発表しており、材料視した買いが入った。米国で10月6日に発売する。自宅での使用が可能な皮下注射型は患者にとって、治療時間の短縮や通院の負担が軽減できるといった利点がある。エーザイは今期の業績予想への影響は軽微とした。 ■セルシス <3663> 1,787円 (+55円、+3.2%) セルシス <3663> [東証P]が大幅続伸。1日、技術提携しているウェブトゥーン・エンターテインメント との協業を深化させると発表したことが好感された。ウェブトゥーン社は、日本では「LINE マンガ」、韓国では「NAVER WEBTOON」などのサービスをグローバルに提供するデジタルコミックプラットフォームの大手で、セルシスとはコンテンツの制作・翻訳・流通の効率化とマーケットの活性化を目指し技術提携している。セルシスは今回、従来よりも効率的に翻訳作業が行える機能を搭載した、法人向けの「CLIP STUDIO PAINT」を開発しウェブトゥーン社に提供。これにより、作家と制作のやりとりなどの工数の軽減が可能になり、多言語翻訳プロセスを効率化し、よりスピーディーなコンテンツのグローバル展開を実現するとしている。 ■ユカリア <286A> 955円 (+26円、+2.8%) ユカリア <286A> [東証G]が続伸。8月29日の取引終了後、虎の門病院(東京都港区)の「院内SE(システムエンジニア)サポート及びシステム運用浸透支援業務」を受託したと発表しており、好材料視された。虎の門病院に対して、院内SEによるサポートやシステム運用の浸透支援を提供することで、経営の改善、医療従事者の働きがいの向上、患者及びその家族のウェルビーイングに貢献する。なお、同件による業績への影響は軽微としている。 ■ピジョン <7956> 1,845.5円 (+45円、+2.5%) ピジョン <7956> [東証P]が反発。大和証券は8月29日に同社株の投資判断を「3(中立)」から「2(アウトパフォーム)」へ引き上げた。目標株価は1950円から2050円に見直した。第2四半期(4-6月)の連結営業利益は34億9100万円(前年同期比11.7%増)と同証券予想(32億円)を上回った。中国本土や日本のベビーケアの売り上げが良好だった。25年12月期通期の同利益は129億円(前期比6.3%増)で据え置かれたが、同証券では132億5000万円と予想。来年発表の中期計画にも期待している。 ■第四北越FG <7327> 4,070円 (+90円、+2.3%) 第四北越フィナンシャルグループ <7327> [東証P]が反発。上場来高値を更新した。前週末8月29日取引終了後、株式分割を実施すると発表した。9月30日を基準日として1株を3株に分割する。これが買い手掛かりとなった。なお、あわせて株主優待制度の変更も明らかにしたが、株式分割に伴うもので実質的な変更はない。 ■JCRファ <4552> 635円 (+14円、+2.3%) JCRファーマ <4552> [東証P]が続伸。8月29日の取引終了後、開発中のライソゾーム病の一種であるGM2ガングリオシドーシスを対象疾患とする治療薬候補「JR-479」について、メディパルホールディングス <7459> [東証P]と海外の事業に関する実施許諾契約及び日本における共同開発・商業化契約を締結したと発表しており、好材料視された。今回の契約は、22年10月に両社で開始した超希少疾病用医薬品開発への取り組みに、新たに「JR-479」を追加するもので、両社の提携はフコシドーシスを対象疾患とする「JR-471」、ムコ多糖症3B型を対象疾患とする「JR-446」に次ぐ3品目目となる。なお、26年3月期業績予想には織り込み済みとしている。 ■魚力 <7596> 2,527円 (+52円、+2.1%) 魚力 <7596> [東証P]が反発。8月29日の取引終了後、4月に創業95周年を迎えたことを記念して記念株主優待を実施すると発表したことが好感された。25年9月末日時点で1単元(100株)以上を保有する株主を対象に、取引先である三陽(福岡市中央区)が取り扱う「あじフライ」(フィレタイプ、6枚入)を贈呈する。 ■久光薬 <4530> 4,290円 (+83円、+2.0%) 久光製薬 <4530> [東証P]が続伸。8月29日の取引終了後、11月4日出荷分から「サロンパスAe」など27品目を値上げすると発表しており、業績への貢献を期待した買いが入ったようだ。希望小売価格で約3%から30%値上げする。原材料価格や包装材価格などの継続的な高騰に加え、物流費やエネルギーコストなどの諸経費も高止まりの状態が続いており、企業努力だけでは現在の価格を維持することが困難になったことが理由としている。 ■アストロHD <186A> 682円 (+12円、+1.8%) アストロスケールホールディングス <186A> [東証G]が続伸。1日の寄り前、子会社アストロスケールが、科学技術振興機構(JST)と、協力衛星を対象とした宇宙空間における燃料補給技術の委託研究契約を締結したと発表しており、好材料視された。同契約は、内閣府主導で創設されJSTが推進する「経済安全保障重要技術育成プログラム」(通称「K Program」)において、「複数軌道・電気推進への拡張性、国際市場を意図した国産の化学燃料補給技術開発」の研究開発をアストロスケールが正式に受注したもの。なお、アストロスケールは今年1月に同件に採択されていた。 ■松井 <8628> 788円 (+11円、+1.4%) 松井証券 <8628> [東証P]が続伸。8月29日の取引終了後、未定としていた26年3月期の配当予想について、中間配当を前年同期比3円増の25円にすると発表したことが好感された。なお、期末配当予想(前年同期18円)は引き続き未定としている。 ■ソラスト <6197> 485円 (+6円、+1.3%) ソラスト <6197> [東証P]が5日ぶり反発。1日、診療報酬請求業務の精度と生産性を向上させる診療報酬算定ナレッジアプリ「solabell(ソラベル)」の外販を開始したと発表しており、好材料視された。「solabell」は、ソラストが長年培ってきた専門知識やノウハウを集約したナレッジ機能に加えて、算定に関する疑問を専門スタッフに直接質問できる「教えてsolabell」機能を搭載しているのが特徴。これまで全国約200の受託先医療機関で運用されてきた実績をもとに、医療現場の業務効率化をさらに支援するとしており、今回の外販開始にあたり、既に約80の医療機関から申し込みが来ているという。 ■帝人 <3401> 1,274円 (+13円、+1.0%) 帝人 <3401> [東証P]が3日ぶり反発。同社は前週末8月29日の取引終了後、持ち分法適用関連会社でメタアラミド素材を用いた合成紙やプレスボードの製造・加工・販売を行うデュポン帝人アドバンスドペーパーの株式を、デュポン・ド・ヌムール に譲渡すると発表した。譲渡価額については非開示。26年2月の株式譲渡を予定する。同事業に対して主要原料を供給するデュポンから、アラミドペーパー合弁事業を含むアラミド事業からの撤退に関する意向表明があり、帝人は持ち分を譲渡することを決めた。今回の件の影響を含め、26年3月期の業績予想は精査中。株式市場においては、売却資金を原資とした自社株買いの可能性などが意識され、帝人株のサポート要因となったとみられている。 ※1日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。 株探ニュース