午後:債券サマリー 先物は続落、長期金利は約2カ月ぶり高水準
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22日の債券市場で、先物中心限月6月限は4日続落。前日に米長期金利が騰勢を強めたことが影響したほか、国内の長期債や超長期債の需給悪化を警戒した売りが続いた。 21日の米債券市場ではトランプ米政権の減税政策が米財政収支を悪化させるとの懸念に加え、同日に実施された米20年債入札の結果が低調と受け止められたことから米長期金利は4.60%と2月中旬以来3カ月ぶりの水準まで上昇。米債券売りが強まった流れが東京市場に波及した。朝方の売りが一巡したあとは下げ渋る場面もみられたが、7月の参院選に向けて拡張的な財政政策が打ち出されれば国債増発につながるとの警戒感がくすぶっていることから戻りは限定的。午後に入っても時間外取引で米長期金利が高止まりしていることから軟調な展開が続き、先物は引け間際に一時138円63銭まで下落。日銀の野口旭審議委員が宮崎県金融経済懇談会の講演後に行った記者会見で、超長期金利の上昇に対して日銀がむやみに介入することは適切でないとの見解を示したことが影響したようだった。なお、この日に財務省が実施した10年物価連動債の入札結果は、応札倍率が3.04倍と前回の2.76倍を上回ったが相場を押し上げる材料には至らなかった。 先物6月限の終値は、前日比49銭安の138円65銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは、午後3時時点で前日に比べて0.055%高い1.570%と約2カ月ぶりの高水準で推移している。 出所:MINKABU PRESS