株価指数先物【寄り前】 3万5000円突破となればショートカバー強まる

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先物

大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 34820 +540 (+1.57%)
TOPIX先物 2578.0 +41.5 (+1.63%)
シカゴ日経平均先物 34845 +565
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 22日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が大幅に上昇。ベッセント米財務長官がJPモルガン主催の会合で、中国との交渉は始まっていないものの取引は可能との認識を示したと伝わった。中国との貿易摩擦が緩和に向かうとの期待感が高まり、主力株を中心に買われた。

 S&P500業種別指数はすべてのセクターが上昇し、自動車・同部品、保険、各種金融、テクノロジー・ハード・機器、銀行の強さが目立った。NYダウ構成銘柄では、スリーエム、トラベラーズ、アメリカン・エキスプレス、ゴールドマン・サックス・グループ、ビザ、アマゾン・ドット・コム、アップルなど全銘柄が買われた。

 シカゴ日経平均先物(清算値)は大阪比565円高の3万4845円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比50円高の3万4330円で始まり、直後につけた3万4290円を安値にロング優勢となり、米国市場の取引開始時には3万4500円を回復。中盤にかけて上げ幅を広げ、3万4960円まで買われる場面もみられた。買い一巡後に3万4620円まで上げ幅を縮めたが、終盤にかけてロングが強まり、3万4820円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。節目の3万5000円と25日移動平均線が位置する3万5070円に接近してきたことで、ショートカバーを誘いそうだ。週足のボリンジャーバンド-1σ(3万4820円)を突破する場面もみられた。同バンドを明確に上抜けてくると、カバーの動きが強まるほか、押し目狙いのロングもエントリーポイントを引き上げてくることになろう。

 米国市場の上昇はベッセント財務長官の発言がきっかけとなった。トランプ大統領から強硬な発言が出てくれば嫌気売りを誘う可能性は十分あるものの、ショートを仕掛けづらくさせよう。加藤勝信財務相は23~24日に主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に出席し、終了後にベッセント財務長官と会談する見通しであり、ショート筋はいったんポジションをニュートラルに近づけてきそうだ。

 日経225先物は3万5000円水準では利益確定に伴うロングの解消も意識されそうだが、これをクリアしてくるようだと+1σが位置する3万6780円とのレンジに移行する。週足も13週線が位置する3万6690円が意識されてくるため、3万5000円処での攻防が続くようだと、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。そのため、オプション権利行使価格の3万4500円から3万5500円のレンジを想定する。

 22日の米VIX指数は30.57(21日は33.82)に低下した。25日線(28.55)が支持線として意識されているものの、関税交渉への期待が高まるなかでは、同線を割り込んでくる可能性もありそうだ。楽観はできないが、リスク選好に傾きそうである。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で13.51倍に低下。13.57倍と前日比変わらずで始まり、13.50倍まで下げた。為替市場では円相場が一時1ドル=139円台と円高に振れて推移するなかで内需系の物色が強まり、相対的にTOPIX型が優位になっていた。ただし、トランプ大統領は米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長について、「解任するつもりはない」と述べた。為替市場では1ドル=142円後半と円安に振れており、25日線(13.55倍)水準を試す可能性がありそうだ。

株探ニュース

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