前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

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■ウェッジHD <2388>  115円 (+30円、+35.3%) ストップ高

 ウェッジホールディングス <2388> が5日続伸。この日、ガンダム関連プラモデル(ガンプラ)を扱う小売・EC事業「G作戦」の事業譲受契約を締結したと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。「G作戦」は、電光少年団(東京都世田谷区)が手掛けるガンプラを中心としたホビー商品を大手ECサイト各社や自社の販売拠点を通じて販売する専門小売事業。ウェッジHDはマンガ・ゲーム・キャラクターなどを中心とした国内コンテンツ事業を展開しており、中期経営計画で「国内コンテンツ・プロデュース戦略」として、コンテンツタイトルの複数媒体展開や商品化の促進を掲げていることから、同件はその一環として商品販売チャネルの拡充と仕入れ力の強化が期待されている。

■ERIホールディングス <6083>  2,810円 (+500円、+21.7%) ストップ高

 ERIホールディングス <6083> がストップ高。同社は8日の取引終了後、25年5月期の連結決算発表にあわせ、26年5月期の業績予想を開示した。今期の売上高は前期比14.8%増の227億円、営業利益は36.9%増の28億円、最終利益は31.4%増の17億円、年間配当金は10円増配の70円としており、好感した買いが膨らんだ。今年4月に改正建築基準法が施行。法改正に伴う必須審査業務の増加などから増収、法改正にそなえ進めてきた体制整備などの先行投資の縮小から増益を見込む。同社はあわせて中期経営計画も発表した。28年5月期を目標年度に売上高280億円(25年5月期実績197億6500万円)、営業利益40億円(同20億4500万円)、ROE(自己資本利益率)20~30%(同21.4%)、配当金1株100円(同60円)を目指す。

■イクヨ <7273>  848円 (+145円、+20.6%) 一時ストップ高

 イクヨ <7273> が急騰。自動車向けに樹脂成形部品を手掛けるが、26年3月期は大型買収効果でトップライン、利益ともに急拡大を果たす見込みで、売上高は1871億1100万円(前期は177億3600万円)、営業利益は12億6700万円(同3900万円)を計画している。一方、同社は定款変更に伴い新たに投資業務を行うことが可能となったが、これを受けて成長戦略及び資産運用目的で暗号資産である ビットコインを購入する方針を発表、マーケットの耳目を集めた経緯がある。そうしたなか株主還元にも積極的に取り組み、8日取引終了後に株主優待制度の新設を発表した。25年9月末時点で500株以上を保有する株主の中から抽選で、ビットコイン10万円相当を30人、3万円相当を100人、1万円相当を1000人に贈呈するというもので、これがポジティブサプライズとなり投資マネーの攻勢を誘った。

■アサカ理研 <5724>  1,343円 (+226円、+20.2%)

 アサカ理研 <5724> が商いを膨らませ大幅高、25日移動平均線をマドを開けて上抜いた。5日・25日移動平均線のゴールデンクロスが接近しているほか、日足一目均衡表では前方の厚い雲を直前でかわしており、需給相場の色を徐々に強めている。廃棄される電子機器のデバイスから独自技術を使って貴金属回収を手掛けるビジネス、いわゆる「都市鉱山」の関連有力株として存在感を示している。中国の レアアース輸出規制に絡み、マーケットでもレアアース採掘に絡む事業を行っている企業に物色の矛先が向いているが、同社は都市鉱山からレアメタル・レアアースのリサイクルに関する研究開発を積極推進していることで、投資マネーの琴線に触れた。また、来年には福島県のいわき工場に新設備を導入するとともに、リチウムイオン電池再生事業も加速させていく方針で目が離せない。

■TORICO <7138>  743円 (+100円、+15.6%) ストップ高

 TORICO <7138> はストップ高。8日の取引終了後、新たに暗号資産投資事業を開始すると発表しており、これを好感した買いが流入した。将来的な収益機会の創出及び財務基盤の強化を図るのが狙い。また、展開するECサービス及びイベントサービスで、ブロックチェーン技術やデジタルアセットの活用による新たなビジネスモデルの可能性を視野に入れており、これに資する知見の蓄積と、新規事業創出に向けた布石としても位置づけている。なお、同事業開始に伴う26年3月期業績への直接的な影響は軽微としている。

■JCRファーマ <4552>  598円 (+80円、+15.4%)

 東証プライムの上昇率2位。JCRファーマ <4552> が続騰した。同社は8日の取引終了後、英製薬大手アストラゼネカ  グループのアレクシオン・アストラゼネカ・レアディジーズ社とライセンス契約を結んだと発表。これをポジティブ視した買いが入ったようだ。新規遺伝子治療用製品の開発を目的としたJUST―AAVカプシドに関するライセンス契約で、JCRファはアレクシオン社から契約一時金を受領するほか、研究開発に関するマイルストーンフィーとして最大2億2500万ドル、販売に関するマイルストーンフィーとして最大6億ドルを受け取る権利と、販売後の段階的ロイヤルティーを受け取る権利を持つ。

■パルHD <2726>  4,080円 (+475円、+13.2%)

 東証プライムの上昇率3位。パルグループホールディングス <2726> が急反騰。8日の取引終了後に発表した第1四半期(3~5月)連結決算が、売上高587億2700万円(前年同期比14.2%増)、営業利益78億5400万円(同24.6%増)、純利益52億3400万円(同24.7%増)と大幅増益となったことが好感された。51店舗の新規出店(退店は10店舗)と店舗の大型化が奏功したほか、EC売り上げが好調を維持した。また、持ち分法適用関連会社であったノーリーズを連結化したことも寄与した。増収効果に加えて、雑貨事業で300円超の商品を積極的に投入したことで売上総利益率が改善し、前期下期から取り組んでいる共同配送の効果も顕在化した。なお、26年2月期通期業績予想は、売上高2310億円(前期比11.2%増)、営業利益264億円(同11.6%増)、純利益168億5000万円(同42.2%増)の従来見通しを据え置いている。同時に、8月31日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表しており、これも好材料視された。投資単位当たりの金額を引き下げることで、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図る。

■CAICAD <2315>  68円 (+7円、+11.5%)

 CAICA DIGITAL <2315> が急伸。8日の取引終了後、ネクスグループ <6634> 子会社のネクスを株式交換により完全子会社化すると発表しており、好材料視された。10月16日付で、ネクス株式1株に対して、CAICAD株式571株を割当交付する。DX市場におけるグループの競争優位性を高めるのが狙いで、ネクスの完全子会社化に伴い、モバイルインターネットデバイスとM2M(マシンtoマシン)モジュールを中心とした通信機器の開発、販売、保守サービスなどの提供を行うM2Mソリューション事業を新たに開始する。なお、同件による25年10月期業績への影響は精査中としている。

■ANAPHD <3189>  1,324円 (+129円、+10.8%)

 ANAPホールディングス <3189> は3日続伸。8日取引終了後、投資戦略の一環として、子会社ANAPライトニングキャピタルがビットコイン(BTC)を購入したと発表した。購入数量は15.8222BTC。なお、現在の総保有状況は200.4957BTC(平均単価1BTC当たり1497万861円)。この発表が手掛かりとなったようだ。

■ソラコム <147A>  885円 (+83円、+10.4%)

 ソラコム <147A> が後場に一段高となった。同社は9日、米オープンAIが提供する「OpenAI API プラットフォーム」のエンタープライズ契約を締結したと発表。これが材料視され、投資資金の流入を誘発した。今回の新たな取り組みによりソラコムは生成AIを組み込んだサービスやプロダクトの開発を加速しつつ、より安定的なプラットフォームの提供、安心して利用できる環境の構築を進める。あわせて同社は、IoTデータ分析基盤の「SORACOM Query」の提供を正式に始めることなども発表している。

■セキュアヴェイル <3042>  332円 (+28円、+9.2%)

 セキュアヴェイル <3042> が売買代金を膨らませ急速人気化。同社はITセキュリティーに特化し、情報セキュリティーの構築・運用、ログ解析サービスなどで実績が高い。8日取引終了後に、東芝のグループ企業である東芝ITサービス(川崎市)が、セキュアヴェの統合セキュリティー運用クラウド「NetStare Cloud」を採用したことを発表しており、これを手掛かり材料に投資資金が流入した。同社株は3月24日の年初来高値337円に6月18日にツラ合わせする場面があったが、その後は戻り売りに押され調整局面に移行した。きょうは改めて買い直され、新高値圏突入を視野に入れる動きとなっている。

■Fusic <5256>  2,436円 (+191円、+8.5%)

 Fusic <5256> が大幅続伸。午後1時ごろ、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)が展開する宇宙関連スタートアップ支援プログラム「AWS Space Accelerator:APJ2025」に、日本における技術支援パートナーとして参画すると発表しており、好材料視された。同プログラムは、アジア太平洋・日本(APJ)地域における宇宙産業の成長を加速することを目的とした10週間のアクセラレータープログラム。オーストラリア、ニュージーランド、インド、日本を拠点とする宇宙関連スタートアップ最大40社を対象に、AWSを活用したソリューション構築・拡張を後押しする技術面やビジネス面でのサポートを提供するとしており、同社は日本国内のスタートアップを対象にAWSクラウドの技術教育と利用支援を行い、国内宇宙スタートアップの成長を後押しする。

■吉野家ホールディングス <9861>  3,261円 (+198円、+6.5%)

 東証プライムの上昇率9位。吉野家ホールディングス <9861> が大幅高で3日ぶりに反発。8日の取引終了後に発表した第1四半期(3~5月)連結決算が、売上高522億1800万円(前年同期比9.8%増)、営業利益10億5600万円(同20.0%増)、純利益7億4200万円(同9.0%増)と営業利益が2割増となったことが好感された。「吉野家」で11店舗の新規出店(閉店は9店舗)を行ったほか、「吉野家」「はなまる」ともに既存店売上高が伸長。また4月の価格改定効果や、前期にM&Aでグループ入りしたラーメン事業の宝産業、キラメキノ未来による純増もあって売上高が伸長した。一方で、コメなど原材料費の高騰は重荷となったが、前期に発生した「吉野家」のユニフォーム切り替えやM&A費用の減少による効果もあり、2割増益となった。なお、26年2月期通期業績予想は、売上高2250億円(前期比9.8%増)、営業利益74億円(同1.3%増)、純利益42億円(同10.4%増)の従来見通しを据え置いている。

※9日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

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