株価指数先物【寄り前】 関税交渉の進展期待から+1σ水準を意識
投稿:
大阪6月限ナイトセッション 日経225先物 36070 +160 (+0.44%) TOPIX先物 2675.0 +21.5 (+0.81%) シカゴ日経平均先物 36085 +175 (注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比) 29日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。貿易相手国との関税政策を巡り、ベッセント米財務長官が「交渉は順調に進んでいる」との認識を示したことで買い優勢の展開になった。トランプ米大統領は29日、自動車関税の負担を軽減する大統領令に署名した。トランプ政権の関税政策に関する強硬姿勢が和らいでいるとして、買い安心感につながった。4月の米消費者信頼感は86.0と前月(93.9)から悪化し、市場予想(88.0程度)を下回った。3月の米雇用動態調査(JOLTS)求人件数は719万2000件に減少し、昨年9月以来の低水準となったことが重荷になっている。 S&P500業種別指数は、自動車・同部品、各種金融、ソフトウエア・サービス、電気通信サービス、食品・生活必需品小売が上昇した一方で、エネルギー、半導体・同製造装置の2セクターが下落。NYダウ構成銘柄では、ハネウェル・インターナショナル、シャーウィン・ウィリアムズ 、アムジェン 、メルク が買われた。半面、ユナイテッドヘルス・グループ 、マクドナルド 、シェブロン が下落。 シカゴ日経平均先物(清算値)は大阪比175円高の3万6085円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッション(祝日取引を含む)は、日中比30円安の3万5880円で始まり、3万5710円まで売られた。その後はロング優勢となり一時3万6230円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は軟化し3万5860円と下落に転じ、米国市場の取引開始後は3万5920円~3万6080円辺りでの保ち合いを継続。3万6070円でナイトセッションの取引を終えた。 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。ナイトセッションで3万6230円まで買われる場面もみられ、ボリンジャーバンドの+1σ(3万6320円)に接近してきた。同バンドを捉えてくると、13週移動平均線(3万6510円)や75日線(3万7070円)が意識されてくる。そのため、オプション権利行使価格の3万5750円から3万6500円のレンジを想定。 赤沢亮正経済財政再生相はきょうから3日間の日程で訪米し、ベッセント米財務長官らと関税を巡る2回目の協議が予定されている。関税交渉の進展期待によりショートを仕掛けづらくさせるとともに、ポジションをニュートラルに近づけてくることでショートカバーが入りやすいと考えられる。 ただし、中国当局は習近平国家主席が最近トランプ大統領と会談した事実はなく、両国が関税を巡る合意の締結を目指している事実もないと、トランプ大統領の発言を否定している。米中対立の不透明感は根強く、積極的なロングは限られることから、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。まずは3万6000円固めを意識した押し目を狙いたい。 29日の米VIX指数は24.17(28日は25.15)に低下した。20.00を上回っている状況であるが低下傾向が続いており、目先的には75日線が位置する22.25辺りが意識されている。楽観はできないものの、リスク選好に向かわせよう。 28日のNT倍率は先物中心限月で13.53倍に低下。13.58倍をつける場面もみられたが、その後は25日線(13.54倍)を割り込んで推移していた。ただし、一時13.49倍まで低下した後は25日線水準まで下げ渋る動きをみせており、同線が抵抗線として機能するようだと、NTショートに振れやすくなりそうだ。 株探ニュース