前週末23日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―
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■ジーエヌアイ <2160> 2,971円 (+500円、+20.2%) ストップ高 ジーエヌアイグループ <2160> [東証G]がストップ高。23日、主要子会社であるジャイア・セラピューティクスが中国で開発を進めている「ヒドロニドン」の肝線維症治療における第3相臨床試験に関し、主要評価項目を達成したと発表。新薬の実用化による収益貢献を期待した買い注文が殺到した。良好な結果が得られたことを踏まえ、ジャイア・セラピューティクスは2025年第3四半期にNMPA(中国国家薬品監督管理局)にNDA(新薬承認申請)を提出する予定。同時にIND(新薬臨床試験開始)申請を提出する準備を進め、IND申請の承認を前提に、同年後半に米国において、MASH関連線維症の治療薬としての第2相臨床試験を開始する予定だとしている。 ■内海造 <7018> 5,430円 (+600円、+12.4%) 一時ストップ高 内海造船 <7018> [東証S]が急反騰、一時ストップ高となった。読売新聞オンラインが23日、「政府が、国内で縮小が続く造船業の再生に乗り出すことがわかった」と報じた。造船ドックの建設や整備を支援するほか、海外展開を後押しし、日米両国で造船再生ファンドの設立も検討するという。内海造に対しては政策による業績押し上げ効果への思惑が広がり、買いが集まったようだ。造船関連では、名村造船所 <7014> [東証S]やジャパンエンジンコーポレーション <6016> [東証S]も高かった。 ■イード <6038> 950円 (+94円、+11.0%) イード <6038> [東証G]が4日ぶり急反騰。22日取引終了後、株主優待制度を拡充すると発表した。会社創立25周年記念として今年のみ実施予定の株主優待について、来年以降も継続するとした。今年分の記念優待と同じく、6月末を基準日に500株以上を保有する株主が対象。継続保有期間の条件を設け、保有期間に応じてQUOカード1万円分または1万5000円分を贈呈する。これを好感した買いが入った。 ■バロック <3548> 785円 (+74円、+10.4%) 東証プライムの上昇率トップ。バロックジャパンリミテッド <3548> [東証P]が急反騰。同社は若年女性層を対象としたアパレルや服飾雑貨を展開しているが、26年2月期は製品値上げ効果を背景に営業利益の急回復が見込まれている。22日取引終了後に株主優待制度の拡充を発表、毎年8月末と2月末時点の株主を対象に、保有株数と保有期間に応じて年間4000~5万2000円相当の株主優待券を贈呈するというもので、従来は4000~8000円相当であったことから、実質大幅な還元強化策となる。新たな優待制度では500株以上と1000株以上保有する株主に対して優待券の金額を大幅に引き上げるが、特に3年以上の長期保有を促す内容となっている。この優待制度拡充を好感する形で投資資金を呼び込む格好となった。 ■ステラファ <4888> 361円 (+31円、+9.4%) ステラファーマ <4888> [東証G]が4日ぶり急反発。23日の午前中に、医師主導治験として実施された再発高悪性度髄膜腫を対象としたBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)の第2相ランダム化比較試験において、主要評価項目で統計的有意差を達成したと発表したことが好感された。同試験はホウ素薬剤として開発中のボロファラン(開発コードSPM-011)を使用して、加速器を用いたBNCTを試験治療群とし、主治医が選択する最善の治療を比較対照群として有効性と安全性を評価する世界初のランダム化比較試験。なお解析結果は、5月30日から6月3日まで、米・シカゴ及びバーチャル形式で開催される米国臨床腫瘍学会年次総会で発表される予定という。 ■スターマイカ <2975> 992円 (+79円、+8.7%) 東証プライムの上昇率3位。スター・マイカ・ホールディングス <2975> [東証P]が4日ぶり急反発。22日の取引終了後、25年11月期の配当予想について、中間・期末各13円の年26円から中間・期末各15円の年30円に増額修正したことが好感された。なお、前期実績は中間10円50銭・期末12円50銭の年23円だった。 ■イーロジット <9327> 287円 (+23円、+8.7%) 一時ストップ高 イー・ロジット <9327> [東証S]が5日ぶり急反発、一時ストップ高となった。同社は22日取引終了後、定款の一部を変更すると発表。事業目的に「データセンターの運営及びこれに附帯するハードウェアもしくはソフトウェアの販売、貸与などの事業」などを追加するとしており、これが材料視されたようだ。これは今後の事業展開に備えたもので、このほかにも「医薬品の販売」「酒類の販売」を追加するとともに、株式の流動性の向上及び将来の事業拡大に備えた機動的な資金調達を可能にするために発行可能株式総数を1144万株から2800万株に変更する予定。なお、定款変更のための株主総会開催日は6月27日を予定している。 ■シンクロ <3963> 503円 (+40円、+8.6%) 東証プライムの上昇率4位。シンクロ・フード <3963> [東証P]が3日続急伸。22日の取引終了後に関東財務局に提出された変更報告書で、香港に拠点を置く投資運用会社リム・アドバイザーズ社の保有割合が12.12%から13.48%に上昇したことが判明しており、これを受けて需給思惑的な買いが入ったようだ。保有目的は純投資及び建設的な対話を基軸として企業価値及び株主価値の保全・向上のために重要提案行為などを行う可能性があるとしており、報告義務発生日は5月15日となっている。 ■スタティアH <3393> 2,600円 (+195円、+8.1%) 東証プライムの上昇率5位。スターティアホールディングス <3393> [東証P]が3日続急伸。22日の取引終了後、26年3月期の配当予想について、中間54円・期末63円の年117円から中間54円・期末71円の年125円へ増額修正したことが好感された。26年2月21日に創立30周年を迎えることを記念して、記念配当8円を実施する。同時に、28年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定したと発表した。既存事業によるオーガニック成長を継続しつつ、M&A戦略を更に強化することで、顧客基盤の拡大と既存事業とのシナジー創出を図り、企業価値の最大化を目指すとしており、最終年度に売上高を既存事業290億円+M&Aシナジー領域80億円、営業利益を42億円+M&Aシナジー領域8億円を目指すとしている。また、上限を15万株(発行済み株数の1.51%)、または4億5000万円とする自社株を23日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)により取得すると発表した。 ■AIRMAN <6364> 1,916円 (+109円、+6.0%) AIRMAN <6364> [東証P]が続急伸。同社は旧北越工業。23日午後3時ごろ、28年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表した。規模を維持しつつ、事業ポートフォリオの再構築を主眼に置き、最終年度に売上高602億円(25年3月期実績は約548億円)、営業利益79億5000万円(同69億円)を目指す。ROE目標は12%以上とした。株主還元については総還元性向70%とし、配当と自己株式の取得を実施するという。これを評価した買いが入った。 ■住友電 <5802> 2,823円 (+130円、+4.8%) 住友電気工業 <5802> [東証P]が大幅続伸。22日、前期の決算と今期の業績予想に関する投資家向けの説明会を開き、ホームページを通じて資料を公開した。26年3月期の事業環境について、情報通信部門では生成AIの拡大でデータセンター事業者の投資が増加し、光デバイスや光配線製品、光ケーブルなどの関連製品の需要が更に拡大すると想定。データセンター関連での新製品の開発や拡販、生産能力の増強などを取り組み事項に挙げた。加えて、データ伝送速度の向上と電力消費の削減の両方を実現する技術として、電気集積回路と光学部品を同一のパッケージ内に収めるコ・パッケージド・オプティクス(CPO)の採用が始まる見通しだと指摘。CPO向けの基幹部品においても成長期待を誘う形となった。 ■神戸物産 <3038> 4,675円 (+175円、+3.9%) 神戸物産 <3038> [東証P]が大幅高で3日続伸。22日の取引終了後に発表した4月度の単独業績で、売上高が前年同月比13.4%増、営業利益が同23.3%増となり、営業利益が3ヵ月連続で増益となったことが好感された。6店舗の新規出店があったことに加えて、引き続きテレビ番組やSNSなどで紹介されたことや、4月末まで開催していたセールが好評だったことなどが寄与した。商品別では、引き続き冷凍野菜の売り上げが好調だったほか、価格高騰が続いているコメの代替となる商品や、セール対象商品も売り上げに貢献した。 ■富士通 <6702> 3,320円 (+123円、+3.9%) 富士通 <6702> [東証P]が4日ぶり大幅反発。同社は22日、イージス艦に搭載するレーダー「SPY-7」に関する調達先選定と戦略的パートナーシップに関するMOU(基本合意書)を米ロッキード・マーチン と締結したと発表。これを材料視した買いが入ったようだ。SPY-7の重要構成部品「PS LRU」の製造に富士通は参画する。PS LRUの契約と発注は2025年後半に予定しているという。 ■日本トリム <6788> 4,175円 (+145円、+3.6%) 日本トリム <6788> [東証P]が4日ぶり大幅反発。22日の取引終了後に関東財務局に提出された変更報告書で、光通信 <9435> [東証P]グループの光通信とその共同保有者による株式保有割合が7.37%から8.39%に上昇したことが判明しており、需給思惑的な買いが入ったようだ。保有目的は純投資で、報告義務発生日は5月15日となっている。 ■Fスターズ <3687> 2,052円 (+70円、+3.5%) フィックスターズ <3687> [東証P]が大幅続伸。次世代コンピューティングの本命として 量子コンピューターへの注目度が世界的に増している。光量子コンピューター分野などで日本は高い技術力を有しており、世界に伍する実力が今後発揮される可能性がある。そうしたなか、石破首相が今年を「量子産業化元年」と位置付けスタートアップ支援を宣言したこともあって、関連銘柄の株価が改めて刺激されていた。 ※23日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。 株探ニュース