前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―
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■ジャフコG <8595> 2,412円 (+367円、+18.0%) 東証プライムの上昇率トップ。ジャフコ グループ <8595> [東証P]が3日ぶり急反騰。23日正午、25年3月期の連結決算発表にあわせ、自社株買いの決定と今期の年間配当予想を開示。この内容を評価した買いが集まったようだ。同社は取得総数350万株(自己株式を除く発行済み株式総数の6.41%)、取得総額50億円を上限とする自社株買いを24日から10月23日の間に実施する予定。また26年3月期の年間配当について、最低額で133円(前期比45円増配)となる計画を示した。通期の業績予想は開示していない。同社は今回、配当方針について、前期末の株主資本をもとにしたDOE(株主資本配当率)6%と配当性向50%のいずれか大きい金額とする形に見直した。これまでは期首期末平均株主資本をベースとしたDOE3%と配当性向50%のいずれか大きい金額とする方針をとっていた。また今期から期初時点で配当予定額の下限を公表することとした。加えて同社は企業価値の向上に向け、米国・アジアでグループが運用するファンドに今後は出資せず、マーケットの拡大が予想される国内投資に集中することを決めたと明らかにした。25年3月期の純利益は前の期比27.8%増の95億7600万円だった。 ■アズジェント <4288> 536円 (+80円、+17.5%) ストップ高 アズジェント <4288> [東証S]がストップ高。同社は22日、ヴィカリウス(本社:米国、開発:イスラエル)のCTER(継続的脅威エクスポージャー対策)ソリューション「Vicarius VRX(ヴィカリウス ブイアールエックス)」の販売を開始すると発表。これが材料視されたようだ。Vicarius VRXは、システム内の脆弱性をニアリアルタイムに検出し、CVSSスコア(システムやソフトウェアの脆弱性の深刻度を評価するための国際的な評価システムにより算出された脆弱性の深刻度)だけではなく、実際のシステムにおける脆弱性の深刻度、脅威データベースなど複数の情報を用いた相関分析を行った上で優先順位付けを判断し、脆弱性の修正対応を行うソリューション。同社は6月から販売を開始し、3年間で1億円の売り上げを目指すとしている。 ■タナベCG <9644> 737円 (+100円、+15.7%) ストップ高 タナベコンサルティンググループ <9644> [東証P]がストップ高。23日午後1時ごろ、25年9月末時点の株主から株主優待制度を導入すると発表しており、これを好感した買いが入った。毎年9月末日時点で1単元(100株)以上を保有する株主を対象に、保有株数に応じてQUOカードを500~1万円分贈呈するとしている。 ■マクアケ <4479> 774円 (+100円、+14.8%) ストップ高 マクアケ <4479> [東証G]がストップ高。22日の取引終了後、25年9月期の単独業績予想について、売上高を38億円から40億4000万円(前期比10.6%増)へ、営業利益を1億2000万円から3億1000万円(前期6200万円の赤字)へ、最終利益を7000万円から2億9000万円(同1億300万円の赤字)へ上方修正したことが好感された。プロジェクト単価の向上に注力した各種施策により取扱高が堅調に推移したことに加え、実行者からの広告代行受注が増加したことなどが要因。また、人件費が減少したことや諸費用に関するコストマネジメントの徹底によって販管費を低減したことも寄与した。 ■イシン <143A> 1,060円 (+120円、+12.8%) ストップ高 イシン <143A> [東証G]がストップ高。22日の取引終了後、集計中の25年3月期連結業績について、売上高が従来予想の13億5400万円から13億9300万円(前の期比8.8%増)へ、営業利益が2億600万円から2億4500万円(同22.5%増)へ、純利益が1億4200万円から1億7700万円(同40.5%増)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。グローバルイノベーション事業でスタートアップ情報ポータル「BLITZ Portal」及び大型の海外研修サービスが想定を上回ったことに加えて、メディアPR事業でも3月に開催したイベントのスポンサー売り上げが計画を上回ったことが要因としている。 ■新日本空調 <1952> 2,007円 (+224円、+12.6%) 東証プライムの上昇率3位。新日本空調 <1952> [東証P]が3日ぶり急反騰。23日午前11時ごろに集計中の25年3月期連結業績について、売上高が従来予想の1330億円から1376億円(前の期比7.5%増)へ、営業利益が93億円から112億円(同21.3%増)へ、純利益が80億円から96億円(同33.9%増)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。売上高が予想をやや上振れたことに加えて、工事採算の改善などが利益を押し上げた。なお、業績上振れに伴い、期末配当予想を30円から50円へ引き上げた。 ■ヘリオス <4593> 312円 (+34円、+12.2%) ヘリオス <4593> [東証G]が3日ぶり急反騰。23日正午ごろ、脳梗塞急性期を対象とした治療薬開発に関して、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募した「日本語版医療特化型LLMの社会実装に向けた安全性検証・実証」の共同実施先として採択されたと発表しており、好材料視された。同事業は、医療現場で実用化可能なレベルへのAIの安全性向上のための研究開発及び検証・実証を目的としたもので、同社に加えて九州大学や東京大学など複数の医療機関、研究機関、企業が参画する予定。同社は主に脳梗塞急性期を対象疾患として、再生医療分野での医薬品開発及び市販後調査の実施の検討を行うとしている。 ■コニカミノル <4902> 438.6円 (+39.7円、+10.0%) 東証プライムの上昇率4位。コニカミノルタ <4902> [東証P]が続急騰。日本経済新聞電子版は22日夜、「コニカミノルタは薄くて曲がるペロブスカイト型太陽電池向け保護膜の生産を2026年度にも始める」と報じた。成長が期待されるペロブスカイト型太陽電池向けのフィルムとあって、事業へのポジティブな影響を期待した買いを集めたようだ。記事によると、同社が生産するのはわずかな水分も通さない樹脂製のフィルムで、有機EL照明の製造で培った技術を活用。国内の既存工場で生産し、26年度にもサンプル出荷を始めるという。 ■QPS研究所 <5595> 1,320円 (+109円、+9.0%) QPS研究所 <5595> [東証G]が3日ぶり急反発。ウクライナメディアが22日、同国の軍事情報機関に対し日本がSAR(合成開口レーダー)の画像を含む衛星ベースの地理空間データを提供することで合意したと、専門メディアの報道をもとに報じた。QPS研究所がデータを提供すると言及している。この情報が23日の東京市場において投資家の間に広がり、同社株に思惑的な資金が流入することとなった。 ■富士フイルム <4901> 2,909.5円 (+233.5円、+8.7%) 東証プライムの上昇率5位。富士フイルムホールディングス <4901> [東証P]が3日ぶり急反発。同社は22日、米製薬大手から総額30億ドル(約4200億円)超のバイオ医薬品の生産を受託したと発表した。ノースカロライナ州で抗体医薬品を10年間にわたり生産する。医薬品は経済安全保障の観点でトランプ米政権が関税導入を表明しており、製薬大手が米国内での生産に動いていることから、その需要に対応した背景がある。これが強力なインパクトで株価を突き動かしていた。ここ2700円近辺を軸とした底値圏でのもみ合いを続けていたことで売り物がこなれていたことも、買い人気を増幅していた。 ■日本信号 <6741> 942円 (+54円、+6.1%) 日本信号 <6741> [東証P]が4日続急伸。同社は23日午後2時30分ごろ、25年3月期通期の連結業績予想を修正。営業利益の見通しは従来の80億円から99億円(前の期比45.1%増)に引き上げた。売上高予想も1000億円から1068億円(同8.4%増)に上方修正。新紙幣対応及び鉄道事業者の業績改善に伴う安全設備への投資増などに伴い、売上高及び営業利益が増加したとしている。また、期末配当を従来計画比12円増額の33円とすることも発表。これにより、中間配当10円をあわせた年間配当は43円(前の期は31円)となる。 ■大成建 <1801> 7,389円 (+391円、+5.6%) 大成建設 <1801> [東証P]が続急伸。同社は23日午後2時ごろ、25年3月期通期の連結業績予想を修正。営業利益の見通しは従来の870億円から1201億円(前の期比4.5倍)に引き上げた。売上高予想も1兆9900億円から2兆1540億円(同22.0%増)に上方修正。土木事業・建築事業ともに国内の大型工事が順調に進捗したことが主な要因だとしている。また、期末配当を従来計画比80円増額の145円にすることも発表。これにより、中間配当65円をあわせた年間配当は210円(前の期は130円)となる。 ■コカBJH <2579> 2,709円 (+139円、+5.4%) コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス <2579> [東証P]が8日続急伸。22日の取引終了後、主要カテゴリーの製品を10月1日出荷分から値上げすると発表しており、好材料視された。対象となるのはPETボトル製品(小型・中型・大型)、缶製品(缶、ボトル缶)、紙パック、袋入り製品(一部製品を除く)で、値上げ率は4.8~23.0%。コーヒー製品で1本あたり20~30円、その他製品で同20円に相当する。原材料、資材、エネルギー価格の高騰や為替相場の変動による影響が長期化していることなどが要因で、企業努力のみで吸収することが困難だと判断したという。 ■ジェイテクト <6473> 1,004円 (+49.1円、+5.1%) ジェイテクト <6473> [東証P]が続急伸。同社は23日午前10時30分、25年3月期の連結業績に関し、売上高が計画を200億円上回る1兆8800億円(前の期比0.6%減)、最終利益が計画を80億円上回る130億円(同67.7%減)で着地したようだと発表。これを好感した買いが入ったようだ。原価改善の取り組みが奏功したほか、コストアップに対する客先からの回収も寄与。インド事業の収益改善や、米国での法人所得税費用が減少したことなども利益を押し上げる要因となった。 ■トヨタ <7203> 2,582円 (+123円、+5.0%) トヨタ自動車 <7203> [東証P]が3日ぶり急反発。外国為替市場ではリスクオフの巻き戻しを反映して急速に円安方向に押し戻されており、前日22日から2円近い円安で1ドル=142円台半ばで推移していた。同社株など自動車セクターは輸出採算改善効果が見込まれるが、特に為替感応度の高い同社は対ドル1円の値動きで営業利益が約500億円動くと試算されており、足もとで自律反発狙いの買いや空売り筋のショートカバーを誘っていた。一方、23日から中国・上海で世界最大級の自動車展示会である「上海国際自動車ショー」が開幕するが、同社を筆頭に日本の自動車メーカーが電気自動車(EV)などでどういう戦略をみせていくのか、その内容にも視線が集まっており、株価にも影響を与えそうだ。 ※23日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。 株探ニュース