前週末6日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―
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■シリコンスタ <3907> 882円 (+150円、+20.5%) ストップ高 シリコンスタジオ <3907> [東証G]がストップ高。同社はコンピューターグラフィックス技術を駆使して、ゲームの開発支援や販売などを主力展開しているが、5日取引終了後に任天堂 <7974> [東証P]に対し、「ニンテンドースイッチ2」の性能・機能を活用したゲームタイトル開発のための環境構築で協力したことを発表、これを手掛かり材料に投資資金の攻勢を誘った。シリコンスタは今後も両社の持つノウハウや技術を融合させることにより、引き続き任天堂のゲーム専用機の性能・機能を生かした高品質のゲームタイトル開発環境を整備していく方針を明示しており、今後の業容拡大への期待が買いの根拠となっていた。 ■菱製鋼 <5632> 1,712円 (+216円、+14.4%) 東証プライムの上昇率トップ。三菱製鋼 <5632> [東証P]が3日続急騰。自動車やトラック、建設機械のほか、デジタル家電向けに特殊鋼及び精密ばねなどを製造しており、素材から製品までワンストップで生産できる優位性を生かし、利益成長トレンドに突入している。ここ防衛関連株人気が波状的に続いており、物色の裾野も広がっている。特に旗艦銘柄である三菱重工業 <7011> [東証P]が大株主に入っている銘柄群に投資資金の攻勢が目立つ。そのなか、同社は三菱重工が6%超の株式を保有する実質筆頭株主で注目度が高まった。業績好調に加えPER8倍前後、PBR0.5倍台、配当利回りも5%近くあり、バリュー株の側面も評価され水準訂正狙いの買いを引き寄せていた。 ■売れるG <9235> 1,701円 (+170円、+11.1%) 売れるネット広告社グループ <9235> [東証G]が急反騰。同社は5日の取引終了後、連結子会社の売れる越境EC社が提供するTikTok Shop運営代行サービスに関し、上場企業を含めた複数のEC企業と正式契約を締結していると発表。これを手掛かり視した買いが入ったようだ。日本でのTikTok Shopは正式ローンチ前であるが、受注した契約企業のうち、情報公開に同意したクライアントについては、社内で検討したうえで進捗情報として公表する予定だとしている。 ■トーセイ <8923> 2,710円 (+243円、+9.9%) 東証プライムの上昇率3位。トーセイ <8923> [東証P]が5日ぶり急反発。米投資ファンドのダルトン・インベストメンツが5日付で関東財務局に提出した大量保有報告書で、トーセイ株を5.00%取得したことが判明。これを受けて思惑的な買いが入った。保有目的は、株価や株主価値の向上のためトーセイ側と「建設的な対話」を求めていく可能性があるとした上で、状況に応じて重要提案行為を行う可能性があるなどとした。報告義務発生日は5月29日。 ■ハイレックス <7279> 1,942円 (+142円、+7.9%) ハイレックスコーポレーション <7279> [東証S]が3日続急伸。年初来高値を連日で更新した。6日正午、25年10月期第2四半期累計(24年11月-25年4月)の連結決算を発表。売上高は前年同期比1.3%減の1523億4700万円、営業利益は同14倍の23億4300万円、最終利益は同9倍の17億7900万円となった。大幅増益で着地したほか、通期計画に対する営業利益の進捗率は約98%に上り、投資家の関心が向かったようだ。主要顧客の北米・欧州における減産の影響を受けながらも、前期に北米子会社で発生した一過性の生産トラブルが解消し、利益回復につながった。 ■エレメンツ <5246> 1,114円 (+57円、+5.4%) ELEMENTS <5246> [東証G]が急反発。6日付の日本経済新聞朝刊で、「証券会社向けに口座乗っ取り対策のサービスを始めた」と報じられており、好材料視された。記事によると、証券会社の顧客が口座を利用する際に使うスマートフォンやパソコンの登録と、顔認証などの生体認証や暗証番号で本人確認し口座を利用できるようにする。同社は3日に、子会社ポラリファイのオンライン本人確認サービス「Polarify 公的個人認証サービス(JPKI)」が、TakaTrade(東京都港区)の商品CFD取引(差金決済取引)サービスにおける口座開設時の本人確認に採用されたと発表しているが、報道により改めて注目されたようだ。 ■さくらネット <3778> 3,985円 (+165円、+4.3%) さくらインターネット <3778> [東証P]が大幅高で8日続伸。同社は5日、JERA(東京都中央区)との間で電力インフラと連携したデータセンター(DC)の新設に向けた検討に関する基本合意書を締結しており、これが材料視されたようだ。この合意書は、JERAが所有する既存の発電所構内でDCの整備を検討していくことを定めたもの。検討が進捗することにより、JERAのクリーンな電力を活用したデジタルインフラを、さくらネットから提供することが可能になるという。 ■OLC <4661> 3,278円 (+128円、+4.1%) オリエンタルランド <4661> [東証P]が3日ぶり大幅反発。共同通信社が6日午前11時前ごろ、「東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドの高橋渉社長は6日、変動価格制のチケットについて『見直したいと考えている』と述べた」と報じた。価格変動の幅などを検討するという。 ■マクニカHD <3132> 1,900.5円 (+59円、+3.2%) マクニカホールディングス <3132> [東証P]が大幅反発。傘下のマクニカは6日、セノン(東京都新宿区)と業務提携を行い、両社の強みを生かした新しい警備サービスの社会実装に向けた取り組みを開始すると発表。これが買い手掛かりとなったようだ。この業務提携は、セノンが常駐警備や空港警備などで培った豊富なノウハウと、マクニカが社会課題の解決に向けて取り組むCPS(サイバーフィジカルシステム)ソリューションを組み合わせることで、新しいセキュリティーソリューションの構築を目指すもの。取り組みの第1弾として、マクニカが取り扱う人工知能(AI)異常検知ソリューション「icetana(アイセタナ)」を活用した警備サービスの構築を進めるとしている。 ■月島HD <6332> 2,053円 (+60円、+3.0%) 月島ホールディングス <6332> [東証P]が大幅反発。岩井コスモ証券は5日、同社株の投資判断を新規「A」でカバレッジを開始した。目標株価は2400円とした。同社は下水処理設備や化学向けなどの産業機器を展開。25年3月期の連結営業利益は前の期比31.8%増の89億1500万円と最高益となった。水環境事業の受注などが好調だった。26年3月期の同利益は前期比6.6%増の95億円の見込み。豊富な受注残を消化する。長期ビジョンとして30年3月期に同利益150億円、ROE9%以上を掲げている。下水処理設備の更新需要が追い風になる見通しだ。 ■森六 <4249> 2,564円 (+73円、+2.9%) 森六 <4249> [東証P]が6日ぶり反発。6日午後2時、発行済み株式総数の3.03%に相当する自己株式45万株を6月30日に消却すると発表。株式の再放出による潜在的な需給悪化リスクが後退したとの受け止めから、買いが入ったようだ。消却後の発行済み株式総数は1441万株、消却後の自己株式数は4819株となる。 ■キオクシア <285A> 2,165円 (+49円、+2.3%) キオクシアホールディングス <285A> [東証P]が3日続伸。同社は5日、経営方針説明会を開催した。このなかで、国内での生産能力を増大させる方針を示し、中長期的な成長を見込んだ買いを誘ったようだ。NAND型フラッシュメモリーを生産する同社は29年度までに前工程に関して四日市工場では高性能製品への切り替えを進めて出力を増加させる計画。また、北上工場では大容量製品を中心に拡大をし、長期的に四日市工場と同等規模の生産能力に増やしていく。北上工場では第2製造棟での生産を予定通り今年の秋に開始する。またAIシステム向けの高性能製品の展開を進め、超高性能フラッシュメモリーなどを用いて開発した「Super High IOPS SSD」については26年下半期のサンプル出荷を目指す。 ■ヒップ <2136> 1,195円 (+26円、+2.2%) ヒップ <2136> [東証S]が続伸。光通信 <9435> [東証P]のグループ会社が5日付で関東財務局に提出した大量保有報告書で、ヒップ株を5.03%取得したことが判明。これを受けて思惑的な買いが入った。保有目的は「純投資」としている。報告義務発生日は5月29日。 ■三井海洋 <6269> 5,410円 (+110円、+2.1%) 三井海洋開発 <6269> [東証P]が反発。5日取引終了後、英国のCarbon Clean Solutionと、カーボンキャプチャー(CO2回収)技術「CycloneCC」のFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)への早期搭載に向けた開発の継続に関する覚書を5月28日に締結したと発表した。CycloneCCは英国の同企業が手掛ける革新的なCO2回収設備で、従来のものと比較して小型化による設置面積の削減、低重心化と高さの削減が可能で、揺れによる回収性能の変化が少なく浮体式設備でも安定した性能を発揮できるという。 ■ベルーナ <9997> 904円 (+18円、+2.0%) ベルーナ <9997> [東証P]が3日ぶり反発。6日午後2時30分ごろ、営業利益250億円の達成を目指す中期経営計画を発表。また、短期経営計画として、28年3月期に営業利益165億円(25年3月期118億8700万円)を目指すと発表しており、短期・中期の成長期待から買われたようだ。 ■ヤマタネ <9305> 2,346円 (+46円、+2.0%) ヤマタネ <9305> [東証P]が反発。6日午後1時20分ごろ、熊本県を中心に九州産のコメを取り扱うコメ卸・販売事業者である農産ベストパートナー(熊本県山鹿市)の全株式を8月1日付で取得し子会社化すると発表。同時に、農産ベストパートナーの関連会社であるしん力(熊本県山鹿市)についても、農産ベストパートナーが全株式を取得し孫会社化すると発表しており、これらが好材料視された。両社を子会社化し、農産ベストパートナーが持つECサイト運営ノウハウを取り入れることで、ヤマタネグループが楽天市場を中心に展開するコメ販売の「米すたいる」及び業務用冷凍食品を販売する「フーデリッシュ」など、グループ全体のEC事業の強化を図るという。取得価額は非開示。なお、同件による業績への影響は軽微としている。 ■東ガス <9531> 4,827円 (+85円、+1.8%) 東京ガス <9531> [東証P]が3日続伸。6日午前9時ごろ、26年3月期の連結業績予想について、最終利益を1340億円から1830億円(前期比2.5倍)へ上方修正したことが好感された。オーストラリア子会社の清算決定に伴い、同社に係る為替換算調整勘定の取り崩しによる利益が計上されることになったが、為替レートが確定し、特別利益への計上額が680億円の見通しとなったことが要因としている。 ■アップガレG <7134> 1,179円 (+21円、+1.8%) アップガレージグループ <7134> [東証S]が3日ぶり反発。5日の取引終了後に発表した5月度の月次売上状況(速報)で、直営既存店売上高が前年同月比3.1%増となり、3ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。GW後の閑散期においても来店客数が伸長したことにより、中古タイヤホイール、カー用品、ライダース用品を中心に買い取り及び販売が好調に推移した。なお、FC既存店売上高は同7.1%増だった。 ■HUグループ <4544> 3,037円 (+41円、+1.4%) H.U.グループホールディングス <4544> [東証P]が5日ぶり反発。5日、連結子会社の富士レビオ・ホールディングスが傘下企業を通じ、米スタンフォード大学と感染症検査における研究やイノベーション推進に関する戦略的提携を締結したと発表。これが株価の下支え要因となったようだ。提携を通じ、一分子検出法を用いた超高感度検出技術の更なる活用を図り、感染症の検査感度の向上による早期検出と適切な治療判断の実現につなげる。 ■プロネクサス <7893> 1,100円 (+13円、+1.2%) プロネクサス <7893> [東証P]が3日続伸。5日取引終了後、開示書類作成支援システム「PRONEXUS WORKS」のオプションサービス「WORKS-i」において、インプレス(東京都中央区)が提供する連結決算システム「iCAS」の会計データを直接取り込める機能を提供開始したと発表した。これが手掛かりとなった。 ■ユカリア <286A> 1,178円 (+12円、+1.0%) ユカリア <286A> [東証G]が反発。5日の取引終了後、医療・介護業界向けに特化したHRテック領域でのDXソリューションを展開するエピグノ(東京都中央区)株式の62.3%を7月1日付で取得し子会社化すると発表しており、好材料視された。子会社化により、医療機関向けHR支援の高度化と展開加速や、HRデータの活用による経営支援の拡張などのシナジー創出が期待されている。取得価額は非開示としている。同時に、医療的ケアが必要な高齢者でも受け入れ可能な介護福祉施設の運営を手掛けるウェルフォース(東京都葛飾区)と資本・業務提携すると発表した。ウェルフォースが実施する第三者割当増資をユカリアが引き受け、発行済み株数の19.7%を取得する。医療と介護の連携を強化し、シナジーを創出するのが狙いという。なお、両件が業績に与える影響は軽微としている。 ※6日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。 株探ニュース