午後:債券サマリー 先物は小幅続落、米債券高を受けた買い続かず
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25日の債券市場で、先物中心限月9月限は小幅続落。前週末に米長期債相場が反発(金利は低下)した流れを引き継いで始まったが、日銀の追加利上げ観測がくすぶっていることから買いは続かなかった。 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は22日、カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で講演し、「政策が引き締め的な領域にあるなかで、見通しとリスクのバランスの変化は政策の調整を正当化する可能性がある」などと発言。同日の米市場ではハト派的と受け止められ、次回9月会合での利下げを織り込むかたちで米長期金利が低下したことが円債の追い風となった。ただ、日銀の植田和男総裁が同会議で「国内賃金には上昇圧力がかかり続ける」との見方を示し、日銀が利上げを続ける意向であることが改めて意識されたことから追随買いは広がらず。債券先物は137円67銭で寄り付いたあと、午前9時00分ごろには137円46銭まで軟化した。その後は下げ渋ったものの、この日は財務省による国債入札や日銀の国債買いオペといった需給イベントがなく、手掛かり材料に乏しいことから戻りは限定的だった。 先物9月限の終値は、前週末比5銭安の137円50銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは、午後3時時点で前週末と同じ1.615%で推移している。 出所:MINKABU PRESS