午後:債券サマリー 先物は続落、20年債入札結果は弱め
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19日の債券市場で、先物中心限月9月限は7日続落。朝方の売りが一巡したあとは下げ渋る場面もあったが、財務省が実施した20年債入札の結果が弱めと受け止められると下げ幅を広げた。 ミシガン大学が15日に発表した8月の米消費者態度指数(速報値)で1年先と5年先の予想インフレ率が前月から上昇したことなどを背景に、米市場ではトランプ政権が掲げる関税政策がインフレを招くとの警戒感が再び強まっている。米連邦準備理事会(FRB)が次回9月会合で大幅な利下げに踏み切るとの観測が後退するなか、米金利の先高観が円債相場に影響。日銀の利上げ再開観測が根強いこともあり、債券先物は売り優勢でスタートした。値ごろ感から下値では押し目買いも散見されたが、20年債入札の結果が明らかになると改めて売りが流入。小さければ好調とされるテール(平均落札価格と最低落札価格の差)は13銭と前回(7月10日)の18銭から縮小した半面、応札倍率が3.09倍と前回の3.15倍をやや下回ったことで需給の緩みが懸念されたようだ。この日に自民党は総裁選挙管理委員会を開き、臨時総裁選実施の是非を所属議員らから確認する方法について来週早々までに詰めることを確認したと伝えられ、石破茂首相の退陣を想定した財政拡張リスクが意識されたこともあり、先物は午後0時40分すぎに137円46銭をつけたあとも戻りは限定的だった。 先物9月限の終値は、前日比19銭安の137円62銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは一時1.600%と約1カ月ぶりの高水準をつけ、午後3時時点では前日に比べて0.025%高い1.590%で推移している。 出所:MINKABU PRESS