話題株ピックアップ【夕刊】(1):古河機金、JCRファ、日本製鉄

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■古河機械金属 <5715>  2,472円   +213 円 (+9.4%)  本日終値  東証プライム 上昇率トップ
 古河機械金属<5715>が大幅高で6連騰となったほか、三井海洋開発<6269>、アサカ理研<5724>、DOWAホールディングス<5714>、東洋エンジニアリング<6330>などレアアース関連に位置付けられる銘柄が軒並み動意。レアアースは中国の輸出規制を受けて国際的にその確保に向けた政治的な動きが鮮明となっている。日、米、豪、印の4カ国で構成される枠組み「クアッド」の外相会合が今週ワシントンの国務省で開催され、協力体制を推進していく方向で一致したことが報じられた。また、前日にはインド・ニューデリーの日本大使館で、重要鉱物やそれを利用したバッテリーの供給網の連携強化を目的としたイベントが初めて開催されたことが伝わっている。そうしたなか、東京市場でもレアアースが物色テーマとしてにわかにクローズアップされてきた。個別に古河機金は2018年からレアアース回収機材の開発に取り組み、同分野の特許数でも国内上位にあるだけに投資マネーの攻勢が波状的に強まっている。また、「レアアース泥」の回収システム開発を手掛け、南鳥島沖での採掘事業に参画している東洋エンジも思惑買いが活発だ。このほか、急騰習性のあるアサカ理研などもにわかに注目度が高まっているもようである。

■JCRファーマ <4552>  530円   +27 円 (+5.4%)  本日終値
 JCRファーマ<4552>が4日ぶりに急反発した。同社は2日の取引終了後、ムコ多糖症2型(ハンター症候群)の治療酵素製剤「JR-141(一般名パビナフスプ アルファ)」のグローバル臨床第3相試験について、目標症例数の組み入れを達成したと発表。新薬の開発が前進したとの受け止めから、買いが入ったようだ。同製剤は日本においては21年5月より「イズカーゴ点滴静注用10mg」として販売。米国と中南米、欧州においてグローバル臨床第3相試験を実施している。同社の調べによると、ハンター症候群の患者数は世界で2000~3000人。JCRファの26年3月期は増収・最終黒字転換の計画で、前期に好調だった「イズカーゴ」について今期も売り上げの増加を見込んでいる。

■日本製鉄 <5401>  2,850円   +119 円 (+4.4%)  本日終値
 日本製鉄<5401>が続騰。同社は3日、総借入限度額5000億円のコミット型劣後特約付きタームローン契約を主要取引行5行と締結したと発表した。USスチールの買収に向けて借り入れた資金の返済に充てる方針。また、既存ローンの弁済を目的とするリファイナンスローン3000億円の調達実行を決めた。株式の希薄化リスクが後退したとの受け止めから、買いが集まったようだ。日本製鉄は6月、USスチールの買収完了を受けた記者会見で、希薄化が発生する形での増資について否定的な見解を示していた。今回発表となったローンはいずれも資本と負債の中間的な性質を持ち、株式の希薄化は発生しないという。

■コニカミノルタ <4902>  485.3円   +14.7 円 (+3.1%)  本日終値
 コニカミノルタ<4902>が堅調に推移。同社はきょう、トヨタ自動車<7203>と有人与圧ローバーに関する共同開発契約を締結したと発表。これが材料視されたようだ。これはトヨタと宇宙航空研究開発機構(JAXA)が研究開発を進める有人与圧ローバーに向けた宇宙用ダスト除去装置の開発、及び開発技術を地上転用する事業化の検討を行うもの。同社が複合機で培ってきた静電気を帯びたトナーの除去技術が、有人与圧ローバーの車体に付着する月の砂(レゴリス)を除去するために必要な要素技術のひとつとして期待されているという。

■トヨタ自動車 <7203>  2,511.5円   +46 円 (+1.9%)  本日終値
 トヨタ自動車<7203>が前日終値近辺で頑強な値動き。前日は押し目買いに3日ぶりに反発、上値を積極的に買い進む主体は不在ながらPBRが0.9倍前後と会社解散価値を1割程度下回っており、バリュエーションの観点から時価はイレギュラー水準とみた買いを引き寄せた。米国による相互関税上乗せ分の適用に関する交渉期限を9日に控えるなか、自動車メーカーへの収益デメリットが警戒されている。現状はトランプ米大統領に妥協する姿勢が全く見られず、日本車の米国販売における価格競争力の低下は回避できない可能性が高まっている。ただ、トヨタを含め国内主要メーカーは既に4社が値上げを表明しているが、性能面の優位性からシェアを大きく落とさないという見方もあり、同社株も時価近辺は強弱観が対立している。

■サイゼリヤ <7581>  5,100円   +70 円 (+1.4%)  本日終値
 サイゼリヤ<7581>がしっかり。2日に発表した6月度の月次売上高で、「サイゼリヤ」の既存店売上高が前年同月比11.3%増と44カ月連続で前年実績を上回ったことが好材料視された。土日祝祭日による日数が前年よりも少なかった影響がマイナス2ポイント程度あったものの、客数が同10.6%増と2ケタ増を維持したことが牽引役となった。

■フィナHD <4419>  1,094円   +14 円 (+1.3%)  本日終値
 Finatextホールディングス<4419>が3日ぶりに反発。岩井コスモ証券は2日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに、目標株価を1200円から1500円に引き上げた。25年3月期の連結業績は、売上高が前の期比43.3%増の77億200万円、営業利益は同4.6倍の9億5000万円と計画を上回って着地。EBITDAも11億8700万円と計画を上回った。金融インフラストラクチャ事業などが好調だった。新中長期ビジョンでは29年3月期の売上高300億円、EBITDAは100億円を目指す。レガシーシステムからの入れ替えやDX需要が高まるなか、同ビジョンの達成に期待が持てる、と同証券ではみている。

■クボタ <6326>  1,649.5円   +20 円 (+1.2%)  本日終値
 クボタ<6326>が9日続伸。この日、営農支援システム「KSAS」(Kubota Smart Agri System)に、生成AIを活用した「KSAS AIチャット」機能を正式に追加したと発表しており、好材料視された。KSASは、農業経営課題の解決をサポートするインターネットクラウドを利用した営農支援システムで、パソコンやスマートフォンを利用して電子地図を用いたほ場の管理や作業の記録、進捗状況の把握などができ、農業経営を「見える化」する。今回のAIチャット機能により、KSASの使用方法や新規就農に役立つ情報だけではなく、営農に関する簡単な質問を回答できるよう機能を強化しており、利便性の向上による利用者層の拡大が期待されている。

■エニマインド <5027>  532円   +5 円 (+1.0%)  本日終値
 AnyMind Group<5027>は3日ぶりに反発した。同社は3日午前9時、米国大手消費財メーカーのチャーチ&ドワイトのオーラルケアブランド「TheraBreath」(セラブレス)のインドネシア、フィリピン、タイ市場での展開を支援すると発表しており、好材料視された。エニマインドは3カ国におけるセラブレスのEC展開を包括的に支援する。具体的にはECマネジメントプラットフォームによる運用支援とデータ分析、インフルエンサーマーケティングプラットフォームによる施策立案と実行、生成AIによるライブコマースプラットフォームを活用したライブコマース施策などに取り組む予定だ。

■ブラザー工業 <6448>  2,537円   +18.5 円 (+0.7%)  本日終値
 ブラザー工業<6448>が強含み。同社はきょう、多種多様な業務をまたいだ研究部門間のネットワークとなる「研究営業アライアンス」に参画すると発表しており、これが買い手掛かりとなったようだ。研究営業アライアンスは、国内の各業界を代表する参画企業の研究開発部門同士が連携するネットワークを構築し、研究シーズとニーズのマッチングによる研究の社会実装化及び事業化を目指す取り組み。同社は中期戦略でマテリアリティ解決に関わる事業テーマを創出し、新規事業として育成することを目標に掲げており、研究営業アライアンスへの参画を新規事業創出に対する目標達成への足掛かりとしたい考えだ。

株探ニュース

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