株価指数先物【寄り前】 +1σ割れでは押し目狙いのロング対応に

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先物

大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 38210 -300 (-0.77%)
TOPIX先物 2768.5 -16.0 (-0.57%)
シカゴ日経平均先物 38230 -280
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 17日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。イスラエルとイランの軍事衝突を巡り、トランプ米大統領が自身のSNSにイランに対する忍耐を失いつつあるとして「無条件降伏」を求めた。米軍によるイラン攻撃を選択肢として検討しているとも報じられ、米国の軍事介入により中東情勢が一段と緊迫することへの警戒が広がった。トランプ大統領は「停戦ではなく、完全な終結」と述べており、米政府の関与を巡って緊張が高まった。

 5月の米小売売上高が前月比0.9%減と、市場予想(0.6%減程度)以上に落ち込んだことも重荷になった。関税引き上げ前の駆け込み的な消費が一巡し、「減速を示唆した」と受け止められたようだ。

 S&P500業種別指数はエネルギーのみが上昇した一方で、自動車・同部品、耐久消費財・アパレル、医薬品・バイオテクノロジー、電気通信サービス、運輸の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、シェブロン、ビザ、IBM、ユナイテッドヘルス・グループが買われた。半面、メルク、ナイキ、スリーエム、アムジェン、ジョンソン・エンド・ジョンソンが軟調。

 シカゴ日経平均先物(清算値)は大阪比280円安の3万8230円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比80円安の3万8430円で始まった。3万8260円まで下げた後は持ち直し、米国市場の取引開始直後には3万8450円まで下落幅を縮める場面もみられた。ただし、終盤にかけて下へのバイアスが強まり、3万8200円まで下げ幅を広げ、3万8210円とナイトセッションの安値圏で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まることになろう。前日はトランプ大統領が中東情勢への対応を理由にG7サミットの予定を切り上げて帰国したことで、イスラエルとイランの停戦に向けた思惑などがロングに向かわせていた。ただ、本日は米政府の関与による戦争激化への警戒感がリスク回避姿勢につながりそうである。

 米連邦準備理事会(FRB)が18日まで開く米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果やパウエルFRB議長の記者会見を見極めたいとして積極的な売買を手控える動きもありそうだ。FOMCでは四半期ごとの経済予測とドットチャートを公表する予定である。原油価格の高騰によるインフレ再燃によって、年内2回の利下げ予想を織り込んでいる状況が後退する可能性については注意しておきたい。

 日経225先物はナイトセッションで3万8200円まで売られたが、ボリンジャーバンドの+1σ(3万8200円)水準で下げ止まる形だった。前日の上昇で+2σ(3万8610円)を捉えてきたこともあり、短期的には過熱感が意識されていたため、過熱を冷ます調整の範囲内である。+1σを割り込んできたとしても、中心値となる25日移動平均線(3万7790円)が支持線として意識されやすく、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。

 FOMCの結果待ちのなかでポジションを傾けにくい状況でもあり、短期的にショートが強まる局面では、その後のショートカバー狙いのスタンスになりそうだ。そのため、+2σを中心にオプション権利行使価格の3万7875円から3万8625円のレンジを想定する。

 17日の米VIX指数は21.60(16日は19.11)に上昇した。地政学リスクの高まりから再び25日線(18.79)、200日線(19.65)を上回ってきた。ただし、依然としてボトム圏での推移であるため、75日線(23.69)辺りを明確に上抜けてくるまでは、リスク回避姿勢はそれほど強まらないだろう。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で13.83倍に上昇した。一時13.85倍をつけており、5月14日の13.86倍に迫っている。+2σ(13.85倍)を捉えてきたことで、いったんはリバランスに伴うNTロングを巻き戻す動きを意識しておきたいところである。

株探ニュース

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