前週末4日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―
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■アニコムHD <8715> 712円 (+35円、+5.2%) アニコム ホールディングス <8715> [東証P]が急反発。犬や猫などのペット保険の最大手で動物病院運営などビジネス領域の拡大に傾注する一方、毎期増配を繰り返すなど株主還元にも前向きに取り組んでいる。そうしたなか、アクティビストとして名を馳せる米国の投資会社ダルトン インベストメンツが3日付で提出した大量保有報告書で、ダルトンのアニコムHD株式保有比率は5.08%と新たに5%を超過したことが判明した。ダルトン側では「発行者の株価が過小評価されており魅力的な投資機会であると考えて、発行者の株式を取得し長期的に保有する」としており、その際、株主価値向上につながる合理的な措置に関する重要提案行為などの可能性に言及していた。これを受けて、同社株の株高修正に向けた期待感から投資マネーが集中した格好だ。 ■巴川コーポ <3878> 724円 (+36円、+5.2%) 巴川コーポレーション <3878> [東証S]が続急伸。半導体実装用テープを手掛けており、対象となるのは最先端半導体ではなくレガシー半導体だが、エレクトロニクス武装が進む車載用で着実に需要を取り込んでおり、半導体関連の出遅れとして頭角を現している。26年3月期は前期比9%営業増益予想と回復色を示すなか、9倍台のPERだけでなく、会社解散価値の半値以下に放置された0.4倍台のPBRが水準訂正余地の大きさを示唆する。一方、株式需給面からのアプローチでは、信用買い残が低水準で戻り売り圧力が弱いことや、700円台後半まで累積売買代金の希薄なゾーンとなっていたことも注目された。 ■レナ <4889> 1,887円 (+91円、+5.1%) レナサイエンス <4889> [東証G]が3日ぶり急反発。3日の取引終了後、非小細胞性肺がんに対するニボルマブとPAI-1阻害薬(RS5614)併用療法の第2相臨床試験における症例登録を終了したと発表しており、好材料視された。同治験は、複数の抗がん剤治療歴を有する切除不能な進行・再発の非小細胞性肺がん患者を対象に、ニボルマブとRS5614との併用投与の有効性及び安全性を検討する試験。23年9月から広島大学、島根大学、岡山大学、鳥取大学、四国がんセンター、広島市民病院で実施しており、今年7月3日に登録を終了した。今後、最大で24週間の投与期間を経て、試験の評価、データ解析の結果を治験総括報告書にまとめるとしている。 ■三井松島HD <1518> 5,260円 (+170円、+3.3%) 三井松島ホールディングス <1518> [東証P]が大幅高で3日続伸。3日の取引終了後、旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンスが関東財務局に変更報告書を提出した。このなかで、シティインデックスイレブンスと共同保有者との株式保有比率が従来の35.97%から37.37%に上昇しており、思惑視した買いを誘ったようだ。シティインデックスイレブンスの保有目的は「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」。報告義務発生日は6月26日としている。 ■スクリン <7735> 12,045円 (+380円、+3.3%) SCREENホールディングス <7735> [東証P]が大幅続伸。半導体製造装置 メーカー大手でウエハー洗浄装置では世界で一頭地を抜く商品競争力を誇っている。半導体製造装置関連株の中では売買代金のランキング上位に顔を出すことが少なく、比較的目立たないが、ここにきて注目度が高まっており、4日は6月30日につけた年初来高値1万2155円を上回り新値街道に復帰した。3日は同社が生成AI市場の拡大に照準を合わせ、最先端の組み立て装置に参入すると伝わったことが株価の刺激材料となったが、市場では「直近では外資系証券の目標株価引き上げの動きなどがこうした報道と共鳴し、物色人気を後押した」(中堅証券ストラテジスト)としている。 ■Lクリエイト <352A> 1,280円 (+33円、+2.7%) LIFE CREATE <352A> [東証G]が続伸。3日の取引終了後に6月度の店舗数を発表し、主力のマシンピラティス「ピラティスK」の店舗数が前月比4店舗増の94店舗と順調に増加していることが好感された(全店舗数は164店舗)。また、7月は出店予定の店舗のうち出店契約締結を完了した店舗が11店舗あり、現時点で「ピラティスK」の店舗数は105店舗と3ケタ台に乗せる見通しで、全店舗数は175店舗に拡大する。 ■シンフォニア <6507> 9,300円 (+210円、+2.3%) シンフォニア テクノロジー <6507> [東証P]が3日ぶり反発。 SBI証券が3日、シンフォニアを投資判断「買い」、目標株価1万4500円として新規にカバレッジを開始した。航空機用やミサイル用の電源システムを主力製品とする防衛関連事業と、半導体シリコンウエハー搬送ロボットなどを主力製品とする半導体関連事業について、成長の継続が期待されることから、中期経営計画の達成のビジビリティーが高いと指摘。同証券はシンフォニアの27年3月期営業利益が185億円になると予想する。 ■ネクセラ <4565> 876円 (+19円、+2.2%) ネクセラファーマ <4565> [東証P]が4日ぶり反発。4日の寄り前、協業先のセンテッサ・ファーマシューティカルズとの研究開発提携に基づき480万ドルのマイルストンを受領することになったと発表しており、好材料視された。同マイルストンは、ネクセラとセンテッサ社が協業して開発中のオレキシン受容体作動薬プログラムにおける2番目の新規オレキシン2受容体(OX2R)作動薬「ORX142」について、新薬臨床試験開始申請(IND)が米国食品医薬品局(FDA)に受理され、健常人を対象としたフェーズ1試験が開始されたことに伴うもの。なお、同マイルストン480万ドルのうち、IND受理に伴う180万ドルは25年12月期第2四半期に、フェーズ1試験開始に伴う300万ドルは第3四半期に売上高としてそれぞれ計上される。 ■ハイデ日高 <7611> 3,300円 (+65円、+2.0%) ハイデイ日高 <7611> [東証P]が5日ぶり反発。4日午後3時ごろに3~5月期単独決算を発表し、売上高は前年同期比14.3%増の152億6100万円、営業利益は同27.1%増の18億7100万円だった。既存店の来店客数の持続的な伸長や新店の売り上げ好調に加え、各種販売促進策が寄与。コロナ禍で短縮した営業時間の延長に取り組んだことも業績押し上げにつながった。これが好感された。あわせて6月度の売上高速報を発表した。既存店は前年同月比8.6%増とプラス基調を継続した。全店ベースでは同12.8%増だった。 ■チムスピ <4397> 479円 (+9円、+1.9%) チームスピリット <4397> [東証G]が3日ぶり反発。4日午前11時30分ごろ、同社の勤怠管理・工数管理などの業務改善・効率化を支援する統合型クラウドサービス「TeamSpirit」が超小型衛星開発のアークエッジ・スペース(東京都江東区)に採用されたと発表しており、好材料視された。 ■レンゴー <3941> 821.7円 (+14.1円、+1.8%) レンゴー <3941> [東証P]が反発。同社は3日、10月1日納入分から段ボール原紙・紙管原紙・チップボール、及び段ボール製品・紙器製品の価格を改定すると発表。これによる採算改善などが期待されたようだ。価格改定は原燃料や資材価格が高止まりしているほか、労務費の上昇や物流コストのアップなどが主な理由。段ボール原紙・紙管原紙・チップボールは現行価格から1キロ当たり10円以上値上げし、段ボール製品・紙器製品については原紙価格改定分に工場でのコスト上昇分を加えて個別に提示するとしている。 ■三菱UFJ <8306> 2,015.5円 (+29円、+1.5%) 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]が3日続伸。3日の米株式市場ではJPモルガン・チェース が最高値を更新、バンク・オブ・アメリカ やシティグループ など大手銀行株が上昇した。米6月雇用統計が堅調な内容で景気後退懸念が薄らいだ。米連邦準備理事会(FRB)によるストレステスト(健全性審査)を通過したことも好感され、主要米銀で構成されるKBWナスダック銀行株指数は上昇基調を強めていた。米国での銀行株高を受け、東京市場でも大手銀行株に見直し買いが流入した。 ■アドテスト <6857> 10,675円 (+145円、+1.4%) アドバンテスト <6857> [東証P]が続伸。3日の米国株市場では、トランプ米政権が半導体設計ソフトの対中輸出規制を撤回したとの報道が半導体関連セクターに追い風材料となり、そのなかエヌビディア も続伸し上場来高値を更新した。エヌビディアの最先端AI半導体向けに半導体検査装置を納入するアドテストの株価もこれに刺激された。 ※4日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。 株探ニュース