前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

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材料

■カウリス <153A>  1,449円 (+300円、+26.1%) ストップ高

 カウリス <153A> [東証G]がストップ高。法人を対象にクラウド型不正アクセス検知サービスを展開するが、ここ証券口座乗っ取り被害が甚大化の傾向をたどるなか、同社の活躍機会が高まるとの思惑が投資資金攻勢の背景にある。そうしたなか、7日付で貸株申し込み制限の対象となり、新規売り停止及び現引停止の規制がかかった。市場に流通する株式が不足している状態を示すもので、需給相場に拍車がかかる状況となった。株価は直近3営業日合計で約1.5倍化しており、否応なくマーケットの視線を集めた。

■ノジマ <7419>  2,870円 (+335円、+13.2%)

 東証プライムの上昇率2位。ノジマ <7419> [東証P]が3日ぶり急反騰。同社は7日正午ごろ、25年3月期通期の連結決算を発表。デジタル家電専門店運営事業やキャリアショップ運営事業の売り上げがともに伸びたことなどから、営業利益は前の期比58.3%増の483億7100万円となった。また、期末配当を従来計画比5円増額の25円にすることも発表。これにより、中間配当20円をあわせた年間配当は45円となる。26年3月期通期の連結業績予想については、前期比3.4%増の500億円を見込む。年間配当は前期比1円増配の46円(中間配当23円、期末配当23円)を計画している。

■矢作建 <1870>  1,630円 (+177円、+12.2%)

 東証プライムの上昇率3位。矢作建設工業 <1870> [東証P]が続急騰。7日午後2時、25年3月期の連結決算にあわせ、26年3月期の業績予想を開示。今期の売上高は前期比19.4%増の1680億円、最終利益は同16.9%増の66億円を見込む。2ケタの増収増益で2期ぶりに過去最高益を更新する計画。年間配当予想は同10円増配の90円としたうえで、累進配当の実施を含む新たな配当方針を公表しており、これらを好感した買いが集まった。複数の大型建築工事が進捗することで建設事業の収益が拡大する。加えて、株主資本配当率(DOE)5%以上で累進配当を基本とする新たな配当方針を示した。これまでは配当性向30%以上とする方針を掲げていた。25年3月期の売上高は前の期比17.4%増の1406億9900万円、最終利益は同12.7%減の56億4300万円だった。

■MTG <7806>  3,185円 (+311円、+10.8%)

 MTG <7806> [東証G]が3日ぶり急反騰。同社は7日、25年9月期の連結業績・配当予想の上方修正を発表し、ポジティブ視されたようだ。今期の売上高予想は従来の見通しから50億円増額し930億円(前期比29.4%増)、最終利益予想は12億円増額し57億円(同2.5倍)に見直した。また、年間配当予想は3円増額して18円(同5円増配)とした。国内での売り上げが引き続き好調に推移するなか、新商品の売上比率の向上により粗利が増加し、マーケティング効果も発現する。

■TOA <6809>  1,034円 (+99円、+10.6%)

 東証プライムの上昇率4位。TOA <6809> [東証P]が続急騰。連休前2日取引終了後、26年3月期連結業績予想について売上高を前期比7.7%増の545億円、営業利益を同25.4%増の45億円と発表した。営業利益は12期ぶりに最高益を更新する見通し。配当予想も前期比2円増の42円としており、これを好感した買いが膨らんだ。同時に発表した25年3月期決算は売上高が前の期比3.7%増の506億2600万円、営業利益が同18.5%増の35億8900万円だった。国内事業は交通市場向けが伸びたほか、大阪・関西万博関連の納入が寄与。海外事業は欧米や東南アジアなどが堅調に推移した。

■T-BASE <3415>  288円 (+26円、+9.9%)

 東証プライムの上昇率5位。TOKYO BASE <3415> [東証P]が急反発。アパレルのセレクトショップを運営し、ファッション性の高い若年層を主要顧客に「STUDIOUS」や、国内ファッションブランド商品を取り扱う「UNITED TOKYO」などで需要獲得を進めている。前週末2日取引終了後に発表した4月の既存店売上高は前年同月比8.2%増と好調だった。今期に入ってから2月、3月と比較しても伸び率が加速しており、これを材料視する買いを呼び込んだ。ここ株価は5日移動平均線をサポートラインに底入れの動きを明示していたが、7日は同移動平均線を一気に上放れ、戻り足を鮮明とした。

■ワンプラ <4199>  1,085円 (+88円、+8.8%)

 ワンダープラネット <4199> [東証G]が4日続急伸。同社は7日、iOS及びAndroid端末向けに配信中の「クラッシュフィーバー」が全世界で1500万ダウンロードを突破したことを明らかにしており、これが株価を刺激したようだ。

■中部飼 <2053>  1,507円 (+116円、+8.3%)

 東証プライムの上昇率7位。中部飼料 <2053> [東証P]が3日ぶり急反発。同社は7日午後2時ごろ、26年3月期通期の連結業績予想を公表。営業利益の見通しを前期比21.4%増の52億円としていることや、年間配当計画を前期比8円増配の60円(中間配当30円、期末配当30円)としていることが好感されたようだ。売上高は同1.0%増の2120億円を見込む。差別化飼料比率の向上や魚粉比率を低減した水産飼料の拡販、製品ラインアップの刷新などで収益力の向上を図るとしている。また、115万株(自己株式を除く発行済み株式総数の3.89%)、15億円を上限とする自社株取得枠を設定したこともあわせて発表。資本効率の改善及び株主還元の充実を図ることが主な目的で、取得期間はあす5月8日から来年3月31日までとなっている。

■東京鉄 <5445>  5,880円 (+420円、+7.7%)

 東証プライムの上昇率8位。東京鐵鋼 <5445> [東証P]が急伸。同社は7日午後1時30分、25年3月期の連結決算発表にあわせ、取得総数25万株(自己株式を除く発行済み株式総数の2.87%)、取得総額10億円を上限とする自社株買いの実施を公表した。また、前期の期末配当を従来の見通しから40円増額して275円(年間配当は375円)としたうえで、今期の年間配当は300円とした。前期の年間配当に比べると減配の計画となるが、自社株買いによる需給引き締め効果と配当利回りの高さが意識されたようだ。自社株の取得期間は9日から7月31日まで。25年3月期の売上高は前の期比3.7%増の825億9300万円、最終利益は同37.6%増の108億5300万円で、過去最高益を更新した。26年3月期の売上高は前期比2.5%減の805億円、最終利益は同22.1%減の84億5000万円を計画する。

■フジプレアム <4237>  336円 (+23円、+7.4%)

 フジプレアム <4237> [東証S]が続急伸。300円近辺のもみ合いを経て、7日は4.5%高の327円に買われ、上値指向を明示した。独自の精密貼合技術を生かしディスプレーパネル関連分野などで強みを発揮するほか、OEM供給を主軸に太陽光発電システム関連商品の製造販売でも高実績を誇る。次世代商品として注目度の高いペロブスカイト太陽電池にも積極的に取り組んでいる。そうしたなか、経済産業省がペロブスカイト太陽電池について、東京をはじめ、大阪、名古屋、福岡の4つの大都市圏に導入目標の策定を要請することが報じられ、これが同社株を刺激する格好となっている。東京都は2040年までに55万世帯分の年間電力消費量を設置目標として表明することも伝わっており、同社の将来的な商機拡大への思惑が材料視された。

■鳥居薬 <4551>  5,580円 (+350円、+6.7%)

 鳥居薬品 <4551> [東証P]が4日続急伸。理由は「公開買付に関する報道の真偽等の確認のため」。日本経済新聞電子版は7日、「塩野義製薬が日本たばこ産業(JT)傘下の鳥居薬品を買収する方針を固めたことが7日、わかった」と報じた。塩野義製薬 <4507> [東証P]はJT <2914> [東証P]や一般株主からTOB(株式公開買い付け)などを通じ、全株を取得。買収総額は1500億円規模とみられるとしている。

■丸紅 <8002>  2,698円 (+162円、+6.4%)

 丸紅 <8002> [東証P]が続急伸。三井物産 <8031> [東証P]や三菱商事 <8058> [東証P]、住友商事 <8053> [東証P]、伊藤忠商事 <8001> [東証P]も株価水準を切り上げた。著名投資家のウォーレン・バフェット氏率いる米投資会社バークシャー・ハサウェイ  が3日に開いた年次株主総会で、バフェット氏が日本の5大商社株に関し、長期に保有する考えを示したと伝わり、株価の支援材料となったようだ。なお、バフェット氏は今年末にバークシャー・ハサウェイの最高経営責任者(CEO)を退任すると表明。会長職にはとどまるという。

■高松機械 <6155>  482円 (+27円、+5.9%)

 高松機械工業 <6155> [東証S]が続急伸。同社は前営業日となる2日の取引終了後、25年3月期の連結決算発表にあわせ、26年3月期の業績予想を開示した。今期の売上高予想は前期比10.0%増の152億8700万円、営業損益予想は1億3800万円の黒字(前期は1億6000万円の赤字)となる見通しを示した。また、今後3カ年の中期経営計画を公表。28年3月期に売上高を180億円、営業損益の黒字額を9億円に伸ばす方針を示しており、これらを材料視した買いが入ったようだ。中期計画ではコスト削減や業務合理化を推進しつつ、自動車部品加工事業から撤退し、主力の工作機械事業に経営資源をシフトさせる方針を示している。今期の年間配当予想は前期と横ばいの10円とするものの、年間配当の下限を10円とするとともに、連結配当性向について40%程度を目安とする新たな配当方針を示した。25年3月期業績に関しては海外向け売上高が見込みよりも増加したことを背景に赤字幅が計画よりも縮小して着地した。

■ピアラ <7044>  323円 (+18円、+5.9%)

 ピアラ <7044> [東証S]が5日続急伸。同社は7日正午ごろ、6月に日本国内での導入が予定されているTikTokのEC機能「TikTok Shop」の展開に先駆け、クリエイター向けのコマース支援を開始すると発表。これが材料視されたようだ。これは、同社が培ってきたSNSマーケティングや広告運用の知見に加え、グループ会社が手掛けるライブ配信やEC運用面での支援機能を組み合わせ、クリエイターの企画・発信・販売活動を一貫してサポートするもの。今後は「TikTok Shop」の国内展開を機に、クリエイターを起点としたコマースモデルの構築を更に加速させるとしている。

■エニマインド <5027>  896円 (+47円、+5.5%)

 AnyMind Group <5027> [東証G]が急反発。同社は7日、インドネシアにて東南アジア・台湾で最大規模のEコマースプラットフォーム「Shopee」の公式パートナーに認定されたと発表。これが株価を刺激したようだ。今回の認定は、1-3月期における販売実績や支援施策の成果などが評価されたもの。同社は今後も、より多くのブランドが高度なエンゲージメント施策やライブコマースを展開できるようにテクノロジーとオペレーションを掛け合わせたソリューションを通じて支援を加速するとしている。

■良品計画 <7453>  5,031円 (+262円、+5.5%)

 良品計画 <7453> [東証P]が続急伸。連休前2日取引終了後、4月度の国内売上高を発表し、直営既存店とオンラインストアを合わせた売上高は前年同月比9.8%増と15ヵ月連続で前年実績を上回った。これが買い材料視された。3月末まで実施した無印良品週間終了後の反動減が限定的だったことに加えて、生活雑貨や食品が引き続き牽引役となった。なお、直営全店とオンラインストアを合わせた売上高は同17.1%増だった。

■ダイトロン <7609>  3,290円 (+140円、+4.4%)

 ダイトロン <7609> [東証P]が大幅続伸。連休前2日取引終了後に1-3月期連結決算を発表。売上高は前年同期比10.7%増の233億5200万円、営業利益は同41.6%増の15億7000万円だった。車載向け「画像関連機器・部品」のレンズやWeb会議向け「情報システム」のコミュニケーションシステム、データセンター用通信デバイスの生産向け「電子部品製造装置」などの販売が増加した。2ケタ増収増益となったことが好感された。

■JR西日本 <9021>  3,191円 (+104円、+3.4%)

 西日本旅客鉄道 <9021> [東証P]が大幅高で3日続伸。年初来高値を更新した。前営業日となる2日の取引終了後、25年3月期の連結決算発表にあわせ、26年3月期の業績予想を開示した。今期の売上高は前期比6.6%増の1兆8200億円、経常利益は同5.0%増の1740億円、最終利益は同0.9%増の1150億円を計画する。最終利益は前期に続き過去最高益の更新を予想する。また、3月31日を基準日とする前期の期末配当について、従来の見通しから10円50銭増額して47円50銭(年間配当は84円50銭)で決定。今期の年間配当予想は前期比1円50銭増配の86円とした。加えて、取得総数2000万株(自己株式を除く発行済み株式総数の4.2%)、取得総額500億円を上限とする自社株買いの実施も公表しており、これらを好感した買いが集まったようだ。大阪・関西万博の開催に伴い、山陽新幹線や北陸新幹線、近畿圏の在来線での運輸収入の押し上げ効果を見込む。インバウンド需要の増加も追い風となる見通し。25年3月期の売上高は前の期比4.5%増の1兆7079億4400万円、最終利益は同15.4%増の1139億5800万円だった。自社株の取得期間は7日から9月19日まで。

■王将フード <9936>  3,330円 (+105円、+3.3%)

 王将フードサービス <9936> [東証P]が3日ぶり大幅反発。前営業日となる2日の取引終了後、4月の月次売上高を発表。直営の既存店売上高は前年同月比13.5%増の88億600万円となった。増収基調を継続し、増収率は3月(11.7%)を上回ったこともあって、評価されたようだ。4月の既存店の客数は1.8%増、客単価は11.6%増となった。2月14日に一部商品の価格改定を実施したが、その後も客数は好調に推移した。直営全店売上高は16.0%増の91億500万円だった。

■エムスリー <2413>  1,843.5円 (+58円、+3.3%)

 エムスリー <2413> [東証P]が大幅続伸。同社は医薬関連の情報サービスや医療従事者向け会員制サイトを運営し、製薬マーケティング支援業務を主力展開する。前週末2日に発表した25年3月期決算では営業利益が前の期比2%減の629億7100万円と小幅減益となったが、続く26年3月期は2ケタ増益で切り返し、前期比11%増の700億円を見込んでいる。製薬会社のマーケティングを支援する「メディカルプラットフォーム」事業が好調で収益を牽引する見通し。また、同日に発行済み株式数の2.95%相当の2000万株、200億円を上限とする自社株買いの実施も発表しており、これを好感する買いを引き寄せた。

■イトーキ <7972>  1,824円 (+42円、+2.4%)

 イトーキ <7972> [東証P]が反発。連休前2日取引終了後に1-3月期連結決算を発表し、売上高は前年同期比4.5%増の427億4400万円、営業利益は同22.9%増の74億2200万円だった。ハイブリッドな新しい働き方にあわせたリニューアル案件やオフィス移転などを中心に好調に推移した。好決算を評価した買いが入った。

■明治HD <2269>  3,597円 (+56円、+1.6%)

 明治ホールディングス <2269> [東証P]が反発。傘下の明治は7日、6月1日出荷分からクリームの価格改定を実施すると発表。これによる採算改善などが期待されたようだ。値上げする商品は「明治おいしい生クリーム」で、値上げ幅は約9%となる予定。飼料価格の高騰などにより生乳生産コストが上昇しているなか、6月1日から指定生乳生産者団体と乳製品向けの生乳取引価格を引き上げることで合意したという。

※7日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

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