前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

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材料

■イオレ <2334>  2,892円 (+500円、+20.9%) ストップ高

 イオレ <2334> がストップ高。2020年10月以来、およそ4年9ヵ月ぶりの高値圏で推移している。同社は求人広告プラットフォームやグループコミュニケーションツールを手掛ける。7日の取引終了後、1日に参入を発表した暗号資産金融事業に関し、事業の詳細について開示。これが株価の刺激材料となったようだ。基礎事業として、余剰資金を活用して暗号資産を保有・運用する暗号資産トレジャリー事業と、暗号資産のレンディングに関する事業を開始する。購入する暗号資産はビットコインを想定。具体的な購入時期や金額については現在検討中とした。レンディング事業に関しては今後、サービスリリースに向けてシステム開発などを進める。

■ピアラ <7044>  634円 (+100円、+18.7%) ストップ高

 ピアラ <7044> がストップ高。同社は7日の取引終了後、第2四半期(4~6月)のTikTok広告納品額が前年同期比5.6倍になったと発表。これを手掛かり材料に買いを引き寄せた。同社は通販DXサービスなどを展開。TikTok広告をはじめとする縦型動画広告の市場が拡大するなかで制作体制を強化したほか、生成AIを活用した量産体制も確立し、制作数の大幅な増加につなげた。6月30日からはTikTok Shopを活用した次世代ソーシャルコマース支援にも注力し、販促支援の更なる強化を図る。

■農業総合研究所 <3541>  515円 (+80円、+18.4%) ストップ高

 農業総合研究所 <3541> がストップ高に買われ、年初来高値を大幅更新した。時価は2023年4月以来約2年3ヵ月ぶりの高値圏に浮上した。参院選の公示後、各党が農業政策への取り組みを打ち出すなか、石破首相も大票田を意識して、食料の安定的な確保に向け5年で2兆5000億円規模の予算を組む考えを表明している。株式市場でも農業関連株全般に物色の矛先が向かうなか、特に値動きの軽い産地直送野菜・果物の委託販売を手掛ける同社株に投資資金の流入が加速している。現在配当は行っていないものの、株主還元姿勢は高く、1月10日には30万株の自社株買いを発表した経緯がある。一方で信用買い残は100万株に届いておらず、外資系証券による貸株市場を通じた空売りが高水準で、その買い戻し圧力が株価の上値追いに拍車をかける格好となっている。

■Will Smart <175A>  969円 (+150円、+18.3%) ストップ高

 Will Smart <175A> がストップ高。午前11時ごろ、NTTドコモ(東京都千代田区)とカーシェア領域で業務提携契約を締結したと発表しており、これを好感した買いが流入した。今回の提携は、今年2月に発表したウィルスマとNTTドコモのモビリティシステム連携に関する基本合意に基づく最初の取り組みとなる。ウィルスマのモビリティDXプラットフォーム「Will-MoBi(ウィル モビ)」に搭載されたカーシェアリング機能と、NTTドコモが提供するカーシェア・レンタカーの統合プラットフォーム「dカーシェア」を連携することで、「dカーシェア」に参画を希望する事業者はワンストップかつ低コストで同プラットフォーム上でのサービス展開が可能になる。また、約1億人以上のdポイント会員基盤にもアプローチできるようになり、集客力の向上なども期待できるとしている。

■いつも <7694>  1,145円 (+150円、+15.1%) ストップ高

 いつも <7694> がストップ高。同社は7日、TikTok Shop向けに特化したフルフィルメント(通販やECにおいて、受注から配送までの業務の一連のプロセス全体のこと)サービス「いつロジ for TikTok Shop」の提供を開始したと発表。これが新たな買い手掛かりとなったようだ。このサービスは、同社の従量課金型フルフィルメントサービス「いつロジ」を基盤に、TikTok Shop特有のニーズに対応できるよう機能を強化。顧客から事前に提供されるマニュアルやFAQをもとにした高品質なCS代行サービスもパッケージ化し、低リスクかつ高い柔軟性でソーシャルコマース事業を支援するとしている。

■さくらケーシーエス <4761>  1,594円 (+202円、+14.5%)

 さくらケーシーエス <4761> は5日移動平均線を足場に急動意。三井住友銀行系列で金融向けや自治体向けなどを中心に幅広くITソリューション手掛ける古参企業で、高度なセキュリティーを強みとするデータセンターを主軸に展開している。生成AI市場の急拡大を背景としたAIサーバーの不足に対応するため、国内でもデータセンターの建設が加速する状況にある。取引先である富士通 <6702> との連携も厚く、関連有力株として今後の業容拡大に対する期待が株価押し上げの原動力となっている。

■ネクステージ <3186>  1,886円 (+184円、+10.8%)

 東証プライムの上昇率トップ。ネクステージ <3186> が急反発し年初来高値を更新した。7日の取引終了後、25年11月期の連結業績予想について、売上高を5800億円から6150億円(前期比11.3%増)へ、営業利益を150億円から170億円(同31.3%増)へ、純利益を95億円から108億円(同34.9%増)へ上方修正したことが好感された。上期において、商品ラインアップの充実を図ったことが奏功し、販売台数が想定以上に増加したことが牽引する。また、販管費の抑制を行うことで、利益が改善したことも寄与する。同時に発表した5月中間期決算は、売上高3089億3600万円(前年同期比16.6%増)、営業利益70億6900万円(同9.0%減)、純利益42億6500万円(同21.1%減)だった。

■タダノ <6395>  1,054円 (+98.1円、+10.3%)

 東証プライムの上昇率2位。タダノ <6395> は大幅反発。7日取引終了後、投資会社ジャパン・アクティベーション・キャピタル(東京都港区)から株式取得の通知を受けたと発表した。運用するファンドを通じて、タダノ株を1400万株(議決権ベースで11.02%)取得したという。これを受けて思惑的な物色が向かったようだ。

■MTG <7806>  4,075円 (+350円、+9.4%)

 MTG <7806> が続伸。同社は7日、全国942の病院内ショップで24時間リカバリーウェア「ReD(レッド)」の取り扱いが決定したと発表。また、きょうはスギホールディングス <7649> 傘下のスギ薬局の1500店舗以上で取り扱われることも明らかにしており、これが材料視されたようだ。ReDは、8つの天然鉱石を配合した血行促進繊維「VITALTECH」により身体が放出する遠赤外線を吸収し、再び肌へ放出することで血行を促進するウェア。「血行促進」と「疲労回復」が期待できるという。

■オムロン <6645>  3,788円 (+285円、+8.1%)

 東証プライムの上昇率3位。オムロン <6645> は急反発。投資会社のジャパン・アクティベーション・キャピタル(JAC、東京都港区)が7日、オムロンとの間でパートナーシップ契約を締結したと発表した。JACはオムロン株を保有し、戦略的パートナーとして同社の持続的な成長と企業価値の向上を目指す。これを受け、オムロン株に思惑的な買いが入ったようだ。

■dely <299A>  1,874円 (+139円、+8.0%)

 dely <299A> が上場来高値を更新。同社は国内最大級の料理動画サービスである「クラシル」の運営を手掛け、買い物リワードアプリ「クラシルリワード」や人材採用サービス「クラシルジョブ」なども積極展開している。そうしたなか、7日取引終了後に「クラシルリワード」で業界初の全流通・全カテゴリの購買データを活用した新機能「AIレシート」の提供を開始したことを発表、これを材料視する買いを呼び込んだ。

■アルファ <4760>  1,670円 (+121円、+7.8%)

 アルファ <4760> が続急伸。7日の取引終了後、25年8月期連結業績予想について、売上高を62億円から62億5000万円(前期比2.1%増)へ、営業利益を2億円から2億2000万円(同93.0%増)へ上方修正し、あわせて期末一括配当予想を50円から60円へ引き上げたことが好感された。ポップギャラリー製商品や別注製品の売り上げが前年並みを維持していることに加えて、POPKIT個人向けサービスの契約やデザイン受注などの役務サービスの売り上げが堅調に推移していることが要因としている。なお、純利益は法人税等調整額の影響により1億8500万円から1億1500万円(同13.5%減)へ下方修正した。

■テイツー <7610>  158円 (+11円、+7.5%)

 テイツー <7610> が大幅続伸。7日の取引終了後に発表した6月度の月次グループ売上高が前年同月比33%増の大幅増となり、2ヵ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感された。新品分野でトレカ、ホビーが好調に推移したことに加え、新型ゲーム機の発売に伴いゲーム分類の売上高が大きく伸長した。また、中古分野でもトレカ、ホビーが好調に推移した。

■児玉化学工業 <4222>  558円 (+35円、+6.7%)

 児玉化学工業 <4222> が動兆しきりで、株価を500円台半ばまで急浮上させてきた。住宅や自動車向けを主力とする樹脂加工メーカーで、顧客ニーズに対応したOEMメーカーとして高実績を持つ。また、M&A戦略にも長じ、4月には金属加工を手掛けるメプロホールディングス(東京都千代田区)の株式を取得し傘下に収めたことでトップラインが急拡大、26年3月期は前期比4.7倍となる750億円を見込む。5月中旬に急騰を演じ945円の年初来高値をつけた後は調整局面に移行していたが、500円近辺を横に走る75日移動平均線をサポートラインに下げ止まり、同移動平均線を滑走路にもみ合いが煮詰まるなか、上放れのタイミング待ちにあった。信用買い残は5月中旬以降に漸増傾向にあるが比較的足の長い資金とみられるほか、一方で機関投資家による空売りが高水準で需給面から浮揚力が働きやすい。

■ドリーム・アーツ <4811>  3,515円 (+200円、+6.0%)

 ドリーム・アーツ <4811> が急反発した。同社は8日午前8時半、ツルハホールディングス <3391> がドリムアーツのサービスである業務デジタル化クラウドの本格利用を始めたと発表。これを好感した買いが入ったようだ。ドリムアーツの「SmartDB(スマートデービー)」は、企業のDXに寄与するIT基盤をノーコードで開発・構築できるプラットフォーム。同社によると、今回の本格利用開始により、ツルハHDは店舗情報の一元管理を実現するとともに素早い経営判断を可能にし、新リース会計基準にも対応する体制を整える。ツルハHDは6月末時点で国内において2662店舗を展開する。

■ウェザーニューズ <4825>  4,230円 (+215円、+5.4%)

 東証プライムの上昇率10位。7日に決算を発表。「今期経常は12%増で2期連続最高益、実質増配へ」が好感された。
 ウェザーニューズ <4825> [東証P] が7月7日大引け後(15:30)に決算を発表。25年5月期の連結経常利益は前の期比33.7%増の44.6億円に拡大し、26年5月期も前期比11.9%増の50億円に伸びを見込み、2期連続で過去最高益を更新する見通しとなった。17期連続増収、7期連続増益になる。

■SCAT <3974>  447円 (+22円、+5.2%)

 SCAT <3974> が3日続伸。午後1時ごろ、7月14日付で名証メイン市場へ重複上場することを記念して記念株主優待を実施すると発表しており、好材料視された。25年10月末日時点で1単元(100株)以上を保有する株主を対象に、一律でQUOカード1000円分を贈呈する。なお、同記念優待は今回限りの実施となる。

■中央発條 <5992>  1,722円 (+64円、+3.9%)

 中央発條 <5992> が切り返し急。7日の取引終了後、投資事業を手掛けるDOE5パーセント(東京都渋谷区)が提出した変更報告書のなかで、同社らによる中発条株の共同保有割合が7.71%から8.35%に上昇したことが明らかとなり、思惑視されたようだ。報告義務発生日は6月30日。DOE5パーセントの保有目的の項目には「純投資及び建設的な対話(エンゲージメント)を通じた中長期的な企業価値の向上(状況に応じて重要提案行為等を行うことを含む)」と記載されている。

■マツキヨココ <3088>  3,065円 (+88円、+3.0%)

 マツキヨココカラ&カンパニー <3088> は大幅続伸し年初来高値を更新した。SMBC日興証券は7日、マツキヨココの投資評価を3段階で真ん中の「2」から最上位の「1」に引き上げた。目標株価は2500円から3600円に増額修正している。ビューティー商材に注力しつつ大都市圏において重点的に出店を強化する方針の同社について、持続的な収益性の改善が期待できると指摘。競合大手との比較で中期的な投資妙味が高まったとみる。同証券はマツキヨココの27年3月期営業利益予想を881億円から949億円に見直した。

■ライフコーポレーション <8194>  2,311円 (+61円、+2.7%)

 ライフコーポレーション <8194> が後場急上昇。午前11時30分ごろに発表した第1四半期(3~5月)連結決算が、売上高2162億8500万円(前年同期比4.8%増)、営業利益77億6800万円(同11.9%増)、純利益55億8100万円(同14.7%増)と2ケタ増益で着地したことが好感された。4店舗の新規出店に加えて、ネットスーパーの拡大や「BIO-RAL」などのプライベートブランド商品の強化、鮮度・おいしさを追求した商品施策などを実施したことが売上高を牽引した。また、カイゼン活動による生産性向上やコスト最適化への取り組みを継続したことも寄与した。なお、26年2月期通期業績予想は、売上高8850億円(前期比4.1%増)、営業利益257億円(同1.7%増)、純利益180億円(同0.3%増)の従来見通しを据え置いている。

■技研製作所 <6289>  1,421円 (+37円、+2.7%)

 技研製作所 <6289> は4日ぶり反発。この日午後1時ごろ、油圧式杭圧入引抜機「サイレントパイラーFシリーズ」に対応した「ハンドリングシステム」の新型機AM100Bを開発したと発表した。ハンドリングシステムとは、橋梁下での施工など空頭制限下で「硬質地盤クリア工法」を実施する際にパイルオーガの吊り込み・ケーシングの接続・切離などの作業を安全かつ効率的に実施することができるアタッチメントのこと。これを用いることで施工範囲が広がるという。これが材料視された。

■セリア <2782>  2,888円 (+71円、+2.5%)

 セリア <2782> が続伸。7日の取引終了後に発表した6月度の月次売上高で、既存店売上高が前年同月比1.0%増となり、4ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。客単価は同0.7%減となったものの、客数が同1.6%増と伸長した。なお、全社売上高は同3.5%増だった。

■丸一鋼管 <5463>  3,561円 (+61円、+1.7%)

 丸一鋼管 <5463> が反発。7日の取引終了後、9月30日を基準日として1株を3株に株式分割すると発表しており、好材料視された。投資単位当たりの金額を引き下げることで、より幅広い層の投資家の支援を受けるとともに、株式の市場流動性の向上を図ることが目的という。

■Jパワー <9513>  2,576円 (+25円、+1.0%)

 Jパワー <9513> は9日続伸。同社は7日、日立製作所 <6501> との間で、インフラ事業者向けのAI用データセンター構築に関する覚書を締結したと発表した。Jパワーが持つカーボンニュートラル電源(水力・風力・地熱・太陽光など)と、日立が持つデータセンターのIT設備・運営ノウハウなどを掛け合わせる。信頼性の高いセキュアな環境とカーボンニュートラルを両立する持続可能なデータセンターの構築を目指す。これを手掛かりにした買いが続いている。

※8日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

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