前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―
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■タクマ <6013> 2,125円 (+61円、+3.0%) タクマ <6013> [東証P]が大幅反発。24日、同社を代表とする企業グループが、静岡県沼津市からごみ処理施設のDBO(設計、建設、運営)事業を受注したと発表しており、好材料視された。焼却施設およびリサイクル施設を新設し、30年1月から20年3ヵ月間の運営を行うというもので、高効率ごみ発電システムを導入し余剰電力の最大化を目指すとともに、ごみ質の変動に強い高耐久な焼却炉を導入することで長期的な安定稼働を図るという。契約金額は454億円で、設計・建設期間は25年7月から29年12月を予定している。 ■芙蓉リース <8424> 4,100円 (+114円、+2.9%) 芙蓉総合リース <8424> [東証P]が続伸。同社は24日午後1時ごろ、子会社のインボイスとメンバーズ <2130> [東証P]の脱炭素社会実現に向けた専門組織である 脱炭素DXカンパニーが業務協定を締結したと発表。これが買い手掛かりとなったようだ。この業務協定は、インボイスが手掛けるエネルギー使用量のデータ化サービスによる温室効果ガス(GHG)排出量算定支援と、脱炭素DXカンパニーの脱炭素経営支援を組み合わせることを目的としたもの。これにより、エネルギーデータの収集・可視化、サプライチェーン全体におけるGHG排出量の算定、中長期的な脱炭素戦略の策定から排出量削減の実行支援、マーケティング施策の立案まで、企業の脱炭素化推進を総合的に支援することが可能になるとしている。 ■エアロエッジ <7409> 3,010円 (+83円、+2.8%) AeroEdge <7409> [東証G]が3日続伸。同社の主力製品であるチタンアルミ製の低圧タービンブレードは、ボーイング社製737MAXのLEAPエンジンに搭載されている。米国政府が現地時間23日、日米関税交渉での合意内容に関し、日本がボーイング機を100機購入すると発表した。これを受けボーイング関連銘柄への物色意欲が高まったようだ。航空機向けに使われるスポンジチタンを手掛ける東邦チタニウム <5727> [東証P]や大阪チタニウムテクノロジーズ <5726> [東証P]も高かった。 ■オービック <4684> 5,535円 (+145円、+2.7%) オービック <4684> [東証P]が4日ぶり反発。23日取引終了後に4-6月期連結決算を発表し、売上高は前年同期比12.7%増の324億3100万円、営業利益は同15.2%増の214億7900万円だった。企業のデジタル化への取り組みを背景にシステムの更新投資需要が引き続き高い状態だったことが追い風。主力の統合業務ソフトウェア「OBIC7シリーズ」への引き合いが強まった。これが好感された。 ■東計電算 <4746> 3,960円 (+85円、+2.2%) 東計電算 <4746> [東証S]が続伸。23日の取引終了後に関東財務局に提出された大量保有報告書で、光通信 <9435> [東証P]グループの光通信と共同保有者の株式保有割合が5.00%となり、新たに5%を超えたことが判明。これを受けて需給思惑的な買いが入ったようだ。保有目的は純投資で、報告義務発生日は7月15日となっている。 ■ケーユーHD <9856> 1,170円 (+23円、+2.0%) ケーユーホールディングス <9856> [東証S]が続伸。23日の取引終了後、メルセデス・ベンツの正規販売店であるシュテルン中央(東京都中央区)の全株式を9月1日付で取得し子会社化すると発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。シュテルン中央は東京都中央区と江東区に3拠点を展開しており、子会社化することで輸入車ディーラー事業におけるメルセデス・ベンツビジネスの拡大及び収益増加を図るのが狙い。取得価額は未定。なお、26年3月期業績への影響は精査中としている。 ■JX金属 <5016> 878.9円 (+16.6円、+1.9%) JX金属 <5016> [東証P]が4日続伸。同社は23日の取引終了後、約15億円を投じて光通信に欠かせない結晶材料であるInP(インジウムリン)基板の生産能力を現行から約2割アップさせると発表した。寄り付き直後は売りが先行したものの、中期的な業績貢献を期待した買いが株価の下支え要因となったようだ。同製品の生産拠点である茨城県北茨城市の磯原工場の製造工程の一部を増強する。稼働開始は26年度の予定。InP基板は、光通信の受発光素子、ウエアラブル端末における近接センサー、産業用イメージセンサーなど幅広い分野で用いられている化合物半導体材料。同社は世界でも限られた数社のみが製造可能なInP基板サプライヤーだ。現在は生成AIの普及に伴いデータセンターの建設ラッシュが世界的に続いているが、同センター内でのデータのやり取りに光通信が多く用いられるため、InP基板の需要も増えている。なお、今期連結業績への影響は軽微とみられている。 ■MTG <7806> 4,700円 (+70円、+1.5%) MTG <7806> [東証G]が3日続伸。23日の取引終了後、25年9月期の連結業績予想について、売上高を930億円から960億円(前期比33.6%増)へ、営業利益を93億円から96億円(同2.9倍)へ、純利益を57億円から65億円(同2.9倍)へ上方修正したことを好感した買いが入った。「ReFa」の売り上げが引き続き好調なことに加えて、リカバリーウェアの新ブランド「ReD」の立ち上がりが順調に推移していることが牽引。また、新商品売り上げ比率の向上による粗利の増加や、同日付で長期赤字だった英国子会社マクレア社の解散を決定したことも貢献する。ただ、株価は春以降上昇基調を続けていただけに、目先の材料出尽くし感も台頭しており、朝高のあとは利益確定売りに押されマイナスに転じる場面もあった。 ■キッセイ <4547> 4,230円 (+60円、+1.4%) キッセイ薬品工業 <4547> [東証P]が続伸。大和証券は23日、同社株のレーティングの「2(アウトパフォーム)」を継続するとともに、目標株価を4600円から4900円に引き上げた。同社は5月に30年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表。「売上高1100億円以上」や「研究開発費控除前営業利益290億円以上」などを掲げ、成長投資の活発化と株主還元を積極的に行う方針を示した。同証券では、仮に売上高が計画に未達となる場合でも、成長投資や株主還元は計画通り実施していく考えを会社が示していることを評価。当面の業績が会社目標に多少届かない想定でも、株価に割安感を見出すことは十分可能とみている。 ■ニプロ <8086> 1,368.5円 (+18円、+1.3%) ニプロ <8086> [東証P]が続伸。24日、札幌医科大学と共同開発したヒト自己骨髄由来間葉系幹細胞「STR03」について、ALS(筋萎縮性側索硬化症)を対象とした第2相臨床試験を開始し、1例目の患者への投与が完了したと発表しており、好材料視された。同治験では、ALSに対する「STR03」の安全性及び有効性を評価し、適応に向けた科学的根拠の確立を目指す。 ■広済堂HD <7868> 463円 (+6円、+1.3%) 広済堂ホールディングス <7868> [東証P]が続伸。24日、子会社である広済堂ライフウェルが、東京都武蔵野市に葬儀場「東京博善のお葬式 武蔵野ホール」をオープンすると発表しており、好材料視された。同社では、「中期経営計画5.0」において、自社葬儀ブランドの拡充・新規葬儀場の出店によるエリア拡大に取り組み、30年までに年間葬儀施行件数3万件の達成を目指しているが、同ホールのオープンはその取り組みの第1号店となる。家族葬専用の邸宅タイプの小規模式場であり、明るいエントランスをはじめ、利用者に優しい導線設計が施されているのが特徴としている。 ■コムチュア <3844> 1,765円 (+20円、+1.2%) コムチュア <3844> [東証P]が続伸。23日の取引終了後、青森県信用保証協会へ「データ入力業務自動化支援」サービスを提供したと発表しており好感された。青森県信用保証協会は、信用保証業務や経営支援業務を通じて中小企業・小規模事業者の金融円滑化を支援する公的機関。決算書数値の入力業務において、人的作業による業務負荷や属人化が課題となっていたが、提携先であるCogent LabsのAI-OCR製品「SmartRead(スマートリード)」とコムチュアが独自開発した決算書データ入力専用ツール「BalanceEye(バランスアイ)」を活用した「データ入力業務自動化支援」サービスを提案したところ採用に至ったとしている。 ※24日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。 株探ニュース