午後:債券サマリー 先物は小反発、20年債入札は波乱なく通過
投稿:
10日の債券市場で、先物中心限月9月限は小反発。午前は方向感に欠ける展開だったが、午後に入って20年債入札を波乱なく通過すると買い安心感が広がった。 20日投開票の参院選後に財政政策が拡張的になるとの思惑がくすぶるなか、債券先物は売り優勢でスタートした。ただ、9日に行われた米10年債入札の結果が堅調だったことなどを受け、同日の米長期債相場が6営業日ぶりに反発(金利は低下)したことが円債を下支え。米関税によって日本経済に下押し圧力がかかれば、日銀が追加利上げに動きにくくなるとの見方も底堅さにつながった。午後に入って20年債入札の結果が明らかになると、先物は一時138円81銭まで上伸。小さければ好調とされるテール(平均落札価格と最低落札価格の差)が18銭と前回(6月24日)の28銭から縮小したほか、需要の強弱を反映する応札倍率が3.15倍と前回の3.11倍を小幅ながら上回り、警戒されていたほど悪くなかったことから無難と受け止める市場参加者が多かった。とはいえ、日米通商交渉や参院選の行方を見極めたいとして積極的な売買は手控えられた。 先物9月限の終値は、前日比4銭高の138円73銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは、午後3時時点で前日に比べて0.015%低い1.490%で推移している。 出所:MINKABU PRESS