前週末23日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―
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■東ソー <4042> 2,107円 (+71円、+3.5%) 東ソー <4042> [東証P]が大幅反発。同社は23日午前9時30分、中期経営計画を公表。業績目標と株主還元姿勢を好感した買いが株価の支えとなったようだ。最終年度の28年3月期の売上高を1兆1830億円(25年3月期の実績は1兆633億8200万円)、営業利益を1400億円(同989億600万円)に伸ばし、ROE(自己資本利益率)は10%以上(同7.2%)に高める目標を掲げた。また、中計期間は総還元性向50%を基本とし、年間100円を下限に配当を実施する方針。配当性向が50%未満の場合は総還元性向50%になるように自己株取得に動くほか、追加的株主還元として3カ年で500億円の自己株取得を行うなど、資本効率の改善を図る。機能性ポリマーや機能性ウレタン、有機化成品といった付加価値素材の収益拡大を目指すほか、バイオサイエンスや高機能材料、水処理エンジニアリングといった先端事業も成長させる。 ■湖北工業 <6524> 1,807円 (+60円、+3.4%) 湖北工業 <6524> [東証S]が5日ぶり大幅反発。総務省は23日、「DX・イノベーション加速化プラン2030」と題した成長戦略を公表した。AI時代のデジタルインフラの整備を一体的・効率的に推進し、安全保障の観点から中核技術・システムの競争力の強化と海外への展開に向けた取り組みを進める。このなかで海底ケーブルに関しては、目標シェアを35%と明記しており、海底ケーブル向け光通信部品を手掛ける湖北工業への買いを誘う格好となったようだ。長年にわたり海底ケーブル事業に参画するNEC <6701> [東証P]が後場一段高。海底ケーブル向けの部品を供給するsantec Holdings <6777> [東証S]が高値圏を維持していた。 ■Fusic <5256> 2,061円 (+61円、+3.1%) フュージック <5256> [東証G]が4日ぶり大幅反発。23日午後2時ごろ、機械学習プロジェクトの持続的な運用を支援する「MLOps支援サービス」の提供を開始したと発表しており、好材料視された。MLOps(マシン・ラーニング・オペレーションズ)とは、機械学習モデルの開発・運用・改善をスムーズかつ持続的に行うための仕組みのこと。AI導入プロジェクトでは、PoC(概念実証)段階は成功しても、ビジネス現場への実装や持続的な運用でつまずくケースが多くあったが、同社がMLOpsの導入から定着、その後の運用改善までを伴走型で支援することで、顧客の機械学習プロジェクトの成功とビジネス成果の創出を加速させるとしている。 ■バリオ <4494> 769円 (+22円、+3.0%) バリオセキュア <4494> [東証S]が3日ぶり反発。22日の取引終了後、フィンランドのウィズセキュア社が提供する、「Microsoft 365」環境のセキュリティーを向上させる「WithSecure Elements Collaboration Protection」の取り扱いを開始すると発表しており、好材料視された。同製品は、「Microsoft 365」におけるファイル共有・コミュニケーション基盤を対象に、マルウェアやフィッシングなどの高度な脅威からリアルタイムで保護するクラウド型セキュリティーソリューション。これにより、顧客のメール・ファイル共有・チャットなど、日常業務のセキュリティー強化を実現するとしている。 ■バンナムHD <7832> 4,745円 (+120円、+2.6%) バンダイナムコホールディングス <7832> [東証P]が続伸。傘下のバンダイナムコエンターテインメントが23日、米エンターテインメント企業のA24と「ELDEN RING」の映画化プロジェクトを始動したと発表しており、好材料視された。「ELDEN RING」は、世界累計出荷本数3000万本を達成したアクションRPGで、映画化にあたっては脚本/監督として映画「エクス・マキナ」や「シビル・ウォー アメリカ最後の日」などを手がけたアレックス・ガーランド氏を迎えて製作する。なお、「ELDEN RING」の開発と国内販売を行うフロム・ソフトウェアを子会社に持つKADOKAWA <9468> [東証P]も大幅反発していた。 ■Solvvy <7320> 3,115円 (+75円、+2.5%) Solvvy <7320> [東証G]が3日ぶり反発。同社は23日、自社及びグループの最先端技術研究機関「Solvvy LAB.(ソルヴィーラボ)」が、ハイクリ(東京都中野区)と共同で公共水道インフラに対する人工知能(AI)老朽化診断の社会実装に向けた実証実験を開始したと発表。これが買い手掛かりとなったようだ。この実証実験は、ハイクリがこれまで研究を続けてきた「公共水道のAI故障予測モデル」と、Solvvyが得意とする保証や検査点検などを活用した「アフターメンテナンススキーム構築」を組み合わせ、新たなサービスを開発することが主な目的。地方自治体が保有する水道管データをAIモデルで分析し、故障リスクを予測、劣化の進行状況を可視化し、適切な維持管理計画の策定をサポートするとしている。 ■アクセスHD <7042> 518円 (+12円、+2.4%) アクセスグループ・ホールディングス <7042> [東証S]が3日続伸。22日の取引終了後、子会社アクセスネクステージとJTB(東京都品川区)の共同企業体が、大阪府から「令和7年度外国人材受入加速化支援事業」を受託したと発表しており、好材料視された。同事業は、大阪の成長を支える外国人材の府内企業への受け入れ促進を図るため、外国人材の採用を検討する府内企業と外国人留学生などとのマッチング機会を提供するもの。オンラインマッチングシステムを活用した合同企業説明会や、外国人材の採用に役立つセミナーを開催するほか、既に外国人材を採用している企業や採用を検討する企業間の情報交換、ネットワークづくりなどを行う交流会などを開催する予定で、共同企業体は運営事務局を担当する。 ■日金属 <5491> 717円 (+13円、+1.9%) 日本金属 <5491> [東証S]が3日ぶり反発。23日午後1時ごろに定款の一部変更を発表。機動的な資本政策を遂行できるように、第7条に自己の株式の取得の規定を新設するとしたことが好材料視された。6月27日開催の定時株主総会に付議する。 ■神鋼商 <8075> 1,948円 (+27円、+1.4%) 神鋼商事 <8075> [東証P]が反発。23日午後1時、政策保有株式の縮減方針に関する発表を行い、これを好感した買いを誘ったようだ。27年3月期までに純資産に対する政策保有株式の割合を15%以下(25年3月末時点で18.3%)に低下させ、将来的には10%以下とする方針。縮減で得た資金は成長投資などに活用する。 ■KPPGHD <9274> 690円 (+9円、+1.3%) KPPグループホールディングス <9274> [東証P]が続伸。22日取引終了後、28年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表。事業領域の拡大や事業ポートフォリオの転換、グローバルシナジーの追求などを図り、最終年度に営業利益200億円(25年3月期実績は約135億円)を目指す。株主還元については連結配当性向30%をメドとし、DOE3.0%を下限とする方針を掲げた。これが評価されたようだ。 ■B&P <7804> 2,166円 (+26円、+1.2%) ビーアンドピー <7804> [東証S]が続伸。23日午後1時ごろ、AR技術を活用したサービス「Promotion AR」をアップデートし、新たに「オクルージョン機能」を実装したと発表した。これにより、ARオブジェクトが現実空間に自然に溶け込み、より没入感のあるAR体験が可能になるという。 ■フルマルHD <7128> 2,231円 (+24円、+1.1%) フルサト・マルカホールディングス <7128> [東証P]が4日ぶり反発。22日の取引終了後、米国のグループ会社が、AIを活用した次世代ロボット制御技術の開発などを手掛けるEUREKA ROBOTICSの米国子会社との間で、EUREKA社製品に関する北米地域を対象とした販売店契約を締結したと発表。これを手掛かり視した買いが入ったようだ。自動車や医療機器、航空宇宙などの業界に提供し、生産効率化に向けた需要に応じていく。 ■野崎紙 <7919> 191円 (+2円、+1.1%) 野崎印刷紙業 <7919> [東証S]が上申。22日取引終了後、53万株(自己株式を除く発行済み株数の3.20%)を上限に23日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で自社株を取得すると発表。買い付け価格は22日終値の189円。東証の自己株式立会外買付取引情報によると、野崎紙は23日に予定通り買い付けを実施し、48万2300株を取得した。 ※23日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。 株探ニュース