前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

投稿:

材料

■池田泉州HD <8714>  631円 (+34円、+5.7%)

 池田泉州ホールディングス <8714> が3日ぶりに急反発し、2011年以来の高値圏に浮上した。トランプ関税によるインフレ懸念が広がるなかで8日のニューヨーク市場で米長期金利は4.4%台に上昇した。また、参院選公示後の日本国内では自民党の苦戦が報じられ、野党からの減税圧力などが強まり財政が悪化するとの思惑から、債券は売られ円金利に上昇圧力が掛かっている。金利上昇メリットセクターである銀行株全般が選好されやすい地合いにあって、池田泉州HDは地銀を中心に投資をするありあけキャピタル(東京都中央区)が7%超を保有していることがこれまで明らかとなっており、関西地銀の再編を巡る憶測も渦巻いた状況にある。株価は600円のフシ目を明確に上抜けており、上値余地を見込んだ資金の流入を誘発したようだ。ありあけキャピタルによる5%超保有が判明している滋賀銀行 <8366> も高い。

■カシオ計算機 <6952>  1,158円 (+57円、+5.2%)

 カシオ計算機 <6952> は大幅続伸。アクティビストとして知られるオアシス・マネジメントがカシオの株式について、新たに5%を超えて保有していることが明らかとなり、思惑買いが入ったようだ。9日寄り付きとともに提出された大量保有報告書によると、オアシスの保有割合は5.19%となっている。報告義務発生日は2日。保有目的は「ポートフォリオ投資および重要提案行為」としている。

■コムシスHD <1721>  3,437円 (+132円、+4.0%)

 コムシスホールディングス <1721> が急反発。大和証券は8日、同社株のレーティングを「3(中立)」から「2(アウトパフォーム)」へ引き上げた。目標株価は3700円から4200円に見直した。主要顧客であるNTT <9432> の積極的な設備投資計画を考慮すれば、26年3月期連結営業利益の450億円(前期比2.2%減)の会社計画には上振れ余地があると指摘し、480億円(同4.4%増)への増額修正を予想。NTTドコモ向けモバイル工事も27年3月期にかけて受注増が続くとみている。更に、データセンター関連工事の受注増を見込んでいる。同証券では、27年3月期の同利益は510億円と最高益が続くと予想している。

■リミックスポイント <3825>  592円 (+22円、+3.9%)

 リミックスポイント <3825> が後場に一段高となった。同社は8日の取引終了後、社長の役員報酬を全額ビットコインとする日本初の取り組みを始めると開示した。更に9日正午すぎ、EVO FUNDを割当予定先として第25回新株予約権などを発行すると公表した。調達予定総額は約315億円で、 ビットコインの購入に充てる方針。暗号資産の購入に関する発表に反応する形で同社株に資金が流入した。なおリミックスは同日、26年3月期の連結業績予想を取り下げると発表。同日時点での暗号資産取得総額は約167億円と3月末時点から67億円増加したほか、今後も更に保有額が増える見込みであることなどを踏まえ、業績予想の取り下げを決めた。業績予想について、合理的に見積もることが可能となった場合は速やかに開示するとしている。

■ペプチドリーム <4587>  1,575.5円 (+44円、+2.9%)

 ペプチドリーム <4587> が続伸。同社は8日、子会社PDRファーマが前立腺がんを対象とした放射性医薬品2薬の臨床試験の治験計画届を医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出したと発表しており、好材料視された。今回治験計画届が提出された2薬は、米キュリウム社との戦略的提携に基づき、PDRファーマとキュリウム社が共同で国内での臨床開発を進めている。ペプドリでは、キュリウム社が海外で先行して実施している臨床試験のデータを最大限活用することで、国内において最短での承認取得を目指すとしている。

■INPEX <1605>  2,100.5円 (+50円、+2.4%)

 INPEX <1605> や石油資源開発 <1662> 、ENEOSホールディングス <5020> といった石油関連株が高い。8日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の8月限が前日比0.40ドル高の1バレル=68.33ドルに上昇した。米エネルギー情報局が8日に発表した25年の米石油生産量見通しが従来予想から引き下げられ、需給の引き締まりが意識された。明日発表予定の米週間在庫統計なども注目されている。

■NITTOKU <6145>  1,908円 (+38円、+2.0%)

 NITTOKU <6145> が反発。同社は8日の取引終了後、ペロブスカイト太陽電池の製造プロセスにおける生産ラインの大型受注を獲得したと発表。これを材料視した買いが入ったようだ。受注金額は数十億円程度で、仕向け地は国内。売り上げは来期以降の業績に寄与するという。同社はこれまで、業界標準機としてロール・ツー・ロール設備の受注活動に注力してきた。

■伯東 <7433>  3,700円 (+65円、+1.8%)

 伯東 <7433> が続伸した。同社は8日の取引終了後、米ワイヤレス半導体企業のInnoPhase IoT社と日本国内における代理店契約を結んだと発表。これが好感され買いが進んだようだ。InnoPhase IoT社による特許取得済み技術をもとにした 半導体及びモジュール製品はバッテリー寿命の大幅な延長が期待でき、エッジAI技術を活用したカメラ搭載製品などへの活用が見込まれている。伯東は自社の開発チームや販売ネットワークなどを生かし、製品の導入を促す。

■弁護士ドットコム <6027>  3,285円 (+55円、+1.7%)

 弁護士ドットコム <6027> が底堅い。同社は8日の取引終了後、CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)を通じ、訴訟・仲裁ファンドを運用するTrailblaze Asset Management(東京都港区)に出資したと発表。これが株価の下支え要因となったようだ。弁護士COMはスタートアップやベンチャー企業の成長支援を行うCVC「プロフェッショナルテック・キャピタル」を運営する。今回、CVCが出資したTrailblaze Asset Managementはアジア太平洋及び米国市場において、訴訟の原告となる企業に対し資金を提供し、原告が受け取る賠償金などをもとにリターンの獲得を目指すファンドを運用する。

■東邦ホールディングス <8129>  4,759円 (+64円、+1.4%)

 東邦ホールディングス <8129> が5日続伸。シンガポールに拠点を置く3Dインベストメント・パートナーズが東邦HDの株式を買い増していたことが8日の取引終了後に明らかとなった。同日に提出された変更報告書によると、3Dインベストメント・パートナーズの保有割合は18.12%から19.13%に上昇した。保有目的は「純投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為を行うこと」としている。報告義務発生日は1日。

■ウエルシア <3141>  2,601円 (+34.5円、+1.3%)

 ウエルシアホールディングス <3141> は年初来高値更新。8日取引終了後に3~5月期連結決算を発表。売上高は前年同期比9.7%増の3344億2800万円、純利益は同2.2倍の61億100万円だった。M&Aや調剤売上高の伸長、品揃え拡充などのほか、販管費コントロールの実施や粗利率の改善が寄与。法人税等調整額の影響もあった。好決算を評価した買いが入っている。なお、同社はツルハホールディングス <3391> との経営統合を予定しており、ツルハHDによる株式交換に伴い11月27日付で上場廃止となる。交換比率はツルハHDの株式5分割(効力発生日9月1日)を考慮した上で、ウエルシア1株に対し、ツルハHD株1.15株。

■わらべ日洋 <2918>  2,490円 (+28円、+1.1%)

 わらべや日洋ホールディングス <2918> が4日続伸し新値追い。8日の取引終了後に発表した第1四半期(3~5月)連結決算が、売上高575億100万円(前年同期比5.1%増)、営業利益22億4700万円(同1.3%増)と営業増益で着地したことが好感された。コメや海苔などの原材料価格の高騰に加えて、人件費や水道光熱費の上昇により製造コストが増加したものの、おにぎり材料などの取扱高の増加や商品規格の見直しなどが寄与し売上高・営業増益が増加した。なお、26年2月期通期業績予想は、前期に発生した一時費用の剥落に伴う下期の利益回復が見込め、売上高2315億円(前期比4.1%増)、営業利益60億円(同32.9%増)、純利益39億円(同45.5%増)の従来見通しを据え置いている。

※9日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

オンラインで簡単。
まずは無料で口座開設

松井証券ならオンラインで申し込みが完結します。
署名・捺印・書類の郵送は不要です。