前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

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■TAC <4319>  319円 (+80円、+33.5%) ストップ高

 TAC <4319> [東証S]がストップ高。6日取引終了後にMBOを実施すると発表した。常務取締役の齋藤智記氏が代表を務めるJPEC(東京都目黒区)が1株350円でTOBを行う。これにサヤ寄せする格好となった。買い付け予定数は1153万8332株(下限594万3700株、上限設定なし)、買い付け期間は8月7日~9月19日。TOB成立後に上場廃止となる予定で、これを受けて東京証券取引所は6日付で同社株を監理銘柄(確認中)に指定した。

■Hmcomm <265A>  1,482円 (+300円、+25.4%) ストップ高

 Hmcomm <265A> [東証G]がストップ高。人工知能(AI)の研究開発及び社会実装をビジネスモデルに、音声認識処理、異音検知・自然言語解析処理を活用したプロダクトを提供している。足もとの業績も好調で25年12月期は53%増収、84%営業増益と大幅な伸びを見込む。そうしたなか、6日取引終了後に生成AIによる対話型AIエージェント「Terry2」を正式リリースしたことを発表、これを手掛かり材料に投資資金が流入した。Terry2は、従来の対話型音声AIボット「Terry」の設計思想を継承しつつ、生成AIによる柔軟な対話生成、実務レベルのタスク実行、AIと人のシームレスな連携を実現するもので今後のニーズ獲得が期待される。同社の株価は7月30日に1493円の年初来高値をつけた後は目先筋の利益確定売りで調整を入れていたが、7日は急速に切り返し、高値圏への再浮上を目指す展開となった。

■ソフト99 <4464>  2,020円 (+400円、+24.7%) ストップ高

 ソフト99コーポレーション <4464> [東証S]がストップ高。6日の取引終了後、同社社長を代表として株式取得などを目的に設立した堯アセットマネジメント(大阪市中央区)がソフト99に対し、非公開化を目的としてTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。MBO(経営陣が参加する買収)の一環。TOB価格は1株2465円。ソフト99の株価はTOB価格にサヤ寄せする動きをみせた。買付予定数の下限は756万6400株(所有割合:35.04%)で、上限は設定しない。買付期間は8月7日から9月19日まで。TOBが成立した場合、所定の手続きを経て、ソフト99は上場廃止となる見通し。ソフト99はTOBに賛同の意見を表明し、株主に応募を推奨した。東京証券取引所は6日付でソフト99を監理銘柄(確認中)に指定した。

■エムスリー <2413>  2,210円 (+399円、+22.0%) 一時ストップ高

 東証プライムの上昇率トップ。エムスリー <2413> [東証P]が4日ぶり急反騰、一時ストップ高となった。1900円台前半の75日移動平均線との下方カイ離を急速に埋める展開をみせた。医薬関連の情報サービスや医療従事者向け会員制サイトを活用した製薬マーケティング支援業務を行うが、足もとの業績は堅調に推移している。6日取引終了後に発表した26年3月期第1四半期(25年4-6月)決算は営業利益が前年同期比17%増の197億7700万円と2ケタ成長を達成した。トランプ関税についても現状ではネガティブな影響は生じていないとも伝わっており、買い安心感から見直し買いを誘導する格好となった。

■インターメス <262A>  2,416円 (+314円、+14.9%)

 東証プライムの上昇率3位。インターメスティック <262A> [東証P]が続急騰。同社は6日取引終了後、7月度の国内月次売上速報を公表。既存店売上高が前年同月比24.0%増(6月は2.1%増)となったことが好感されたようだ。全店ベースは同29.4%増(6月は6.1%増)に伸長。主な要因として、テレビCMをはじめとした各種プロモーションの効果や、UVカット率100%の「SUNCUTGlasses」の販売が好調に推移したことを挙げている。

■ロート <4527>  2,469円 (+312.5円、+14.5%)

 東証プライムの上昇率4位。ロート製薬 <4527> [東証P]が続急騰。6日の取引終了後、26年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を修正した。今期の経常利益予想を従来の見通しから25億円引き上げて430億円(前期比8.2%増)に見直した。経常利益は2期ぶりに最高益を更新する見通しを示し、評価された。最終利益予想は4億円増額して315億円(同2.1%増)に修正した。4-6月期に計上した受取配当金の計上を反映した。売上高と営業利益の予想は据え置いた。4-6月期は売上高が前年同期比19.9%増の819億6400万円、経常利益が同31.4%増の161億2700万円だった。全地域で増収となり、アジア・欧州がけん引した。

■JMDC <4483>  4,486円 (+524円、+13.2%) 一時ストップ高

 東証プライムの上昇率5位。JMDC <4483> [東証P]が急反騰、一時ストップ高となった。6日の取引終了後、26年3月期第1四半期の連結決算を発表。売上高は前年同期比32.5%増の107億2500万円、最終利益は同32.8%増の9億6600万円となった。2ケタの増収増益で着地しており、ポジティブ視されたようだ。4-6月期は主力のヘルスビッグデータ部門が増収増益だった。うち、インダストリー向けが力強く成長。製薬企業を中心としたデータ活用の高度化を背景に、高付加価値なサービスへの需要が増加した。

■資生堂 <4911>  2,661円 (+264円、+11.0%)

 東証プライムの上昇率6位。資生堂 <4911> [東証P]が5日ぶり急反騰。同社は6日の取引終了後、25年12月期第2四半期累計(1-6月)の連結決算を発表した。コア営業利益が前年同期比21.3%増の233億7200万円、最終利益は95億3500万円(前年同期1500万円)となっており、収益体質の改善を評価した買いが集まった。国内での構造改革効果が出現したほか、前年同期に日本事業の早期退職支援プランに関する構造改革費用を計上しており、この反動もあった。6月中間期時点で最終利益は通期計画(60億円)を大幅に超過した。1-6月期の売上高は前年同期比7.6%減の4698億3100万円だった。中国人旅行者の消費停滞トレンドが続く中国・トラベルリテール事業や「Drunk Elephant」ブランドの苦戦が続く米州事業を中心に減収となった。

■日農薬 <4997>  1,008円 (+86円、+9.3%)

 東証プライムの上昇率7位。日本農薬 <4997> [東証P]が3日続急伸。1000円大台に乗せ、2015年8月以来、10年ぶりの高値をつけた。同社は7日午後2時、26年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算の発表にあわせ、通期業績予想を上方修正した。売上高を1075億円から1090億円(前期比9.0%増)、営業利益は80億円から85億円(同0.9%減)、最終利益は48億円から50億円(同2.1倍)に引き上げており、株高の原動力になった。新たにベトナム子会社の損益見通しを連結業績予想に取り込んだほか、海外における殺ダニ剤の販売増加による影響などを織り込んだ。4-6月は売上高が271億3300万円(前年同期比41.0%増)、営業損益が35億4200万円の黒字(前年同期は1億6400万円の赤字)、最終損益は27億900万円の黒字(同5400万円の黒字)になった。主力の農薬事業は国内で米価高騰による生産意欲の高まりから水稲向け製品の販売が好調だった。海外は北米と欧州が牽引。両地域で除草剤が伸長した。また北米は乾燥した気候が一部地域で継続したことでダニの多発生が起きたことなどから、果樹向けの殺ダニ剤の販売も順調だった。

■淀川鋼 <5451>  1,306円 (+110円、+9.2%)

 東証プライムの上昇率9位。淀川製鋼所 <5451> [東証P]が3日続急伸。一時9%近い上昇で1303円まで駆け上がり、2月12日につけた1214円を払拭し約半年ぶりに年初来高値更新となった。同社は独立系鉄鋼メーカーで表面処理鋼板の大手だが、6日取引終了後に26年3月期業績予想の修正を発表、最終利益は従来予想の104億円から115億円(前期比15%減)に増額した。米関税政策による需給バランスへの影響が足もとで限定的なものにとどまっているほか、原料コストが想定に至らず利益率の改善が反映される見通しとなった。利益見通しの上方修正とあわせ、配当についても従来計画から6円上乗せし60円とすることも併せて発表している。これに伴い配当利回りは前日6日終値換算で5%強まで上昇、これを好感する形で朝方から大口の買いを呼び込む格好となった。

■楽天銀 <5838>  7,200円 (+565円、+8.5%)

 東証プライムの上昇率10位。楽天銀行 <5838> [東証P]が急反発。同社は6日の取引終了後、26年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算を発表。経常収益が前年同期比40.8%増の575億400万円、最終利益が同54.1%増の168億3500万円となった。増収増益になった業績が好感され、買われた。4-6月期は資金運用収益が大きく伸びた。運用資産の増加や日銀による政策金利の引き上げに伴う運用利回りの上昇などが追い風になった。口座数と預金残高も増加した。

■多木化 <4025>  3,295円 (+255円、+8.4%)

 多木化学 <4025> [東証P]が3日続急伸。同社は7日午後2時ごろ、25年12月期通期の連結業績予想を修正。営業利益の見通しは従来の13億円から29億円(前期比8.7%増)に引き上げた。売上高予想も410億円から416億円(同6.9%増)に上方修正。水処理薬剤の原料価格上昇に伴う販売価格の是正が進んだことや、各セグメントが当初の予想より好調に推移していることが主な要因だとしている。また、期末一括配当を従来計画比15円増額の75円(前期は55円)とすることもあわせて発表している。

■タイミー <215A>  2,184円 (+169円、+8.4%)

 タイミー <215A> [東証G]が急反発。同社は6日取引終了後、単発アルバイトマッチングサイトを運営するスキマワークス(東京都港区)の全株式を取得し、グループ会社化すると発表。これによるシナジーなどが期待されたようだ。スキマワークスは、物流倉庫領域における業務委託(BPO)型運営に強みを持っている企業。両社の知見とノウハウを掛け合わせることで、「タイミー」が導入されている多くの拠点で安定した運営を実現できる体制の強化を図るとしている。

■メイコー <6787>  8,080円 (+610円、+8.2%)

 メイコー <6787> [東証P]が続急伸。6日取引終了後、26年3月期連結業績予想について売上高を2130億円から2230億円(前期比7.8%増)へ、営業利益を200億円から235億円(同23.1%増)へ上方修正すると発表した。想定していた米国の大規模関税の引き上げ観測が緩和されたこと、需要が好調でベトナム第4工場の稼働による今後の収益性が高まる見通しとなったことが要因。これを好感した買いが集まった。

■西華産 <8061>  6,030円 (+440円、+7.9%)

 西華産業 <8061> [東証P]が6日続急伸。大幅高で6000円大台乗せを達成し、1989年以来およそ36年ぶりの高値圏を走った。7日午後2時ごろ、4-9月期(上期)連結業績予想について売上高を500億円から505億円(前年同期比13.4%増)へ、営業利益を25億円から31億円(同6.1%増)へ上方修正すると発表。下期受け渡し予定の案件の納入が前倒しで進んでいるため。あわせて9月末を基準日として1対3の株式分割を実施すると明らかにした。これに伴い、従来110円(分割前)としていた期末配当予想を37円(分割後)に見直した。37円は分割前ベースで111円となり、実質増配となる格好だ。これら発表を手掛かりに買いを呼び込んだ。

■フジシール <7864>  3,040円 (+192円、+6.7%)

 フジシールインターナショナル <7864> [東証P]が3日続急伸。同社は7日正午、26年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算を発表。売上高が前年同期比4.7%増の549億4300万円、営業利益が同34.0%増の60億500万円となり、株価の刺激材料になった。営業利益の通期計画(194億円)に対する進捗率は31.0%だった。4-6月期は米州や欧州が増収増益となり、業績を押し上げた。米州は主力のシュリンクラベルで関税政策の影響を見越した先行受注があり増収。ノースカロライナ工場の「DAY1」投資分がフル稼働し、3工場体制における収益性が盤石化している。9月からは「DAY2」投資分も稼働する予定だ。欧州はシュリンクラベルとタックラベル、機械の3事業全てで増収となったうえ、課題であった固定費の削減施策の効果が出た。

■石油資源 <1662>  1,142円 (+62円、+5.7%)

 石油資源開発 <1662> [東証P]が続急伸。7日午後2時ごろ、26年3月期の連結業績予想について、営業利益を280億円から310億円(前期比50.0%減)へ、純利益を300億円から330億円(同59.3%減)へ上方修正したことが好感された。子会社だったジャペックスエネルギーを売却したことによる石油製品などの販売量減少を見込むことで、売上高は3324億円から3300億円(同15.2%減)へ下方修正したものの、国産原油並びに国内天然ガスの販売価格の上昇や、北米におけるE&P(探鉱・開発・生産)事業収支の上振れなどを見込むことで利益は増額する。なお、同時に発表した第1四半期(4-6月)決算は、売上高828億4400万円(前年同期比7.4%減)、営業利益166億9900万円(同29.0%増)、純利益157億1400万円(同36.7%増)だった。

■朝日工 <1975>  3,010円 (+158円、+5.5%)

 朝日工業社 <1975> [東証P]が7日続急伸。上場来高値を連日で更新した。同社は6日の取引終了後、26年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比2.1倍の18億8700万円に拡大し、最終利益は同96.3%増の13億9000万円となった。大幅増益で着地したことを好感した買いが入ったようだ。売上高は同4.3%減の176億7700万円と減収となったものの、売上総利益は好採算の大型工事が進捗して増加した。受注高は同48.2%増の312億6100万円となった。

■フジクラ <5803>  11,510円 (+580円、+5.3%)

 フジクラ <5803> [東証P]が3日続急伸。上場来高値を連日で更新した。同社は7日午後2時、26年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を上方修正した。今期の最終利益予想は従来の見通しから130億円増額して1030億円(前期比13.0%増)に引き上げた。減益予想から一転して前期に続き過去最高益の更新を計画。生成AIの普及に伴い、データセンター向けの需要が伸長する。年間配当予想については20円増額し150円(前期比50円増配)とした。発表直後に株価は乱高下したものの、次第に業績を評価した買いが優勢となった。今期の売上高予想は390億円増額して9960億円(前期比1.7%増)に上方修正した。4-6月期の売上高は2679億800万円(前年同期比22.7%増)、最終利益は313億1800万円(同63.9%増)だった。加えて同社は、生成AIの普及に伴うデータセンター市場での需要増加に対応するため、新工場を建設すると発表。光ファイバーと光ファイバーケーブルの設備能力の増強を図る。投資予定額は約450億円。29年度の稼働開始を予定する。

■八洲電機 <3153>  2,029円 (+89円、+4.6%)

 八洲電機 <3153> [東証P]が大幅高で7日続伸。7日で7連騰を記録、58円高の1998円と2000円目前まで上値を伸ばし、昨年7月17日につけた上場来高値2014円奪回を視界に捉える場面があった。日立系列の電気機器商社でトップライン、営業利益ともに堅調に拡大路線を走っている。ここ生成AIの拡大を背景に国内でもAIサーバーに対するニーズが急増しており、データセンターの新設や増設の動きが加速する方向にある。同社はデータセンター向け特殊空調で実績が高く、同関連の一角として注目度が高まっている。7月以降は週足陽線が続いており、足の長い資金の継続的な実需買いが観測される一方、信用買い残が枯れた状態にあることで、株式需給面での売り圧力の乏しさが短期筋の食指を動かした面もあるようだ。

※7日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

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