21日の株式相場見通し=様子見ムードの中も上値重い展開に
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21日の東京株式市場は強弱観対立のなか、日経平均株価は前日終値近辺の比較的狭いゾーンで売り買いを交錯させそうだ。前日は650円あまりの急落をみせたことで値ごろ感からの押し目買いを誘う一方、4万3000円大台近辺では様子見ムードのなかで持ち高調整の売りが上値を重くしそうだ。前日の欧州株市場は方向感が定まらず高安入り乱れる展開となったが、ドイツの主要株価指数であるDAXは反落、フランスのCAC40もわずかながら安く引けた。ただ、欧州株全体の指標となっているストック600は3日続伸しており、約5カ月半ぶりの高値圏で着地している。米国株市場ではFRBによる利下げ期待を追い風にNYダウが一進一退の展開となり、結局わずかながら続伸した。もっとも直近5営業日はボラティリティが極端に低下しており、4万5000ドル近辺で様子見に終始している。ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演を前に発言内容を確認したいとの思惑が買いを手控えさせた。一方、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は続落。直近2営業日で450ポイント強も水準を切り下げここまでサポートラインとなっていた25日移動平均線を下回った。この日の午後に開示された7月開催分のFOMC議事要旨では参加者の見方が割れており、トランプ関税の影響を見極める前に利下げを行うべきとする意見も含まれていた。ただ、現状は過半数のメンバーが物価上昇リスクが雇用の下振れリスクよりも大きいという見方を示している。東京市場では直近先物主導の上昇トレンドが一服しており、日経平均はPERなど投資指標面から割高感も意識されている。出遅れた向きの押し目買いと機関投資家のポジション調整の売りがぶつかる展開だが、個別株はハイテク系がやや軟調でディフェンシブ系への資金シフトの動きが優勢となりそうだ。 20日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比16ドル04セント高の4万4938ドル31セントと小幅続伸。ナスダック総合株価指数は同142.10ポイント安の2万1172.85だった。 日程面では、きょうは週間の対外・対内証券売買契約、7月の食品スーパー売上高などが発表される。海外ではユーロ圏購買担当者景気指数(PMI)、8月の米PMI(S&Pグローバル調査・速報値)、8月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、7月の米景気先行指数、7月の米中古住宅販売件数など。 出所:MINKABU PRESS