前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

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材料

■トラスト <3347>  371円 (+80円、+27.5%) ストップ高

 トラスト <3347> [東証S]がストップ高。VTホールディングス <7593> [東証P]が14日の取引終了後、トラストに対し完全子会社化を目的としてTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。買付価格は410円で、トラストの株価はこれにサヤ寄せする動きとなった。トラストの親会社であるVTHDは親子上場の状態を解消し、両社で事業の相乗効果を生み出す方針。買付予定数の下限と上限は設定していない。買付期間は15日から7月11日。TOB成立後、所定の手続きを経て、トラストは上場廃止となる見込み。トラストはTOBに賛同の意見を表明した。東京証券取引所は14日、トラストを監理銘柄(確認中)に指定している。

■ナイル <5618>  396円 (+80円、+25.3%) ストップ高

 ナイル <5618> [東証G]がストップ高。14日の取引終了後、25年6月末時点の株主から株主優待制度を新設すると発表しており、好材料視された。毎年6月末日及び12月末日時点で1単元(100株)以上を保有する株主のうち、自社サービス「定額カルモくん」を申し込んだ株主に10万円をキャッシュバックする。また、毎年12月末時点で100株以上を保有する株主に、保有株数に応じてデジタルギフト1000~2000円分を贈呈する。このほか単月黒字化記念特別株主優待として、100株以上を23年12月末日から25年6月末日まで継続保有する株主にはデジタルギフト1000円分を贈呈する。同時に発表した第1四半期(1-3月)連結決算は、売上高15億1000万円、営業損益2200万円の赤字となった。24年12月期第3四半期から連結決算に移行したため前年同期との単純比較はできないものの、自動車産業DX事業の力強い成長とホリゾンタルDX事業の復調により、3月度に単月黒字化を達成。前年同期の単独営業損益1億3200万円の赤字に比べて赤字幅は縮小した。なお、25年12月期通期業績予想は、売上高59億3000万円~64億8000万円(前期比8.5~18.5%増)、営業損益2億5500万円の赤字~5000万円の黒字(前期6億7700万円の赤字)を見込む。

■FFRI <3692>  4,305円 (+700円、+19.4%) ストップ高

 FFRIセキュリティ <3692> [東証G]がストップ高。同社は14日取引終了後、25年3月期通期の連結決算を発表。営業利益は前の期比64.1%増の8億1700万円となり、従来予想の5億1500万円から上振れた。また、期末一括配当を従来計画比4円増額の14円(前の期は10円)とすることも明らかにした。26年3月期通期の連結業績予想については、営業利益を前期比11.9%増の9億1400万円と見込む。期末一括配当は14円を継続する計画だとしている。

■UT <2146>  2,420円 (+387円、+19.0%)

 東証プライムの上昇率トップ。UTグループ <2146> [東証P]が5日続急騰。半導体や自動車業界などを主要顧客とする製造業派遣・請負の大手で、足もとの業績は急回復が期待できる状況にある。同社が14日取引終了後に発表した26年3月期の業績予想は営業利益が前期比45%増の117億円と大幅な伸びで初の100億円大台ライン突破となり、過去最高利益更新を見込んでいる。株主還元にも積極的だ。前期配当は従来計画に22円65銭増額し、年134円98銭とした。また、今期も大幅増配で162円72銭を計画している。配当利回りは前日終値換算で8%に達する。更に、発行済み株式数3.8%相当の150万株、金額ベースで19億6500万円を上限とする自社株買いも発表(買い付け期間は8月8日まで)、これを材料視する買いが集中した。

■MSOL <7033>  2,317円 (+369円、+18.9%) 一時ストップ高

 東証プライムの上昇率2位。マネジメントソリューションズ <7033> [東証P]が5日続急騰、一時ストップ高となった。15日、取得総数60万株(自己株式を除く発行済み株式総数の約3.7%)、取得総額10億円を上限とする自己株式の取得枠を設定したと発表。また、25年12月期第1四半期(1-3月)の連結決算では、通期計画に対する営業利益の進捗率が約28%と堅調なスタートを示しており、好感されたようだ。自社株の取得期間は5月16日から26年5月15日。第1四半期の売上高は56億400万円、営業利益は8億3800万円だった。24年12月期は14ヵ月の変則決算。24年1-3月の参考値との比較で売上高は21.5%増、営業利益は62.9%増となった。受注の伸びが想定を上回り、稼働率と平均単価が上昇した。

■精工技研 <6834>  4,470円 (+700円、+18.6%) ストップ高

 精工技研 <6834> [東証S]がストップ高。データセンター増設需要などを背景に同社が製造する光通信用コネクターや検査装置などへの引き合いが旺盛で業績を押し上げている。14日取引終了後に発表した25年3月期決算は営業利益が前の期比2.7倍となる28億1700万円と会社側見通しを大きく上回る変貌を果たし、02年3月期の連結決算移行後で過去最高を記録した。トップラインも過去最高水準で、業績飛躍期に突入している。同社が当初設定していた中期経営計画は2年前倒しで達成した。26年3月期の営業利益は前期比7%増の30億円とピーク更新を見込んでいるが、一段の上振れの可能性もある。なお、27年3月期の営業利益目標は25億円から33億円に上方修正している。

■Aiロボ <247A>  4,975円 (+700円、+16.4%) ストップ高

 Aiロボティクス <247A> [東証G]がストップ高。自社開発のAIシステムを活用し、スキンケア商品や美容家電の企画・開発を行っているが、主力の美白美容液の需要獲得が進んでいるほか、昨年参入した美容家電も大幅な伸びで業績拡大に貢献している。同社が14日取引終了後に発表した25年3月期決算は営業利益が前の期比97%増の24億8000万円とほぼ倍増したほか、続く26年3月期も前期比94%増の48億円予想と急拡大が続き、連続でピーク利益更新となる見込み。これがポジティブサプライズとなり買い人気が集中した。

■共同印 <7914>  1,269円 (+169円、+15.4%)

 東証プライムの上昇率4位。共同印刷 <7914> [東証P]が急騰。2006年以来の高値圏に浮上した。15日午後3時、25年3月期の連結決算発表にあわせ、26年3月期の業績予想を開示した。今期の売上高は前期比3.5%増の1035億円、最終利益は同16.3%増の38億5000万円を計画する。年間配当予想は76円。前期の年間配当は株式分割後ベースで35円だった。実質的に大幅な増配となる見通しを示しており、好感されたようだ。同社は政策保有株式の残高を28年3月期末までに純資産の15%未満に削減する目標を掲げ、今期は投資有価証券売却益で約28億円を計上する見込み。通期では情報セキュリティ部門や生活・産業資材部門で営業増益を計画している。28年3月期までの3カ年の中期経営計画も公表。最終年度に営業利益45億円以上(26年3月期予想は28億円)、ROE(自己資本利益率)を8%以上とする目標を示した。

■武蔵精密 <7220>  2,951円 (+364円、+14.1%)

 東証プライムの上昇率7位。武蔵精密工業 <7220> [東証P]が急反騰。同社は5月14日大引け後(15:50)に決算を発表、25年3月期の連結経常利益は前の期比15.6%増の179億円になり、従来予想の155億円を上回り、減益予想から一転して増益で着地。26年3月期も前期比2.9%増の185億円に伸びを見込み、2期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことで好感されたようだ。これで3期連続の増益になる。

■日化産 <4094>  1,900円 (+181円、+10.5%)

 日本化学産業 <4094> [東証S]が続急騰。時価は2017年11月以来、約7年半ぶりの高値圏に浮上した。メッキ薬品を主力とする無機化学薬品大手だが、14日取引終了後に発表した25年3月期決算は営業利益が前の期比31%増の28億6000万円と急回復を果たした。26年3月期については同利益が前期比26%減の21億3000万円と反落を見込むが、株主還元に前向きで、年間配当は前期実績から15円の大幅増配となる90円を見込む。更に新たな株主優待を発表したことも投資マネーの琴線に触れた。今期から毎年9月末と3月末時点で300株以上を保有する株主を対象に、保有期間に応じて5000~1万5000円分のQUOカードを贈呈するというもので、前期と比べた実質配当利回りの大幅な上昇が買いを誘導している。

■ASB機械 <6284>  5,480円 (+510円、+10.3%)

 東証プライムの上昇率9位。日精エー・エス・ビー機械 <6284> [東証P]が8日続急騰。同社は5月14日大引け後(16:00)に決算を発表、25年9月期第2四半期累計(24年10月-25年3月)の連結経常利益は前年同期比65.4%増の57.4億円に拡大し、通期計画の91億円に対する進捗率は63.1%に達し、5年平均の42.5%も上回ったことで好感されたようだ。

■三井住友建設 <1821>  602円 (+52円、+9.5%)

 東証プライムの上昇率10位。三井住友建設 <1821> [東証P]が3日続急伸。インフロニア・ホールディングス <5076> [東証P]が14日の取引終了後、三井住友建設の完全子会社化を目指してTOBを実施すると発表しており、TOB価格600円を意識した動きとなった。インフロニアは現在、三井住友建設株式を100株(0.00%)所有しているが、完全子会社化により経営統合することで、経営リソースの相互活用やグループ全体でのDX、技術開発、サステナビリティ戦略及び人材育成の共同推進、相互の事業基盤を活用した新規事業機会の創出などのシナジーを創出するのが狙い。買付予定数は1億5688万4782株(下限1億458万9800株、上限設定なし)で、買い付けスケジュールの詳細は決まり次第明らかにする。TOB成立後、三井住友建設は所定の手続きを経て上場廃止となる予定で、この発表を受けて東京証券取引所は三井住友建設株式を14日付で監理銘柄(確認中)に指定している。なお、三井住友建設はTOBに対して賛同の意見を表明している。

■力の源HD <3561>  1,436円 (+118円、+9.0%)

 力の源ホールディングス <3561> [東証P]が3日ぶり急反発。15日昼ごろ、26年3月期連結業績予想について売上高を前期比9.1%増の372億8700万円、営業利益を同12.7%増の31億6900万円と発表。配当予想も前期比2円増の20円とした。2期ぶりに増益となる見通しを示したことが好感された。国内での新規出店やM&A効果を見込む。海外でも新規出店を行うほか、新たな戦略的アプローチによる商圏拡大や各種DX施策を進め業績への貢献を図る。なお、同時に発表した25年3月期決算は売上高が前の期比7.5%増の341億6600万円、営業利益が同14.8%減の28億900万円だった。海外事業でのインフレの影響などが利益を押し下げた。

■日阪製 <6247>  1,093円 (+86円、+8.5%)

 日阪製作所 <6247> [東証P]が急反発。15日午後2時30分ごろ、上限を100万株(発行済み株数の3.67%)、または14億円とする自社株買いを実施すると発表しており、好材料視された。取得期間は5月16日から来年3月31日までで、資本効率の向上及び経営環境に応じた機動的な資本政策の実行を可能とすることが目的という。同時に発表した26年3月期連結業績予想は、売上高440億円(前期比14.7%増)、営業利益30億円(同2.4%増)、純利益26億9000万円(同28.9%減)を見込み、年間配当予想を前期比10円増の55円とした。期首の受注残高が273億3500万円(前年同期比16.7%増)あることに加えて、生産性向上などの取り組みが寄与する見通し。なお、25年3月期決算は、売上高383億5300万円(前の期比12.2%増)、営業利益29億3000万円(同19.3%増)、純利益37億8200万円(同56.2%増)だった。

■アルコニクス <3036>  1,704円 (+132円、+8.4%)

 アルコニックス <3036> [東証P]が7日続急伸。同社は15日午後0時30分ごろ、25年3月期通期の連結決算を公表し、経常利益は前の期比38.2%増の75億2800万円で着地した。また、期末配当を従来計画比10円増額の42円にすることも発表。これにより、中間配当32円をあわせた年間配当は74円(前の期は55円)となる。26年3月期通期の連結業績予想については、コスト転嫁や在庫圧縮を進め非鉄金属市況変動への耐性を高めるとともに、内需にシフトする顧客の取り込みを進めることで増収増益を見込む。経常利益は前期比8.9%増の82億円との見通しを示し、年間配当は前期比10円増配の84円(中間配当42円、期末配当42円)を計画している。加えて、6カ年の「長期経営計画2030」を策定したことも公表。事業戦略、財務戦略、サステナビリティ戦略、人財戦略、DX戦略それぞれにおいて基本方針と重点課題を定め、最終年度となる31年3月期の連結経常利益目標は150億円に設定している。

■弁護士COM <6027>  2,958円 (+223円、+8.2%)

 弁護士ドットコム <6027> [東証G]が3日続急伸。同社は5月14日大引け後(15:30)に決算を発表、25年3月期の連結経常利益は前の期比6.8%増の14億円に伸び、26年3月期も前期比42.3%増の20億円に拡大を見込み、3期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことで好感されたようだ。これで16期連続の増収、3期連続増益になる。

■イワキ <6237>  2,541円 (+181円、+7.7%)

 イワキポンプ <6237> [東証P]が急反発。同社は5月14日大引け後(16:00)に決算を発表、25年3月期の連結経常利益は前の期比4.7%増の65.1億円になり、従来予想の58.2億円を上回り、減益予想から一転して増益で着地。26年3月期も前期比1.3%増の66億円に伸びを見込み、5期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことで好感されたようだ。これで5期連続の増収、増益になる。同時に、前期の年間配当を58円→70円(前の期は62円)に増額し、今期も前期比6円増の76円に増配する方針とした。

※15日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

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