前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―
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■トランスGG <2342> 213円 (+50円、+30.7%) ストップ高 トランスジェニックグループ <2342> [東証G]がストップ高。16日取引終了後、これまで開示を延期してきた25年3月期連結決算を発表し、売上高は130億500万円(前の期比0.6%減)、最終損益は10億8900万円の赤字(前の期400万円の黒字)だった。一方、続く26年3月期の売上高は135億円(前期比3.8%増)で、最終損益は4000万円の黒字に転換する見通しを示した。これが買い手掛かりとなった。前期は主力の創薬支援事業で新規受注を獲得したものの、今期以降に完了する予定のものが多かったため売上高への貢献は限定的となった。損益面では減損損失や退職金制度導入に関する特別損失の計上などが響いた。今期は業績回復を見込む。配当予想は前期に続き無配とした。同社は子会社の一部職員による試験データの不正が判明し、この調査を行うため決算発表を延期していた。 ■カルタHD <3688> 1,931円 (+400円、+26.1%) ストップ高 東証プライムの上昇率トップ。CARTA HOLDINGS <3688> [東証P]がストップ高。日本電信電話 <9432> [東証P]子会社のNTTドコモが16日の取引終了後、同社の非公開化を目指してTOBを実施すると発表しており、TOB価格2100円にサヤ寄せする格好となった。カルタHDの親会社である電通グループ <4324> [東証P]以外の株主が持つ46.9%の株式を取得する。その後、少数株主から株式併合を通じたスクイーズアウト(強制買い取り)手続きやドコモと電通グループの合弁子会社との株式交換などにより、ドコモがカルタHD株式の51.0%以上を保有するようにする。TOBの買付予定数は1192万8855株(下限342万5400株、上限設定なし)で、8月下旬をメドに買い付けを開始する予定。TOB成立後、カルタHD株は所定の手続きを経て上場廃止となる予定で、この発表を受けて東京証券取引所は同社株を16日付で監理銘柄(確認中)に指定した。なお、カルタHDはTOBに関して賛同の意見を表明している。 ■AIFCG <254A> 1,575円 (+300円、+23.5%) ストップ高 AIフュージョンキャピタルグループ <254A> [東証S]がストップ高。17日正午ごろ、100%子会社ミライコインが保有暗号資産運用事業を開始すると発表したことが好感された。同社は今年1月に新規事業として暗号資産投資事業に進出し、これまでに累計3億円の ビットコインを購入しているほか、暗号資産への投資を目的とした資金調達により約10億円の資金を調達済みとしている。今回発表した保有暗号資産運用事業では、自社保有ビットコインの追加購入やアルトコインの新規購入、ビットコインやアルトコインの運用などを行う予定で、運用規模はグループで既に保有するビットコイン及びグループで今後購入し保有するビットコイン・アルトコインに限定した運用にするとしている。なお、同件による業績への影響は精査中としている。 ■ジーネクスト <4179> 423円 (+80円、+23.3%) ストップ高 ジーネクスト <4179> [東証G]がストップ高。同社は17日午後1時30分ごろ、アルメニアのエレブエイトAIと、GPUクラウド構築に関する公式パートナーとして戦略的業務提携契約を締結したと発表。これが材料視されたようだ。エレブエイトは、アルメニアで次世代AIデータセンター基盤を構築している企業。同社は今回の戦略提携で、人工知能(AI)技術協力やエヌビディア製品のサーバー調達、GPUクラウドを活用した高性能な計算リソースの提供、AIのトレーニングや解析の効率化を実現し、企業におけるAI導入のハードルを低くしながら最適なソリューションの提供を目指すとしている。 ■アセンテック <3565> 1,766円 (+300円、+20.5%) ストップ高 アセンテック <3565> [東証S]がストップ高。16日取引終了後、オリックス <8591> [東証P]から完全子会社化を目的としたTOBを受けたことを明らかにした。TOB価格の1株1680円にサヤ寄せする格好となった。このTOBを行うことを目的として設立されたオリックスグループ傘下のOPI・18が公開買い付け者となる。買い付け予定数は1431万8978株(下限954万6000株、上限設定なし)、買い付け期間は6月17日から8月4日まで。TOB成立後にアセンテック株は上場廃止となる予定で、これを受けて東京証券取引所は16日付で同社株を監理銘柄(確認中)に指定した。 ■アイデミー <5577> 932円 (+150円、+19.2%) ストップ高 アイデミー <5577> [東証G]がストップ高。同社は17日、生成AI時代におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)支援で、ストックマーク(東京都港区)との協業を開始すると発表。これが買い手掛かりとなったようだ。アイデミーが培ってきたAI/DX人材育成に関する豊富なノウハウやコンテンツ、生成AI活用の伴走型支援と、ストックマークが提供するナレッジ活用プラットフォーム「Anews」や、RAG実用化サービス「SAT(Stockmark A Technology)」といった生成AIツールの実践的な活用環境を組み合わせることで、生成AIツール導入におけるマインド醸成~スキル育成~業務実装からモニタリングまでを一気通貫で支援するとしている。 ■鉱研工業 <6297> 625円 (+100円、+19.1%) ストップ高 鉱研工業 <6297> [東証S]がストップ高。16日の取引終了後、ヒューリック <3003> [東証P]が鉱研工業に対し、完全子会社化を目的として1株764円で株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表。鉱研工業の株価はこれにサヤ寄せする流れとなった。買付予定数の下限は424万100株(所有割合50.00%)で、上限は設定しない。買付期間は6月17日から7月29日まで。TOB成立後、所定の手続きを経て、鉱研工業は上場廃止となる見込み。不動産事業を展開するヒューリックは自社との関係性を構築した建設会社を鉱研工業に紹介することなどを通じ、鉱研工業の工事施工事業において案件規模の拡大といった効果を引き出す。ヒューリックが資本・業務提携するアストマックス <7162> [東証S]が関与する地熱発電関連工事での協働も図る。鉱研工業はTOBに対し賛同の意見を表明。東京証券取引所は16日、鉱研工業を監理銘柄(確認中)に指定した。 ■リーダー電子 <6867> 511円 (+80円、+18.6%) ストップ高 リーダー電子 <6867> [東証S]がストップ高。映像分野を得意とする電気計測器のファブレスメーカーで、ビデオ関連機器が売り上げの大半を占めている。業績は25年3月期に減収・営業赤字となるなど苦戦しているが、26年3月期は7%増収に転じ、営業損益も黒字化を予想している。そうしたなか、M&Aを駆使した業容拡大にも前向きに取り組んでおり、16日取引終了後、画像生成AIで国内トップクラスの技術力を持つAI Picasso(東京都港区)の全株式を取得し子会社化することを発表した。取得価額は1億9900万円で、この買収に伴い、リーダー電子が新たな事業領域として取り組むVMA事業のソリューション開発において、画像生成AI技術の活用による新境地開拓に期待が膨らんでいた。 ■中野冷 <6411> 6,850円 (+1,000円、+17.1%) ストップ高 中野冷機 <6411> [東証S]がストップ高。同社は16日の取引終了後、三菱商事 <8058> [東証P]系のファンド運営会社である丸の内キャピタルが特別目的会社(SPC)を通じ、中野冷に対して非公開化を目的として株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した、買付価格は1株7900円で、中野冷の株価はこれにサヤ寄せする動きとなった。買付予定数の下限は167万7200株(所有割合33.48%)で、上限は設定しない。買付期間は6月17日から7月29日まで。TOB成立後、所定の手続きを経て、中野冷の株式は上場廃止となる見通し。丸の内キャピタルは新興国市場への事業展開などを支援する構え。中野冷はTOBに対し賛同の意見を表明した。東京証券取引所は16日、中野冷を監理銘柄(確認中)に指定した。 ■ライトアップ <6580> 2,347円 (+309円、+15.2%) ライトアップ <6580> [東証G]が4日続急騰。同社は17日、中小企業向け「人事7領域 AIエージェント構想」に着手すると発表しており、これが材料視されたようだ。この構想は、従業員の就労場面にあわせて人事領域を7つに分解し、それぞれに特化したAIエージェントとSaaSの開発・提供を段階的に進めるもの。第1弾として「採用」「面談」「育成」「定着」の4領域に対応するAIエージェント(開発済み)を提供するとしている。 ■プロレド <7034> 646円 (+77円、+13.5%) 東証プライムの上昇率2位。プロレド・パートナーズ <7034> [東証P]が続急騰。企業向けにコスト管理支援(ローコスト戦略)などのコンサルティングを手掛けており、成果報酬型コンサルを軸に近年では固定報酬型にも傾注している。また、投資事業でも実績を重ねている。16日取引終了後、25年10月期中間期(24年11月-25年4月)の決算を発表、営業利益は前年同期比77%増の24億5100万円と急拡大し、通期計画の20億4200万円を大幅に超過した。これを材料視する買いを呼びこんだ。 ■アイリック <7325> 805円 (+87円、+12.1%) アイリックコーポレーション <7325> [東証G]が急反騰。16日の取引終了後、25年6月期の期末一括配当予想を20円から30円へ増額修正した。普通配当を25円へ引き上げるとともに、24年12月に「保険クリニック」の本格始動から25周年を迎えたことや、25年7月に創立30周年を迎えることを記念して記念配当5円を実施する。同時に、4月30日に発表したブロードマインド <7343> [東証G]からの来店型保険ショップ「マネプロショップ」の事業譲受に関して、18日付で事業譲渡契約を締結すると発表した。同事業の店舗11店舗と既存の保険契約を7月1日付で譲り受ける。譲受価額は3億2784万円。なお、業績に与える影響は軽微としている。 ■アクセル <6730> 999円 (+77円、+8.4%) アクセル <6730> [東証S]が続急伸。16日の取引終了後に上限を22万5000株(自己株式を除く発行済み株数の2.05%)、または2億5000万円とする自社株買いを実施すると発表したことが好感された。取得期間は6月17日から10月31日までで、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を可能とし、株主への利益還元及び資本効率の向上を実現するために取得する。 ※17日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。 株探ニュース