株価指数先物【寄り前】 ニュートラルに近づける形でのショートカバーが強まる
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大阪6月限ナイトセッション 日経225先物 35560 +530 (+1.51%) TOPIX先物 2625.5 +35.0 (+1.35%) シカゴ日経平均先物 35570 +540 (注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比) 24日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。米中間の貿易交渉を巡る不透明感から売りが先行したが、トランプ米大統領は「24日に両国の政府関係者が会合を持った」と明らかにすると、米中対立の緩和を期待した買いが強まった。米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事やクリーブランド連銀のハマック総裁が利下げに踏み切る可能性について言及したことも材料視された。半導体株の上げが目立ち、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の上昇率は5%を超えた。 S&P500業種別指数は、半導体・同製造装置、ソフトウエア・サービス、自動車・同部品が上昇した一方で、家庭用品・パーソナル用品、食品・飲料・タバコ、保険が下げた。NYダウ構成銘柄では、セールスフォース、キャタピラー 、エヌビディア 、マイクロソフト 、アマゾン・ドット・コム が買われた半面、IBM 、プロクター・アンド・ギャンブル 、コカ・コーラ が下落。 シカゴ日経平均先物(清算値)は大阪比540円高の3万5570円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中比90円安の3万4940円で始まり、3万4790円まで売られた後に切り返し、3万5000円~3万5130円辺りでの保ち合いを継続。米国市場の取引開始後に上へのバイアスが強まり、3万5670円まで買われる場面もみられた。終盤にかけても高値圏での推移を続け、3万5560円でナイトセッションの取引を終えた。 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになりそうだ。ナイトセッションの開始直後に3万4790円まで下げる場面もみられたが早い段階で切り返しており、25日移動平均線(3万4900円)が支持線として意識されやすく、ボリンジャーバンドの+1σ(3万6560円)とのレンジ推移になりそうだ。週足のボリンジャーバンドでは-1σ(3万4920円)を明確に上抜けてきたことで、中心値となる13週線(3万6750円)とのレンジに入る。 米国市場ではIBMは決算内容が嫌気されて下落したが、エヌビディアなど半導体株の上昇が目立ったことで、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型を牽引することになろう。オプション権利行使価格の3万5250円から3万6250円でのレンジを想定。 トランプ大統領の発言に対して中国政府は否定するなど、米中貿易交渉の進展には不透明な部分が多い。そのため買い一巡後は膠着感が強まる可能性はある。ここ数日は朝高後に上げ幅を縮める動きが続いていることもあり、手掛けづらさはありそうだ。決算発表が本格化するほか、ゴールデンウイークに入ることで積極的なロングは手控えられやすい一方で、ショート筋においてはポジションをニュートラルに近づける形でのカバーが強まりそうである。 加藤勝信財務大臣は、ベッセント米財務長官と会談を行った。「為替レートは市場で決定される」「過度な変動は経済に悪影響を与える」との認識を再確認したと伝えられている。赤沢亮正経済再生担当相は30日から3日間の日程で訪米し、2回目の担当閣僚協議に臨む方針であるため、買い一巡後に弱含む局面では押し目狙いのロング対応に向かわせよう。 24日の米VIX指数は26.47(23日は28.45)に低下した。一時29.66まで上昇する場面もみられたが、その後は25日線(29.08)に上値を抑えられる形となった。トランプ大統領の発言に振らされやすい状況で楽観は禁物であるが、リスク選好に向かわせやすいだろう。 昨日のNT倍率は先物中心限月で13.52倍に上昇。一時13.48倍まで低下した後に切り返す形だった。ただし、25日線(13.54倍)が抵抗線として意識されている状況であるため、NTショートの巻き戻しを狙った動きは限られていた。本日は米ハイテク株主導の上昇のなかでNTショートを巻き戻す動きがありそうだが、25日線に抑えられるかを見極めたいところである。 株探ニュース