29日の株式相場見通し=一進一退か、米株高で安心感も上値重い展開に
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29日の東京株式市場は強弱観対立のなか、日経平均株価は前日終値近辺で一進一退の値動きとなることが予想される。前日は日経平均が朝方こそ荒れ模様で安く始まったものの、その後は切り返し結局高値引けとなった。ただ、きょうは空売り筋の買い戻し一巡で上値は重そうだ。前日の欧州株市場は高安まちまちだった。仏CAC40は続伸した一方、独DAXはわずかながら値を下げ4日続落となった。手掛かり材料に事欠くなか様子見ムードの強い展開に終始した。しかし米国株市場は主要株価指数が揃って上昇、NYダウが3日続伸し4日ぶりに史上最高値を更新したほか、機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数は連日で最高値をつけるなど頑強な値動きだった。この日の朝方に発表された25年4~6月期の米実質国内総生産(GDP)改定値は速報値から上方修正されたほか、同時刻に開示された週間の米新規失業保険申請件数が事前予想を下回る内容で、米経済の底堅さが意識されるなか市場センチメントが強気に傾いた。また、前日に5~7月期決算を発表し時間外で大きく売り込まれたエヌビディア<NVDA>だったが、この日は下値を探る展開となったものの下落率は0.7%台にとどまり、全体相場に与える影響も限定的となっている。なお、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は5日続伸と上値指向を強め、全体相場を支えている。東京市場では米株市場が強い動きを示したことは追い風となるが、日経平均が前日に高値引けで米株高の流れを先食いしていたきらいもあり、きょうはその分だけ上値が重くなりそうだ。外国為替市場や米株価指数先物の動向などを横目に、先物主導で不安定な値動きとなるケースも想定される。 28日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比71ドル67セント高の4万5636ドル90セントと3日続伸。ナスダック総合株価指数は同115.01ポイント高の2万1705.15だった。 日程面では、きょうは8月の都区部消費者物価指数(CPI)、7月の失業率、7月の有効求人倍率、7月の商業動態統計、7月の鉱工業生産(速報値)、7月の自動車輸出実績、7月の住宅着工統計、8月の消費動向調査など。海外では4~6月期のインド国内総生産(GDP)、7月の米個人所得・消費支出(PCEデフレーター)、8月の米シカゴ購買部協会景気指数、8月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・確報値)など。 出所:MINKABU PRESS