午後:債券サマリー 先物は小反発、長期金利17年ぶりの水準をつける場面も
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21日の債券市場で、先物中心限月9月限は小反発。朝方の買いが一巡したあとは上値が重くなり、流動性供給入札の結果が弱めと受け止められるとマイナス圏に沈む場面があった。 20日に実施された米20年債入札が堅調な結果となったことを受け、同日の米長期金利が低下したことを手掛かりに円債は買い優勢でスタート。債券先物は前日まで8日続落していたことから自律反発狙いの動きもあり、朝方には一時137円69銭まで上伸した。ただ、21日から始まる米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演が22日に予定されているとあって全般的には模様眺めムード。午後に入って流動性供給入札(対象:残存期間5年超15.5年以下)の応札倍率が3.10倍(前回は3.51倍)にとどまったことが分かると、需給の緩みを警戒した売りに押されるかたちで137円47銭まで軟化した。その後は下げ渋ったものの、日銀の利上げ再開観測や根強い財政拡張懸念などから積極的な買いはみられなかった。 先物9月限の終値は、前日比4銭高の137円56銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは一時1.610%と2008年10月以来およそ17年ぶりの高水準をつけ、午後3時時点で前日と同じ1.605%で推移している。 出所:MINKABU PRESS