ドル円は147円台 前日と雰囲気に変化なし パウエル議長の講演待ち=NY為替概況
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ドル円は147円台 前日と雰囲気に変化なし パウエル議長の講演待ち=NY為替概況 きょうのNY為替市場、前日と雰囲気に変化はなく、金曜日のジャクソンホールでのパウエル議長の講演を待つ中、様子見の展開が続いた。そのような中、ドル円はやや戻り売りに押されており、一時146円台に下落する場面も見られた。ただ、147円台は維持している。 午後に7月開催分のFOMC議事録が公表され、多くの委員がインフレリスクが雇用リスクを上回っていると認識していることが明らかとなった。早期利下げ期待を後退させるような内容ではあるが、7月のFOMCは先日の米雇用統計発表前に開催されたこともあり、どこまで参考になるかは未知数。 FRBの利下げに対する市場の見方に変化はなく、短期金融市場では9月FOMCの利下げの可能性を80%程度で織り込んでいる。一部からは、「ジャクソンホール会合はパウエル議長に再び利下げへの言及を行う機会になると予想している。直近のインフレ指標には一部に強さが見られるものの、FOMC内のハト派を思い留まらせるほどではない」とのコメントも出ていた。 ユーロドルも小動きに終始し、本日のレンジは50ポイント程度に収まっている状況。本日は7月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)の確報値が公表されていたが、前年比2.0%と6月から変わらずとなった。ECBのインフレ目標に一致している。サービス部門のインフレは若干鈍化が見られたが、持続的な下落傾向を注視してきたECBにとっては歓迎すべきニュースではあった。 米国との貿易摩擦にもかかわらず、最近のデータがユーロ圏経済の堅調維持を示していることを踏まえると、今回のHICPは、ECBが9月に利下げを一時停止する可能性が高いとの見方を正当化するとの指摘も出ている。今後、関税の影響が秋に本格化することを考慮すると、次回の利下げは12月が予想され、中銀預金金利は1.75%に低下して、今回の利下げサイクルのターミナルレート(最終到達点)を迎える可能性とも付け加えた。 きょうもポンドドルは戻り売りが優勢となる中、1.34ドル台半ばに下落。上値が次第に重くなっているものの下押す気配まではなく、21日線の上はしっかりと維持している状況。 本日は7月の英消費者物価指数(CPI)が発表になっていたが、エコノミストからは、今回の数字は英中銀にとって課題となっていると指摘が出ている。総合指数は前年比3.8%上昇と予想を若干上回ったが、同エコノミストは「高金利による英経済への重しを管理しながらインフレを抑制するという英中銀が直面する難しさが浮き彫りになった」と述べた。 「根強い物価上昇圧力は時期尚早な利下げに反する一方、成長と雇用の弱まりは慎重な対応の必要性を示唆している」とも付け加えている。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美