前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

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材料

■三井松島HD <1518>  4,995円 (+365円、+7.9%)

 東証プライムの上昇率4位。三井松島ホールディングス <1518> [東証P]が3日続急伸。同社は18日の取引終了後、自社株TOB(公開買い付け)を実施すると発表した。5月に発表した上限350万株の自己株式の取得枠を400万株(自己株式を除く発行済み株式総数の35.8%)に拡大したうえで、6月19日から7月16日の間に1株5000円で買い付けを行う。旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンスが保有株の売却の意向があることを踏まえ、需給面での影響を抑制する。TOB価格が意識されたほか、取得した自己株式を消却した際の1株利益の押し上げ効果に対する期待も相まって、買いが入ったようだ。取得株式数の上限は400万株(取得価額の総額の上限は200億円)。三井松島HDは取得した自己株式の処分などの方針について、現時点では未定であり、具体的に決定した場合は速やかに開示するとしている。

■イーレックス <9517>  823円 (+57円、+7.4%)

 東証プライムの上昇率5位。イーレックス <9517> [東証P]が急伸。SMBC日興証券が18日付で同社の投資評価「2」を据え置き、目標株価を730円から820円に引き上げたことが材料視された。レポートでは、競争環境は厳しい状況が続いているものの、柔軟な営業戦略により26年3月期の小売販売電力量の減少は小幅になると予想。また、海外発電所開発の進捗を注目ポイントに挙げており、本格的な業績貢献は27年3月期以降になるとみている。

■ポート <7047>  2,008円 (+110円、+5.8%)

 ポート <7047> [東証G]が急反発。19日の寄り前に自社株買いを実施すると発表しており、好材料視された。上限を16万6000株(自己株式を除く発行済み株数の1.26%)、または3億円としており、取得期間は6月20日から9月30日まで。今後のM&Aなどの積極的なコーポレートアクションに備えるために、保有する自社株を更に増やすことで今後の有効活用を図ることが目的という。

■マイクロアド <9553>  466円 (+24円、+5.4%)

 マイクロアド <9553> [東証G]が急反発。同社は19日、TikTok Shop総合支援の専門子会社であるUNIVERSE PULSEとともに、CCCMKホールディングス(横浜市西区)及び子会社のLivels(リベルス)と戦略的業務提携を締結したと発表。これが株価を刺激したようだ。この提携は、日本でのTikTok Shopの本格展開に備え、UNIVERSE PULSEの提供するサービス及びクリエイターネットワークの強化を主な目的としたもの。CCCMKHDとの連携による実店舗でのプロモーションやデータ活用に加え、Livelsが持つ1000人超の厳選されたクリエイターと連携することで、より広告主のニーズを捉えたマッチングが可能になるとしている。

■ルネサス <6723>  1,935円 (+66.5円、+3.6%)

 ルネサスエレクトロニクス <6723> [東証P]が大幅反発。米ブルームバーグ通信が19日、経営難に陥った半導体メーカーのウルフスピード  に関し、再建策を策定したうえで破産法適用を申請する「事前調整型破産」で債権者と合意したと近く発表する見通しだ、と報じた。アポロ・グローバル・マネジメント  など債権者に買収されるという。ウルフスピードに対し長期供給契約とともに、20億ドルの預託金を提供していたルネサスに対しては、報道を材料視した買いが入ったようだ。記事によると、破産手続きでは株主の持ち分が通常、無価値となるが、今回提案されているのは株主が最大5%を回収できるシナリオで、仕入れ先など無担保債務を保有する債権者は全額返済を受けることが提案されているという。

■ジーニー <6562>  1,874円 (+51円、+2.8%)

 ジーニー <6562> [東証G]が反発。同社は19日午前11時ごろ、グループのJAPAN AIがリスティング広告運用を効率化させるAIエージェント「リスティング広告最適化エージェント」の提供を開始したと発表。これが買い手掛かりとなったようだ。JAPAN AIは今後、広告配信データと連携させることで、施策の次なるアクションを自動提案する機能を実装する予定。また、キーワード調査ツールを用いて、SEO(検索エンジン最適化)対策業務をサポートするAIエージェントを開発中だとしている。

■タスキHD <166A>  677円 (+16円、+2.4%)

 タスキホールディングス <166A> [東証G]が3日ぶり反発。18日取引終了後、グループ会社ZISEDAIが手掛けるクラウド型物件管理サービスの累計導入社数が200社を突破したと発表した。2022年のサービス提供開始から、ユーザーの要望に応えて多くの機能開発やアップデートを重ねたことで着実に支持を得てきたという。

■日本製鉄 <5401>  2,766円 (+61円、+2.3%)

 日本製鉄 <5401> [東証P]が3日ぶり反発。同社は米国時間18日、USスチール  の買収完了を発表した。日本製鉄による取得価額は約142億ドル(約2兆590億円、1ドル=145円)。2028年までに日本製鉄はUSスチールに対し、約110億ドル(1兆5950億円、同)の投資を実施する方針。USスチールの最高経営責任者(CEO)を含む経営中枢メンバーは米国籍、取締役の過半数も米国籍とするほか、米国政府が黄金株(拒否権付き種類株)を保有するスキームとした。巨額買収とその後の費用発生に伴い、増資の可能性が意識されていたが、一部報道によると日本製鉄が日本時間19日午前に行った記者会見において、同社副社長から希薄化が発生する形での増資は考えてない、との説明があったという。これを受け、日本製鉄株に買い向かう動きが表れたようだ。

■三谷セキ <5273>  7,740円 (+160円、+2.1%)

 三谷セキサン <5273> [東証S]が反発。18日の取引終了後、発行済み株式数の1.19%にあたる25万株、または18億9500万円を上限に、19日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買いを実施すると発表しており、これが材料視されたようだ。なお、東証の自己株式立会外買付取引情報によると、19日付で18万9000株の取得を完了している。

■三越伊勢丹 <3099>  2,302円 (+46円、+2.0%)

 三越伊勢丹ホールディングス <3099> [東証P]が3日ぶり反発。日本政府観光局が18日に発表した5月の訪日外客数(推計)は369万3300人となり、5月単月で過去最高を更新した。前年同月比で21.5%増となった。インバウンド需要の拡大による収益貢献を見込んだ買いが入ったようだ。これまでの5月の最高は前年の304万294人だった。桜シーズンと夏休みシーズンの端境期となる5月は例年、訪日需要が落ち着く時期となるものの、中国やフィリピン、米国を中心に訪日外客数が増加したことが押し上げ要因となった。韓国や中国、台湾、米国など21市場で5月として過去最高を記録。インドでは単月として過去最高を更新した。

■ラサ工 <4022>  3,795円 (+65円、+1.7%)

 ラサ工業 <4022> [東証P]が4日続伸。岩井コスモ証券は18日、同社株の投資判断を新規「A」でカバレッジを開始した。目標株価は5400円とした。半導体製造で使われる高純度リン酸大手の同社に、AIブームが歴史的な成長機会をもたらしている、と指摘。25年3月期の連結営業利益は前の期比31.9%増の47億3600万円と好調だった。特に、AI半導体の生産が伸び、高純度リン酸を主力とする化成品事業は約60%の増益と急伸した。26年3月期の営業利益は前期比7.7%増の51億円の計画だが、同証券では54億円への上振れを予想。27年に合弁ながら米国進出を計画していることも評価した。

■アダストリア <2685>  2,904円 (+40円、+1.4%)

 アダストリア <2685> [東証P]が続伸。18日取引終了後、子会社アダストリア・ロジスティクスが保有する固定資産を譲渡すると発表した。物流拠点の集約により設備投資の効率化と経営資源の有効活用を図るため。譲渡益は概算で34億円程度。26年2月期に特別利益として計上する見込み。

■フォーラムE <7088>  1,165円 (+12円、+1.0%)

 フォーラムエンジニアリング <7088> [東証P]が4日続伸。SBI証券が18日、フォーラムEの目標株価を1720円から1830円に増額修正した。投資判断は「買い」を継続する。メーカーと理工系学生に特化した就職サイト「コクナビ新卒」について、エンジニア不足の深刻化が予測されるなかで、今後の動向が注目されると指摘。4月末時点の有償契約獲得済売上高に関しても、順調なスタートと評価した。

※19日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

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