前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

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材料

■NCS&A <9709>  1,389円 (+227円、+19.5%)

 NCS&A <9709> が急伸し、1999年以来の高値圏に浮上した。同社は19日の取引終了後、取得総数140万株(自己株式を除く発行済み株式総数の8.65%)、取得総額21億円を上限とする自社株買いの実施を発表した。また、300万株(発行済み株式総数の16.67%)の自己株消却も行う予定。株主還元姿勢を評価した買いを集めたようだ。自社株の取得期間は8月20日から2026年7月31日。これに関連し、東証の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)において、60万株を上限とした買い付けの委託を実施すると発表。東証の自己株式立会外買付取引情報によると、NCS&Aは20日朝に53万800株の買い付けを行った。消却予定日は未定としている。

■レオクラン <7681>  1,198円 (+177円、+17.3%)

 レオクラン <7681> が急騰。同社は19日の取引終了後、医療機器の販売などを手掛ける企業を傘下に持つファスキアホールディングス(名古屋市名東区)の株式を取得し、子会社化すると発表した。将来的な収益貢献を期待した買いが集まったようだ。ファスキアホールディングス傘下のフォームでは血管疾患に対するカテーテル治療用機器やペースメーカーなど不整脈に関わる診断・治療機器、手術に関する製品を取り扱う。またグループのシンコムでは補聴器の販売を、中京三洋では病院・介護施設向けのレンタル事業などを展開する。レオクランは企業規模の拡大と事業ポートフォリオの強化につなげる。ファスキアグループの25年8月期の売上高は222億2700万円、営業利益は7億1900万円の見通し。レオクランは総議決権の67.7%以上を取得する予定で、100%の取得に向け既存株主と交渉を進める。取得価額はアドバイザリー費用を含めて49億2000万~71億4800万円を見込む。26年9月期第1四半期より連結子会社とする予定という。

■東北銀行 <8349>  1,355円 (+151円、+12.5%)

 東北銀行 <8349> が急騰。19日に日本経済新聞電子版がSBIホールディングス <8473> との資本業務提携に関して報じた。SBIは東北銀の株式を約3%取得する方針で、SBIによる地銀への出資は約3年ぶりとなる。今回の東北銀への出資が実現すれば、SBIの資本提携先は福島銀行 <8562> などをはじめ10行に広がり、地銀全体の約1割を占めることになる。業界再編の動きも背景に、これが地銀セクター全般の株価刺激材料となる可能性もある。なお、東北銀は「従前よりSBIとの資本業務提携を含めた経営戦略について検討を行っているが、現時点で決定している具体的な事実はない」とコメントしている。

■ピアズ <7066>  670円 (+73円、+12.2%)

 ピアズ <7066> が大幅高。決算発表を受け前週末15日に大陰線を形成し株価水準も大きく切り下げたが、きょうはその分を一気に取り戻す形で上昇した。同社は商品販促支援や人材派遣などを手掛け、人工知能(AI)を活用した接客サービスなどで強みを発揮している。そうしたなか、19日取引終了後にNTTドコモ(東京都千代田区)が提供するスマートフォン向けサービス「スゴ得コンテンツ」において、生成AIリスキリング支援サービス「ゼロからAI for スゴ得」の提供を今月から開始することを発表、これを材料視する形で投資資金が攻勢をかけた。

■じもとホールディングス <7161>  445円 (+42円、+10.4%) 一時ストップ高

 じもとホールディングス <7161> が急騰。時価は昨年4月末以来、約1年4ヵ月ぶりの高値圏に突入した。山形県地盤のきらやか銀行と宮城県の仙台銀行の経営統合で発足した持ち株会社で公的資金の注入行でもあるが、注目ポイントといえるのは、SBIホールディングス <8473> の子会社であるSBI地銀ホールディングスが筆頭株主となっており同社発行株式の3分の1を保有していること。今回SBIが東北銀行 <8349> に出資し、「第4のメガバンク構想」を約3年ぶりに再始動する構えをみせていることから、SBIが大株主に入っている地銀株への注目度が増している。同社はその流れに乗る銘柄として存在感がクローズアップされている形だ。特にSBIが米ドル連動型のステーブルコインの取り扱いを3月から開始するなど、同分野に積極的な動きをみせていることから、ステーブルコインを巡る地銀株の動向なども株価の思惑材料として作用している。ステーブルコインは米国でもシティグループ  やJPモルガン  など大手銀行が相次いで参入を表明しており、日本でも金融庁が今秋にも円建てステーブルコインの発行を認める方向にあるなど、それに追随する動きが意識されている。

■JESCO <1434>  1,146円 (+99円、+9.5%)

 JESCOホールディングス <1434> は急伸。同社は19日の取引終了後、中期経営計画を策定したと発表。28年8月期に売上高250億円(25年8月期予想は180億円)、営業利益25億円(同18億円)に伸ばす目標を掲げた。また25年8月期の配当を下限とし、配当性向を段階的に引き上げて40%を目指す方針も明らかにしており、ポジティブ視されたようだ。電気設備工事などを展開する国内EPC事業を成長戦略の柱に据えて事業拡大を図るほか、M&Aによる更なる業績の向上も図る。ROE(自己資本利益率)については15%超の達成を狙う。

■クリアル <2998>  6,540円 (+560円、+9.4%)

 クリアル <2998> は大幅高で5連騰。同社は20日、不動産ファンドオンラインマーケットの「CREAL(クリアル)」で19日午後8時に募集した住宅型有料老人ホームを投資対象とするファンドへの投資申し込みに関し、満額申し込みとなったため受け付けを終了したと発表した。不動産特定共同事業法(不特法)第2条第4項第3号及び第4号による同社の第一号案件だった。投資家からの好反応が示されたとの受け止めが広がり、買いを誘発する形となったようだ。投資対象は千葉県我孫子市の物件で、募集金額は6億3800万円。想定利回りは6%で、想定運用期間は9月16日から2028年9月15日。同ファンドは不特法3号4号のもと、特別目的会社(SPC)を活用し組成・運用する。金融機関からの借り入れをノンリコースローンとしレバレッジ効果を活用するとともに、倒産隔離による安全性の向上も図っているとしている。

■GFA <8783>  305円 (+19円、+6.6%)

 GFA <8783> が急伸。午前10時15分ごろ、同社が戦略的支援を行っている次世代型SocialFi(ソーシャルメディアと分散型金融を融合した技術)アプリ「WOWOO(ワオー)」のAndroid版が20日に正式にリリースされたと発表しており、好材料視された。WOWOOは、暗号資産の管理・取引と日常的なコミュニケーションを一体化させた「Web3時代の感性ウォレット」をコンセプトとしたアプリ。主要暗号資産やステーブルコイン、独自トークンに対応したウォレット機能に加え、SocialFi機能として、SBT(ソウルバウンドトークン:譲渡できないNFT)をMANAとして発行し、Mana(善い行いの証明NFT )を連携できるようになり、社会的・個人的な善行を可視化することなどが特徴としている。なお、同件が業績に与える影響は軽微としている。

■エコミック <3802>  526円 (+31円、+6.3%)

 エコミック <3802> が後場プラスに転じた。午後1時ごろに株主優待制度の優待品目の変更を発表しており、好材料視された。26年3月末日時点の株主より、従来の「QUOカード」から「デジタルギフト」に変更する。なお、優待品目以外の要件に変更はないとしている。

■くろがね工作所 <7997>  862円 (+41円、+5.0%)

 くろがね工作所 <7997> が大幅高で3日続伸。19日の取引終了後、保有する投資有価証券の一部を売却するのに伴い、25年11月期業績に投資有価証券売却益約2億400万円を特別利益として計上すると発表しており、好材料視された。通期業績予想には織り込んでおらず、影響額は他の要素も含めて精査中としている。

■進学会ホールディングス <9760>  174円 (+8円、+4.8%)

 進学会ホールディングス <9760> が4日ぶりに反発。19日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好材料視された。上限を50万株(自己株式を除く発行済み株数の2.92%)、または1億円としており、取得期間は9月1日から12月31日まで。株主への利益還元と、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするために実施するという。

■三信電気 <8150>  2,717円 (+118円、+4.5%)

 東証プライムの上昇率8位。三信電気 <8150> が大幅高で4日続伸し連日の年初来高値更新となった。19日の取引終了後、9月中間期の連結業績予想について、売上高を799億円から860億円(前年同期比14.4%増)へ、営業利益を15億円から21億円(同5.7%減)へ、純利益を15億5000万円から19億円(同40.0%増)へ上方修正したことが好感された。4月から7月までの進捗状況や8月以降の見込みを精査した結果、半導体や電子部品の販売や技術サポートを展開しているデバイス事業、ICTソリューションを展開しているソリューション事業ともに売上高・セグメント利益が計画を上回る見通しであるという。

■山洋電気 <6516>  10,250円 (+370円、+3.7%)

 山洋電気 <6516> が後場終盤になって上げ幅を拡大。午後3時ごろ、9月30日を基準日として1株を3株に株式分割すると発表したことが好感された。投資単位当たりの金額を引き下げることで投資家がより投資しやすい環境を整え、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることが目的という。

■キャリアデザ <2410>  2,260円 (+78円、+3.6%)

 キャリアデザインセンター <2410> は続伸。19日取引終了後、25年9月期の配当予想について95円から100円(前期90円)に増額修正すると発表した。業績が順調に推移しているため。これが好感された。

■ロート製薬 <4527>  2,570.5円 (+81円、+3.3%)

 ロート製薬 <4527> は高い。SMBC日興証券が19日付で目標株価を3000円から3200円へ引き上げたことが材料視された。投資評価は最上位の「1(アウトパフォーム)」を維持した。同証券によると、国内スキンケアは懸念ほど悪化していないとした上で海外成長力を評価。

■スギホールディングス <7649>  3,923円 (+116円、+3.1%)

 スギホールディングス <7649> が3日続伸。19日の取引終了後、埼玉県を中心に調剤併設型ドラッグストアを300店舗以上展開するセキ薬品(埼玉県宮代町)の株式の34.8%を9月30日付で取得し持ち分法適用会社化すると発表したことが好感された。両社の経営資源を融合することで、商圏の拡大や地域競争力の向上、商品・物流・システムなどの最適化及びコスト構造の改善を図るのが狙い。取得価額は161億3300万円。このほか、他の株主との間で14.2%の株式についても譲渡契約を締結することを検討しており、9月30日には49.0%の株式を取得する見込みとしている。更に、5年後をメドに所有割合を51.0%に高め、連結子会社とする方針だ。なお、26年2月期業績予想への影響は精査中としている。

■サイゼリヤ <7581>  5,680円 (+140円、+2.5%)

 サイゼリヤ <7581> が3日続伸し、年初来高値を更新した。同社は19日の取引終了後、マレーシアに100%子会社を設立すると発表。海外事業の拡大による業績へのポジティブな影響を期待した買いが入ったようだ。新会社を通じてマレーシアでレストラン「サイゼリヤ」を展開する。今年9月の設立を予定する。

■ダイナマップ <336A>  1,160円 (+27円、+2.4%)

 ダイナミックマッププラットフォーム <336A> が底堅い。同社は20日、北米における高精度3次元地図データについて新たに約30万キロメートル整備し、データカバレッジを約150万キロメートルまで拡大したと発表しており、株価を下支えする材料となった。同社の高精度3次元地図データは自動運転に必要なデータが収録されている。対象範囲には米国及びカナダの高速道路や幹線道路といった主要道路も含まれており、北米での自動運転や先進運転支援システム(ADAS)の普及に伴う需要拡大が期待できる。

■リソー教育 <4714>  226円 (+5円、+2.3%)

 リソー教育 <4714> が続伸。19日の取引終了後、遊びが学びに変わる次世代型テーマパーク「リトルプラネット」を展開するリトプラ(東京都港区)と業務提携契約を締結すると発表しており、好材料視された。リソー教育は今年4月、親会社のヒューリック <3003> 及びコナミグループ <9766> 傘下のコナミスポーツと、新しい子育ての拠点として教育特化型ビル「こどもでぱーと」を開業。更に27年開設予定の「こどもでぱーと渋谷(仮称)」が入居する「MITAKE LINK PARK(仮称)」内で、子どもたちの多様な知的好奇心を育み、学びや体験を通して一人ひとりの可能性を広げる場として「創造文化教育施設」の運営を行う予定だが、同施設にデジタル体験スペースを設置するにあたり、リトプラと業務提携して子どもにとって大切な知育・徳育・体育・才育の要素を含んだデジタルコンテンツを共同開発する。

■ベルーナ <9997>  1,028円 (+18円、+1.8%)

 ベルーナ <9997> は4日続伸し、年初来高値を連日で更新した。19日の取引終了後、7月度の月次売上高の速報値を開示した。連結売上高は前年同月比2%増の164億400万円と2ヵ月連続で前年同月を上回っており、株価の支援材料となった。ホテル事業は札幌エリア、大阪エリアを中心に好調に推移し大幅な増収となった。

■ふくおかFG <8354>  4,463円 (+73円、+1.7%)

 ふくおかフィナンシャルグループ <8354> は3日ぶりに反発し、年初来高値を更新した。資産運用会社のブラックロック・ジャパンが19日の取引終了後に関東財務局へ大量保有報告書を提出した。ブラックロック・ジャパン及び共同保有者がふくおかFG株式について新たに5%を超えて保有していることが明らかとなり、需給思惑的な買いが入った。同報告書によると、ブラックロック・ジャパン及び共同保有者の保有割合は5.03%。報告義務発生日は8月15日。純投資を目的とする。

■シマノ <7309>  16,570円 (+165円、+1.0%)

 シマノ <7309> は5日ぶり反発。19日取引終了後、自社株買いの取得上限を250万株から270万株へ引き上げると発表。これが買い手掛かりとなった。取得価額の上限(500億円)や取得方法(ToSTNeT-3または市場買い付け)、実施期間(2月13日~来年1月31日)に変更はない。なお、19日時点で141万7700株を取得済み。

※20日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

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