15日の株式相場見通し=反発、関税警戒も米株高受け買い戻し優勢か
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15日の東京株式市場は売り買い交錯のなかも強気優勢の地合いで、日経平均株価は4日ぶりに反発し3万9000円台後半で頑強な値動きとなりそうだ。前日の欧州株市場は高安まちまちながら、ドイツの主要株価指数であるDAXやフランスのCAC40はいずれも終日軟調に推移した。トランプ米大統領がEUに対し、8月1日から30%の関税を適用すると発表したことで、これに伴う欧州経済への影響を懸念する売りを誘発した格好となっている。ただ、米国との間で一足先に関税交渉がまとまっている英国は他国と異なり強さを発揮、ロンドン市場ではFTSE100が反発し、史上最高値を更新するなど強い動きで目を引く状況にある。一方、米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに反発した。ナスダック指数は最高値を更新している。トランプ大統領はEUと同様にメキシコにも30%の関税を賦課することを表明しているほか、ロシアに対しても50日以内にウクライナと停戦しなければ100%の2次関税を課す方針を表明するなど、相変わらず強硬姿勢を崩していない。これを受けて関税政策による各国との摩擦を改めて警戒する動きはあるものの、下値では押し目買いニーズが強いことに変わりはない。朝方は両指数とも安く始まったが、その後は根強い押し目買いでプラス圏に切り返している。今後、貿易相手国との関税交渉で税率が下がるであろうという楽観的な見方がマーケットでは多数派を占めており、今のところ投資家心理が過度に弱気に傾くようなムードは感じられない。東京市場では米株市場が頑強な値動きを示したことでセンチメントが改善、買い安心感から日経平均は強含みで推移しそうだ。外国為替市場でドル高・円安方向に振れていることも追い風となりやすい。ただし6月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えており、その内容を見極めたいとの思惑から目先は上値を積極的に買い進む動きも見込みにくい。 14日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比88ドル14セント高の4万4459ドル65セントと反発。ナスダック総合株価指数は同54.80ポイント高の2万640.32だった。 日程面では、きょうは5年物クライメート・トランジション国債の入札が行われる。海外では、6月の中国70都市新築住宅価格動向、4~6月期中国実質国内総生産(GDP)、6月の中国小売売上高、6月の中国工業生産高、1~6月の中国不動産開発投資、1~6月の中国固定資産投資、5月のユーロ圏鉱工業生産、7月の欧州経済研究センター(ZEW)独景気予想指数のほか、米国では6月の米消費者物価指数(CPI)に対するマーケットの関心が高い。 出所:MINKABU PRESS