前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

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材料

■モダリス <4883>  106円 (+30円、+39.5%) ストップ高

 モダリス <4883> [東証G]がストップ高。9日の寄り前、同社が開発を進める顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD)治療薬に関して、カナダに拠点を多くベンチャー・フィランソロピー(社会貢献)組織であるSOLVE FSHDと戦略的提携を締結したと発表しており、好材料視された。この提携に基づき、SOLVE FSHDはモダリスが開発を進めるMDL-103の研究開発を支援するため、戦略的資金を提供するという。なお、同件による25年12月期業績への影響は軽微としている。

■フジコーポ <7605>  2,641円 (+500円、+23.4%) ストップ高

 東証プライムの上昇率トップ。フジ・コーポレーション <7605> [東証P]がストップ高。前週末6日取引終了後、石油製品の販売などを手掛ける宇佐美鉱油(愛知県津島市)から完全子会社化を目的としたTOBを受けたことを明らかにした。TOB価格を1株2830円としており、これにサヤ寄せする格好となった。買い付け予定数は1814万7599株(下限907万5600株、上限設定なし)、買い付け期間は6月9日から7月22日まで。TOB成立後にフジコーポ株は上場廃止となる予定で、これを受けて東京証券取引所は6日付で同社株を監理銘柄(確認中)に指定した。

■CAPITA <7462>  419円 (+73円、+21.1%) 一時ストップ高

 CAPITA <7462> [東証S]が続急騰、一時ストップ高となった。前週末6日の取引終了後、25年9月末日時点の株主から株主優待制度を導入すると発表したことが好感された。毎年3月末日及び9月末日時点で800株以上を保有する株主を対象に、株主限定の特設サイトでこだわりグルメ、スイーツや飲料類、銘酒、電化製品、選べる体験ギフトなど5000種類以上の商品と交換可能な株主優待ポイントを、保有株数に応じて5000~5万ポイント(年1万~10万ポイント)付与する。

■リベラウェア <218A>  1,607円 (+265円、+19.8%)

 Liberaware <218A> [東証G]が続急騰。9日、6月13日夜放送予定のテレビ東京系経済ドキュメンタリー番組「日経スペシャル ガイアの夜明け」に出演することになったと発表しており、好材料視された。番組は「インフラ危機に挑む」のテーマで、下水道管や橋梁などのインフラの老朽化などが取り上げられる予定。

■CINC <4378>  651円 (+100円、+18.2%) ストップ高

 CINC <4378> [東証G]がストップ高。前週末6日取引終了後、TikTokのアプリ内で商品を紹介・販売できるEC機能「TikTok Shop」の導入・運用支援を開始すると発表した。これまでのマーケティング支援で培ったデータ収集・分析、戦略立案、アカウント運用などのノウハウを活用する。これが材料視された。

■メタプラ <3350>  1,544円 (+203円、+15.1%) 一時ストップ高

 メタプラネット <3350> [東証S]が急反騰、一時ストップ高となった。東京でホテル事業を展開するが、最近は ビットコインへの投資に傾注しており、仮想通貨関連の象徴株として市場の注目度が高い。前週末6日取引終了後、今年1月に開示したビットコイン計画を上方修正し、2027年末までに21万ビットコイン超の保有を目指すことを発表、これを材料視する買いを呼び込んでいた。同社株は株式需給面では貸株市場を経由した外資家証券手口による空売り残高が積み上がっており、この買い戻しの動きも上げ足を加速させていた格好だ。

■エターナルG <3193>  3,240円 (+341円、+11.8%)

 東証プライムの上昇率3位。エターナルホスピタリティグループ <3193> [東証P]が4日ぶり急反騰。前週末6日の取引終了後に発表した第3四半期累計(24年8月-25年4月)連結決算は、営業利益が20億2500万円(前年同期比25.0%減)と減益で着地したが、アク抜け感から買いが流入したようだ。既存店売上高が同5.1%増となったほか、新規出店による直営店店舗数の純増により売上高は338億2200万円(同9.4%増)となった。ただ、海外進出に伴う開業準備費用、賃金引き上げや店舗スタッフの充足率の向上による人件費の増加、政府による電気・ガス料金に関する支援の打ち切りによる光熱費の高騰などの影響で販管費が膨らんだ。なお、25年7月期通期業績予想は、売上高453億3500万円(前期比8.2%増)、営業利益30億3600万円(同6.5%減)の従来見通しを据え置いた。

■エイチーム <3662>  1,214円 (+128円、+11.8%)

 東証プライムの上昇率2位。エイチームホールディングス <3662> [東証P]が急反騰。同社は前週末6日の取引終了後、25年7月期の連結業績予想の修正を発表。今期の経常利益予想を従来の見通しから3億円増額し、13億円(前期比2.1倍)に引き上げた。連結子会社Paddleが暗号資産を保有していることも手伝って、関心が向かったようだ。各事業の利益進捗状況を業績予想に反映した。昨年11月以降、暗号資産価格が上昇傾向にあるなかで連結子会社のPaddleが保有する暗号資産に関し、営業外収益として暗号資産評価益の計上が見込まれるという。なお、今年1月末から4月末までの暗号資産価格の下落を受けて、同子会社は暗号資産評価損2億5600万円を計上している。経常利益予想以外は従来の見通しを据え置いた。

■テラスカイ <3915>  3,115円 (+326円、+11.7%)

 東証プライムの上昇率4位。テラスカイ <3915> [東証P]が続急騰。米セールスフォース  や、アマゾン・ドット・コム  が展開するAWS(アマゾンウェブサービス)のクラウド導入支援ビジネスで需要開拓を進め、業績は飛躍的な成長局面にある。NTTデータと資本・業務提携を締結し成長戦略に磨きをかける一方、 量子コンピューター分野でも業界では先駆的存在。量子コンピューターのアルゴリズム開発を手掛けるQuemixを傘下に擁しており、Quemixは5月中旬にホンダ <7267> [東証P]と共同で世界初の「量子状態を読み出す新技術」の開発に成功したことを発表し注目を集めた。前週末の米国株市場では量子コンピューターのシステム開発や関連アプリサービス開発を手掛けるD-ウェイブクアンタム  が13%超の急騰をみせるなど量子コンピューター関連株に投資マネーが向かっており、東京市場でもこの流れに乗って、同関連最右翼のテラスカイやエヌエフホールディングス <6864> [東証S]などが急動意する形となっていた。

■グリッド <5582>  2,850円 (+288円、+11.2%)

 グリッド <5582> [東証G]が続急騰。電力の需給計画や海運の配船など人工知能(AI)を使って最適なプランを提供する計画最適化事業を展開するが、2017年に量子アルゴリズムの研究を開始し、その後特許申請も行うなど量子コンピューター分野への積極的な取り組みで知られる。35年前後には誤り訂正(FTQC)機能が量子コンピューターで実用化されると見込まれるなか、同社はAIと量子コンピューターの両軸をもつベンチャーとしてのポジションを前面に押し出していく構えで、株式市場でも注目度がにわかに高まっている。業績も好調で24年6月期は営業76%増益を達成、25年6月期は前期比10%増の4億円を計画している。

■ブレインP <3655>  1,340円 (+120円、+9.8%)

 東証プライムの上昇率5位。ブレインパッド <3655> [東証P]が3日ぶり急反発。前週末の米国株市場では量子コンピューターの象徴株となっているD-ウェイブクアンタム  が13%超の急騰をみせるなど、量子コンピューターのテーマ買いの動きが再燃していた。米エヌビディア  が量子コンピューター分野での研究に積極的に乗り出しているが、同社のジェンスン・フアンCEOはスーパーコンピューターの連携運用などに興味を抱いているもようで、関連銘柄を再び刺激したようだ。東京市場でも量子コンピューター領域で活躍が期待される銘柄に物色の矛先が向いていた。そのなか、ブレインPはAI技術を活用したビッグデータ解析やシステム開発を武器に法人向けコンサルティングサービスを展開するが、量子技術に関する論文のレビューなどでも定評があり、近い将来には量子技術を実装したAIソリューション実現で重要な役割を担う企業との見方が支配的だ。

■エクサWiz <4259>  493円 (+42円、+9.3%)

 エクサウィザーズ <4259> [東証G]が3日ぶり急反発。前週末6日取引終了後、出光興産 <5019> [東証P]に対し、海外の原油を輸送する配船計画を高度化するオペレーションモデルと最適化システムを開発・提供したと発表した。4月から外航船配船のタンカーを対象に段階的に運用を始めているという。あわせて東京都中央区と生成AIの活用による業務効率化などの実証実験に関する連携協定書を締結したと発表。更に週明け9日の朝方、CRO(医薬品開発業務受託機関)事業を手掛けるイーピーエス(東京都新宿区)と共同で、AIによる診断系SaMD(ソフトウェア医療機器)の特徴を生かした開発効率の高い臨床開発スキームを構築したことを明らかにした。相次ぐリリースを材料視した買いが入った。

■INGS <245A>  2,577円 (+137円、+5.6%)

 INGS <245A> [東証G]が続急伸。前週末6日取引終了後、5月度の直営店売上高速報を発表。既存店のラーメン事業は前年同月比9.8%増、レストラン事業は同5.5%増だった。ラーメン事業では引き続きインバウンド客の来店増が寄与した。レストラン事業も客足が伸びた。両事業とも増収基調を継続しており、これが好感された。

※9日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

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