前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―
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■Syns <290A> 988円 (-249円、-20.1%) 一時ストップ安 Synspective <290A> [東証G]が急反落、一時ストップ安となった。28日取引終了後、第三者割当による行使価額修正条項付き第5回新株予約権(停止指定条項付き)を発行すると発表した。発行新株予約権数は19万5230個(潜在株数1952万3000株)で、希薄化率は議決権ベース(6月末時点)で最大17.51%。調達資金約240億円(手取り概算額)は小型SAR衛星の製造・打ち上げと関連する設備投資資金などに充てる。将来的な1株利益の希薄化を警戒した売りが出た。 ■さくらネット <3778> 2,970円 (-700円、-19.1%) ストップ安 東証プライムの下落率トップ。さくらインターネット <3778> [東証P]がストップ安。28日の取引終了後、26年3月期の連結業績予想について、売上高を404億円から365億円(前期比16.2%増)へ、営業利益を38億円から3億5000万円(同91.6%減)へ、最終利益を24億円から2億円(同93.2%減)へ下方修正したことが嫌気された。継続を見込んでいた生成AI向けの大型案件終了の影響により、GPUインフラストラクチャーサービスの売上成長が一時的に遅れる見込みであることが要因という。同時に発表した第1四半期(4-6月)決算は、売上高74億9200万円(前年同期比26.2%増)、営業損益4億5700万円の赤字(前年同期2億3100万円の黒字)、最終損益3億2400万円の赤字(同4100万円の黒字)だった。提供開始2年目を迎えたGPUインフラストラクチャーサービスが牽引役となり、売上高は第1四半期として過去最高を更新。ただ、人材獲得などの戦略的先行投資が順調に進行した影響から、一時的にコスト先行となり赤字に転落した。 ■レーザーテク <6920> 14,850円 (-1,345円、-8.3%) 東証プライムの下落率2位。レーザーテック <6920> [東証P]が4日続急落。モルガン・スタンレーMUFG証券が28日、レーザーテクの投資判断をこれまでの「イコールウェート」から「アンダーウェート」に引き下げた。目標株価は1万1700円から1万1000円に減額修正している。半導体の技術ドライバーが先端露光技術からパッケージに移行し、EUV(極端紫外線)露光用マスク及び関連装置の需要はピークアウトしていると指摘。同証券はレーザーテクの27年6月期のEPS(1株利益)予想を832円30銭から785円70銭に見直している。 ■杉本商 <9932> 1,730円 (-129円、-6.9%) 東証プライムの下落率4位。杉本商事 <9932> [東証P]が3日続急落。機械・工具商社の同社は29日午前11時、26年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算を発表。売上高が前年同期比1.8%増の111億7000万円、最終利益が同26.8%減の2億3000万円となった。最終利益の通期計画に対する進捗率は約12%にとどまり、低調な業況を嫌気した売りが膨らんだ。米国の関税措置の動向に対する警戒感が広がり、国内各地域で設備投資の遅延や停滞が起き、収益の悪化につながった。 ■ヤクルト <2267> 2,400円 (-176円、-6.8%) 東証プライムの下落率5位。ヤクルト本社 <2267> [東証P]が3日続急落。29日午後2時20分ごろ、26年3月期連結業績予想について、売上高を5060億円から4950億円(前期比0.9%減)へ、営業利益を585億円から535億円(同3.4%減)へ、純利益を490億円から455億円(同0.1%減)へ下方修正し、増益予想から一転して減益予想としたことが嫌気された。国内の飲料及び食品製造販売において、物価高による購買意欲低下の影響などから「ヤクルト1000シリーズ」をはじめとする乳製品の販売が従来予想を下回る見通しであることが要因。また、海外の飲料及び食品製造販売において、為替レートが想定よりも円高となっていることも響くという。なお、同時に発表した第1四半期(4-6月)決算は、売上高1165億8600万円(前年同期比4.9%減)、営業利益109億600万円(同32.2%減)、純利益115億9700万円(同17.7%減)だった。 ■トーメンデバ <2737> 5,810円 (-370円、-6.0%) 東証プライムの下落率7位。トーメンデバイス <2737> [東証P]が急反落。同社は29日午後1時ごろ、26年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比44.0%減の18億4600万円となり、通期計画の88億円に対する進捗率は21.0%となった。売上高は同0.5%減の1023億8600万円で着地。車載ビジネス及び中国スマートフォン向け高精細カメラ用CIS(CMOSイメージセンサー)、国内SiP(システム・イン・パッケージ)ビジネスの売り上げが増加したものの、為替相場が前年に比べて円高で推移したことが影響した。なお、通期業績予想については従来計画を据え置いている。 ■コーテクHD <3635> 2,001.5円 (-41円、-2.0%) コーエーテクモホールディングス <3635> [東証P]が3日続落。28日の取引終了後に発表した第1四半期(4-6月)連結決算が、売上高148億円(前年同期比15.9%減)、営業利益35億7400万円(同37.5%減)、純利益60億7200万円(同55.5%減)と大幅な減収減益となったことが嫌気された。期中にパッケージゲームで1タイトルを発売し、スマートフォンではIPを許諾した2タイトルが運営を開始した。ただ、リピート販売と既存の運営タイトルが中心であり新規タイトルの寄与が限定的であったことや、積極的な採用、ベースアップなどで人件費が増加したことなどが利益を圧迫し、減収減益を余儀なくされた。減収減益となったものの、会社側では営業利益は保守的に見込んでいた社内計画を上振れたとコメントしている。また、下期に新作が集中することもあって、26年3月期通期業績予想は売上高920億円(前期比10.6%増)、営業利益310億円(同3.5%減)、純利益270億円(同28.2%減)の従来見通しを据え置いている。 ※29日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋 株探ニュース