株価指数先物【寄り前】 支持線の25日線割れでは短期のショートを誘う
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大阪9月限ナイトセッション 日経225先物 42100 -590 (-1.38%) TOPIX先物 3048.5 -24.0 (-0.78%) シカゴ日経平均先物 42080 -610 (注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比) 29日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。エヌビディアの大口顧客でもある中国のアリババ が中国政府の後押しを受け、従来より汎用性の高い新型のAI(人工知能)向け半導体を開発したと報じられた。この報道をきっかけにエヌビディアが3%を超す下落となったほか、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ やマイクロン・テクノロジー など半導体株が軒並み売られた。月末に伴う調整売りに加えて、9月1日がレイバーデーの祝日となるため、3連休を前にした持ち高調整の動きもあった。 S&P500業種別指数は食品・飲料・タバコ、電気通信サービス、ヘルスケア機器・サービスが上昇した一方で、半導体・同製造装置、自動車・同部品、資本財の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、ユナイテッドヘルス・グループ 、アメリカン・エキスプレス 、メルク 、ジョンソン・エンド・ジョンソン が買われた。半面、エヌビディアのほか、キャタピラー 、スリーエム 、アマゾン・ドット・コム 、IBM が軟調。 シカゴ日経平均先物清算値は大阪比610円安の4万2080円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比30円安の4万2660円で始まった。直後につけた4万2670円を高値に下げ幅を広げ、4万2340円~4万2490円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを下抜け、一気に4万2030円まで売られる場面もみられた。終盤にかけては4万2080円~4万2220円辺りでの推移が続き、4万2100円でナイトセッションの取引を終えている。 シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まりそうだ。エヌビディアの下げが嫌気されて、アドバンテスト<6857>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の重荷になるだろう。米国はレイバーデーの祝日で休場になるため海外勢のフローは限られ、商いが膨らみにくい需給状況のなかで、短期的な商いに振らされやすくなりそうだ。売り一巡後の戻りの鈍さが意識される局面ではショートを仕掛けてくる動きが警戒されよう。 日経225先物は足もとでボリンジャーバンドの+1σと中心値となる25日移動平均線によるレンジで推移をみせている。先週後半には一時4万3000円台を回復するなど、+1σ水準を捉える場面もみられた。しかし、ナイトセッションでの下落によって、一気に中心値である25日線まで下げてきた。同線を明確に割り込んでくると、ショートが膨らみやすくなりそうである。 ただし、同線はこれまで支持線として機能しており、一時的に割り込む局面ではその後のカバー狙いのロング対応に向かわせよう。短期的なトレードが中心になると考えられ、カバーの動きも速いとみられる。もっとも、積極的なリバウンドを狙ったロングも入りにくいと思われ、戻りの鈍さが意識される局面では早い段階でロング解消に向かわせそうだ。 そのため、オプション権利行使価格の4万2125円を中心とした上下の権利行使価格となる、4万1875円から4万2375円のレンジを想定する。25日線が支持線として機能するようだと、4万2000円から4万2500円辺りでの推移とみておきたい。 29日の米VIX指数は15.36(28日は14.43)に上昇した。依然としてボトム圏での推移ではあるが、25日線が位置する15.75辺りを明確に上回ってくると、75日線(17.20)辺りまでのリバウンドを意識しておきたいところであり、やや市場心理を神経質にさせそうだ。 先週末のNT倍率は先物中心限月で13.89倍(28日は13.85倍)に上昇した。一時13.91倍をつける場面もみられており、75日線(13.85倍)、25日線(13.87倍)を上回ってきた。ただし、米ハイテク株が下落した影響で指数インパクトの大きい値がさハイテク株の下げが目立つようだと、相対的にTOPIX型優位の展開が意識されよう。再び、25日、75日線を割り込んでくると、NTショートに振れやすくなりそうである。 株探ニュース