16日の株式相場見通し=売り買い交錯、欧米株全面安も円高一服で底堅さ発揮か

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市況

 16日の東京株式市場は売り買い交錯の中も押し目買いニーズは強く、頑強な展開が予想される。前週末は欧米株市場がリスク回避ムードに覆われ、ほぼ全面安商状となった。欧州では独DAXが6日続落し、1%を超える下落で1カ月ぶりの安値水準に沈んだほか、仏CAC40も1%を超える下げで3日続落となった。イスラエルとイランの間で軍事的緊張が高まっていることから、地続きである欧州では地政学リスクから買いが見送られた。ただ、個別株は強い動きを見せるものも散見され、ドイツではラインメタルなどをはじめ防衛関連株に物色の矛先が向いている。一方、米国株市場でも中東の地政学リスクが強く意識されるなか、NYダウ、ナスダック総合株価指数ともに大きく下落、NYダウは一時800ドルを超える下げに見舞われ、大引けもほぼ安値圏で引けている。紛争が激化するなかイランは15日に予定されていた核を巡る米国との協議に参加しない意向を示すなど、市場センチメントを一層悪化させ、WTI原油価格が終値で5ドル近い急騰をみせたことも、ダウやナスダック指数の下げを助長している。そうしたなか、空運株への売りが目立ったが、ロッキード・マーチン<LMT>など防衛関連株は買いが優勢だった。東京市場では欧米株が売り込まれたことを受け、リスクオフの流れが波及しそうだ。ただ、外国為替市場でひと頃の円高進行に歯止めがかかっていることから、不安心理が過度に高まることは回避されそうである。今週は日米の中央銀行が金融政策決定会合を控えていることから、売りも買いも一方向に傾けにくい。日米ともに金融政策は現状維持が予想されているものの、会合後の植田日銀総裁やパウエルFRB議長の記者会見の内容が相場の方向性を変える可能性もあるだけに注意が必要。当面は中東情勢を横にらみに神経質な地合いが想定される。

 13日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比769ドル83セント安の4万2197ドル79セントと急反落。ナスダック総合株価指数は同255.66ポイント安の1万9406.82だった。

 日程面では、きょうは日銀の金融政策決定会合が17日までの日程で行われる。海外では5月の中国70都市の新築住宅価格、5月の中国小売売上高、5月の中国工業生産、5月の中国不動産開発投資、5月の中国固定資産投資、6月のNY連銀製造業景況指数、米20年国際の入札など。

出所:MINKABU PRESS

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