前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―
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■日東紡 <3110> 5,500円 (-1,000円、-15.4%) ストップ安 東証プライムの下落率トップ。日東紡績 <3110> [東証P]がストップ安。同社は前週末1日の取引終了後、26年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算を発表した。売上高は282億3100万円(前年同期比8.1%増)、経常利益は43億4400万円(同8.9%減)となった。AIサーバー向けのスペシャルガラスの需要増加による成長期待の高い銘柄だっただけに、経常減益となったことを背景に失望売りが膨らんだようだ。電子材料事業を中心に高付加価値品の販売が好調に推移したため営業利益の段階では増益だったものの、前年同期にあった為替差益がなくなり、為替差損が発生し、営業外費用の増加から経常減益となった。なお、電子材料事業ではAIサーバー向けの需要が引き続き旺盛で、スペシャルガラスの販売が好調に推移。同事業は2ケタの増収増益となった。 ■アルゴグラフ <7595> 4,890円 (-470円、-8.8%) 東証プライムの下落率2位。アルゴグラフィックス <7595> [東証P]が4日ぶり急反落。前週末1日取引終了後に4-6月期連結決算を発表し、売上高は前年同期比6.9%減の167億5500万円、営業利益は同14.2%減の24億4200万円だった。前期の官公庁向け大型案件の反動減があった。通期で増収増益を見込んでいるだけに失望売りを誘ったようだ。あわせて株式分割を実施すると発表した。9月30日を基準日として1株を4株に分割する。 ■ヤマハ <7951> 1,001円 (-87円、-8.0%) 東証プライムの下落率3位。ヤマハ <7951> [東証P]が3日ぶり急反落。前週末1日取引終了後、26年3月期連結業績予想について売上高を4550億円から4520億円(前期比2.2%減)へ、純利益を285億円から225億円(同68.5%増)へ下方修正すると発表。これを嫌気した売りが優勢となっていた。前回予想では一部のみ反映した米追加関税の影響とその挽回策を織り込んだ。あわせて発表した第1四半期(4-6月)決算は、売上高が1038億8800万円(前年同期比7.4%減)、純利益が23億8200万円(同74.7%減)だった。中国でのピアノ販売減に加え、業務用音響機器の需要一巡や為替の円高による影響などが要因。 ■極洋 <1301> 4,410円 (-315円、-6.7%) 東証プライムの下落率4位。極洋 <1301> [東証P]が4日ぶり急反落。4日昼ごろ、4-6月期連結決算を発表。売上高は前年同期比11.5%増の760億3000万円、営業利益は同15.9%減の26億700万円だった。主力の水産事業が堅調だった一方、生鮮事業や食品事業の利益減に伴い全体でも減益を余儀なくされた。通期で増収増益を見込んでいるだけに失望売りを呼んでいた。 ■日清食HD <2897> 2,680.5円 (-177.5円、-6.2%) 東証プライムの下落率7位。日清食品ホールディングス <2897> [東証P]が続急落。4日午後1時過ぎ、4-6月期連結決算を発表。売上高は前年同期比4.3%減の1770億3100万円、営業利益は同27.5%減の158億4400万円だった。国内外の事業とも資材高騰の影響を受けた。海外では米国を中心に円高影響も加わり中国地域を除くすべての地域で減収(為替実勢ベースでは全地域で減収)となった。これを嫌気した売りが優勢となった。 ■ニシオHD <9699> 4,045円 (-265円、-6.2%) 東証プライムの下落率8位。ニシオホールディングス <9699> [東証P] が急反落。8月1日大引け後(15:30)に決算を発表。25年9月期第3四半期累計(24年10月-25年6月)の連結経常利益は前年同期比5.1%増の141億円に伸び、通期計画の178億円に対する進捗率は79.7%に達し、5年平均の76.0%も上回った。 ■TDK <6762> 1,781円 (-95円、-5.1%) TDK <6762> [東証P]が4日ぶり急反落。同社は前週末1日の取引終了後、26年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算を発表した。売上高が前年同期比3.3%増の5357億5300万円、最終利益が同30.5%減の414億6200万円になっており、嫌気売りが膨らんでいた。円高の進行や自動車市場向けの落ち込みが収益を圧迫した。一方、センサー応用製品と小型二次電池などを手掛けるエナジー応用製品がICT市場や産業機器市場向けに伸長した。磁気応用製品は減収ながら、HDD(ハードディスクドライブ)サスペンションの販売が伸び、収益性は大きく改善した。 ■カシオ <6952> 1,150円 (-60円、-5.0%) カシオ計算機 <6952> [東証P]が急反落。前週末1日の取引終了後、26年3月期の連結業績予想について、売上高は2700億円(前期比3.1%増)の従来見通しを据え置きつつ、営業利益を240億円から210億円(同47.5%増)へ、純利益を165億円から150億円(同86.0%増)へ下方修正したことが嫌気された。時計事業を中心に米国の関税政策の影響を織り込んだことが要因としている。同時に発表した第1四半期(4-6月)決算は、売上高621億9100万円(前年同期比4.6%減)、営業利益37億3000万円(同17.6%減)、純利益37億2100万円(同39.8%減)だった。米国の関税の影響や、為替が1ドル=144円60銭(前年同期155円90銭)、1ユーロ=163円80銭(同167円90銭)、1人民元=20円(同21円50銭)となったことで利益率が低下した。 ■ワークマン <7564> 6,350円 (-300円、-4.5%) ワークマン <7564> [東証S]が3日ぶり大幅反落。前週末1日の取引終了後に発表した7月度の月次売上高速報で、既存店売上高は前年同月比3.7%増と5ヵ月連続で前年実績を上回ったものの、5月の同11.4%増、6月の同15.0%増から伸び率が縮小しており、これが嫌気されたようだ。降雨日が少なかったことで、レインウェアなど雨関連商品は低調となったものの、全国的に気温が高く、インナーや半袖Tシャツ、ファンウェアなどの夏物衣料が好調に推移した。また、アームカバーやレギンスなどの防暑小物も伸長した。なお、全店売上高は同7.5%増だった。 ■三菱UFJ <8306> 2,047円 (-80円、-3.8%) 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]が4日ぶり大幅反落。前週末1日発表の7月米雇用統計で、非農業部門雇用者数の増加幅は市場予想を下回り、5月分と6月分は大幅に下方修正された。これを受けて米国景気を巡る悲観が一気に広がり、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ観測が再燃。米長期金利は4.2%台まで低下(債券価格は上昇)した。東京市場においても投資家のリスク許容度が低下するなかで安全資産となる国債への選好姿勢が広がり、金利に低下圧力が掛かっていた。株式市場においては目先の金利先高観が薄れたとの受け止めから、銀行株への売り圧力が強まっていた。八十二銀行 <8359> [東証P]や楽天銀行 <5838> [東証P]も安く、東証の業種別指数で銀行業は下落率トップとなった。 ■日経レバ <1570> 27,920円 (-735円、-2.6%) NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 <1570> [東証E]が続落。日経平均に連動する仕組みで組成されたETFで、価格変動率が日経平均の2倍に基本設定されていることで、全体相場が波乱局面に遭遇すると個人投資家などの短期筋の参戦が活発化する傾向がある。4日は、前週末の欧米株が7月の米雇用統計発表を受け一斉に値を崩す展開となり、東京市場でもこの影響が及び、日経平均が一時900円以上下落するなどリスクオフ一色の地合いだった。プライム市場の9割の銘柄が下落する状況下、急速な投資マインドの冷え込みが日経レバへの売り圧力に反映されていた。ただ、信用取引が直近で売り長となっていた点は注目。直近7月25日現在の信用倍率が0.98倍と1倍を下回っていた。日経レバの信用倍率が1倍を下回るのは昨年7月初旬以来、約1年1ヵ月ぶり。 ■湖池屋 <2226> 4,705円 (-105円、-2.2%) コイケヤ <2226> [東証S]が続落。4日午後1時15分ごろに発表した第1四半期(4-6月)連結決算が、売上高150億900万円(前年同期比1.7%増)、営業利益7億100万円(同40.4%減)、純利益3億3300万円(同46.6%減)と大幅減益で着地したことが嫌気された。「湖池屋ポテトチップス」や「スコーン」などのロングセラーブランドで「湖池屋ストロング」や「絶品焼きとうもろこし」が好調に推移し売上高を牽引した。一方で、馬鈴薯品質の悪化に伴い馬鈴薯歩留まりが想定を大きく下回り、製造コストが増加。また、その他原材料費などの高騰や賃上げ実施・人員増加による人件費増加なども利益を圧迫した。なお、26年3月期通期業績予想は、売上高636億円(前期比7.1%増)、営業利益41億5000万円(同3.2%増)、純利益27億円(同4.2%増)の従来見通しを据え置いた。 ※4日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋 株探ニュース