前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

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■ネクスウェア <4814>  184円 (+43円、+30.5%) 一時ストップ高

 ネクストウェア <4814> [東証S]が3日ぶり急反騰、一時ストップ高となった。セキュリティー技術の開発を手掛けるZenmuTech <338A> [東証G]が21日、ネクスウェア、アイ・ロボティクス(東京都渋谷区)の2社と共同で実施した国産技術を用いた次世代ドローン・セキュリティーの実証試験に成功したと発表した。この実証試験はドローン に秘密分散技術を搭載して飛行中のリアルタイムデータを高度に保護することを前提としたもの。今後、同技術の社会実装を本格的に展開し、安全な産業利用の普及を目指すという。これが材料視されたようだ。

■トヨコー <341A>  1,580円 (+300円、+23.4%) ストップ高

 トヨコー <341A> [東証G]がストップ高。21日、公共工事などにおける優れた新技術の活用促進を目的とする国土交通省の25年度準推奨技術に、同社が開発したCoolLaser工法が選定されたと発表。これを材料視した買いが入ったようだ。同工法は国交省所管の国立研究開発法人土木研究所により、国土強靱化などに資するインフラメンテナンスの新技術として公共事業などでの活用を推進する委託研究制度「IRAIM(革新的社会資本整備研究開発推進事業)」に19年に採択された。鋼構造物の長寿命化や維持管理費の削減に寄与する効果が確認されたことを受け、トヨコーは昨年9月から、市販モデルの高出力サビ取りレーザー装置の納品を開始している。

■J・TEC <7774>  619円 (+100円、+19.3%) ストップ高

 ジャパン・ティッシュエンジニアリング <7774> [東証G]がストップ高。厚生労働省薬事審議会の 再生医療等製品・生物由来技術部会が18日に開催された。同社が手掛ける再生医療等製品「ジャック」の製造販売承認事項一部変更承認の可否と再審査期間の指定の要否が審議されることとなっていたが、同部会において変形性膝関節症の適応を追加する一部変更承認が了承されたと21日に国内専門メディアが相次いで報じた。収益貢献を期待した買いを集める格好となったようだ。

■安永 <7271>  535円 (+80円、+17.6%) ストップ高

 安永 <7271> [東証S]がストップ高。前週末18日取引終了後、集計中の25年3月期連結業績について売上高が従来予想の310億円から314億円(前の期比1.7%減)へ、営業利益が4億5000万円から8億円(同24.0%増)へ、純利益が4億円から7億5000万円(同23.6%増)へ上振れて着地したようだと発表。これを好感した買いが膨らんだ。機械装置事業で大手リチウムイオン電池メーカー向けに電極活性化装置(量産機)の売り上げを計上できたことに加えて、エンジン部品事業で北米向けの売り上げが見込みより上回ったことが要因としている。また、業績上振れに伴い、期末配当予想を5円から8円に引き上げ、年間配当予想を13円(前の期12円)とした。

■ファンデリー <3137>  799円 (+100円、+14.3%) ストップ高

 ファンデリー <3137> [東証G]がストップ高。前週末18日、エイチ・ツー・オー リテイリング <8242> [東証P]グループのイズミヤと阪急オアシスの17店舗において、国産ハイブランド冷食「旬をすぐに」の販売を順次開始すると発表した。同社はこのところ冷食の販路拡大に関する発表を続けている。連日の株価急騰で過熱感が高まった状態にあるが、短期志向の資金流入が止まることはなく、21日も株価水準を一段と切り上げた。

■メニコン <7780>  1,353円 (+146円、+12.1%)

 東証プライムの上昇率2位。メニコン <7780> [東証P]が3日続急騰。同社は21日、コンタクトレンズのサブスクリプションサービスであるメルスプランなどの価格改定を発表。株価の支援材料となったようだ。価格改定は6月21日に実施する。メルスプランの月額費用のうち、「1DAYメニコン プレミオ」の両眼の場合、5940円から6270円に引き上げる。メニコン商品以外のコンタクトレンズを定額制で利用できるサービスも値上げを実施する。更に、販売用レンズ各種については7月1日出荷分より価格改定を行う。

■木徳神糧 <2700>  8,130円 (+720円、+9.7%)

 木徳神糧 <2700> [東証S]が3日続急伸。同社は21日、25年12月期の連結業績予想の上方修正を発表。配当予想も増額修正し、好感されたようだ。今期の売上高予想はこれまでの見通しから100億円増額して1650億円(前期比38.7%増)、最終利益予想は10億円増額して28億円(同62.5%増)に修正した。また、中間配当予想について、これまでの計画の30円に特別配当20円を加える形で50円に引き上げた。特別配当を含めた年間配当予想は150円(同20円増配)となる。取引先との価格交渉を通じ転嫁を進めた結果、収益がこれまでの見通しを上回る見込みとなった。

■フォースタ <7089>  1,080円 (+95円、+9.6%)

 フォースタートアップス <7089> [東証G]が8日続急伸。前週末18日取引終了後、集計中の25年3月期連結業績について、営業利益が従来予想の3億7000万円から4億5000万円(前の期比6.4%増)へ、純利益が2億6500万円から3億5000万円(同9.1%減)へ上振れして着地したようだと発表。これが材料視された。売上高は37億円の従来予想に対して36億9000万円(同8.0%増)とほぼ計画通りで着地したものの、全社的に生産性に対する意識を一層高め、コスト削減などを強力に推進したことが奏功した。また、オープンイノベーションサービスで3月に計上を見込んでいた一部費用が発生しなかったことなども寄与した。

■アイサンテク <4667>  1,433円 (+117円、+8.9%)

 アイサンテクノロジー <4667> [東証S]が急反発。日本経済新聞電子版が前週末18日、「政府は企業や自治体が無人のバスやタクシーの事業を展開しやすくするよう支援する」と報じた。レベル4の自動運転車を対象に全国10カ所で車両の調達や交通インフラの整備にかかる費用を補助するという。この報道が材料視されたようだ。自動運転向けに高精度3次元地図データを提供するダイナミックマッププラットフォーム <336A> [東証G]も高かった。

■ワッツ <2735>  740円 (+57円、+8.4%)

 ワッツ <2735> [東証S]が続急伸。またセリア <2782> [東証S]やキャンドゥ <2698> [東証S]など100円ショップを展開する銘柄が揃って上値追いが鮮明となった。外国為替市場で円高が進んでいたことから、仕入れコストの低減が利益率改善に結びつくとの見方が株価押し上げ要因となっていた。また、国内で物価高が進むなか、生活防衛の観点から100円ショップへの客足を誘導しており、これもテーマ買いの流れを後押ししていた。

■三井住友建設 <1821>  487円 (+32円、+7.0%)

 東証プライムの上昇率5位。三井住友建設 <1821> [東証P]が続急伸。旧村上ファンド系が大株主として名を連ねる同社は麻布台ヒルズ関連での損失計上で、昨年11月に損益予想を下方修正。その後、今年2月に最終赤字幅の縮小見通しを公表していた。チャート上では4月7日の安値375円から戻り歩調を続け、4月21日は朝方から堅調な動きとなり、年初来高値を更新したことで上昇に弾みをつけた。同日午後1時には25年3月期の連結業績に関し、55億円の最終赤字予想から一転して8億円の黒字(前の期は40億600万円の黒字)で着地したもようだと発表。過年度に計上した貸倒引当金の戻入による効果や、金融費用と為替差損の減少、更に海外子会社の売上高の増加などが寄与する。過熱感を意識した戻り売りをこなし、発表後の同社株は堅調に推移していた。

■関通 <9326>  337円 (+22円、+7.0%)

 関通 <9326> [東証G]が続急伸。同社は18日取引終了後、定款の一部を変更すると発表。「損害保険代理業」や「コンピューターシステムを利用した情報ネットワーク及びそのセキュリティーに関するコンサルティング、診断、性能評価及び監視サービス業務」などを事業目的に追加するとしており、これが材料視されたようだ。これは顧客サービスの向上及び事業領域の拡大を図るため保険代理店業を新たに開始することや、グループ会社における経営資源の有効活用と業務効率化のため管理部門業務の受託を行うことが背景。なお、定款変更のための株主総会開催日は5月29日を予定している。

■王子HD <3861>  659.6円 (+41.3円、+6.7%)

 東証プライムの上昇率6位。王子ホールディングス <3861> [東証P]が4日続急伸。同社は21日午後2時ごろ、中期経営計画2027の骨子を公表。28年3月期の連結営業利益目標を1200億円(25年3月期予想は700億円)としていることが評価されたようだ。これは次期中期経営計画の公表に先立つもので、詳細は5月30日に発表する予定。28年3月期の連結純利益目標は800億円(同570億円)に設定しており、事業戦略として「既存事業の収益力を強化し、資本効率の改善に重点を置いた経営で、将来の進化に向けた強固な収益基盤を構築する」ことを掲げている。

■TMN <5258>  267円 (+15円、+6.0%)

 トランザクション・メディア・ネットワークス <5258> [東証G]が3日続急伸。同社は18日、関越交通(群馬県渋川市)が運行する路線バスの一部で顔認証技術を用いた利用状況可視化の実証実験を行うと発表。これが買い手掛かりとなったようだ。この実証実験は、乗車口及び降車口付近にAIカメラを設置し、位置情報とあわせて乗降情報と属性情報をクラウド環境へ取得するもの。実施期間は4月24、25、28日の3日間だとしている。

■スターシーズ <3083>  784円 (+38円、+5.1%)

 スターシーズ <3083> [東証S]が続急伸。前週末18日取引終了後、26年2月期連結業績予想について売上高を60億円(前期比17.4%増)、営業損益を2億円(前期2億8200万円の赤字)と発表。営業損益は7期ぶりに黒字転換する見通し。更に、配当予想も年5円で復配する方針を示し、これらが評価され買われた。ブランド力と知名度の向上に向けてSNSなどでの情報発信を強化するとともに、オリジナル商品の開発や他社とのコラボ企画を進める。系統用蓄電池事業への参入など新規事業の開拓にも取り組む。なお、同時に発表した25年2月期決算は売上高が51億1000万円(前の期比7.6%減)、営業損益が2億8200万円の赤字(前の期1億300万円の赤字)だった。

■Aiロボ <247A>  4,485円 (+215円、+5.0%)

 Aiロボティクス <247A> [東証G]が3日ぶり急反発。同社は自社開発のAIシステム「SELL(セル)」を活用し、スキンケア商品や美容家電の企画・開発を行う。円高が急速に進むなか、内需の成長株に物色の矛先が向かっており、ここ数年来、売上高が毎期倍増ペースの成長を続ける同社株に注目が集まっていた。「Yunth(ユンス)」ブランドで展開する化粧品で主力の美白美容液が好評を博し需要開拓が加速しているほか、昨年2月に新規参入した美容家電も大幅な伸びで業績に寄与している。M&A戦略に長じており業容拡大加速に向けた思惑も物色人気を後押ししていた。25年3月期は売上高が前の期比98%増の140億円、営業利益は91%増の24億円を見込んでいる。

■北川鉄 <6317>  1,185円 (+53円、+4.7%)

 北川鉄工所 <6317> [東証S]が大幅高で3日続伸。前週末18日の取引終了後、配当方針の変更を発表。これまで同社は連結配当性向30%を目標としていたが、新たな方針では年間50円の安定配当を実施するとともに、利益に応じた段階的な配当性向による配当実施を目指す形とした。純利益が15億円以下の場合は50円を下限とし、15億円超35億円以下では50円を下限に配当性向30%を目標として還元する。35億円超50億円以下では配当性向35%、50億円超では配当性向40%を目標とする。配当の下限を設定したことが安心材料となったようだ。新たな方針は26年3月期から適用する。

■アドヴァンG <7463>  803円 (+30円、+3.9%)

 アドヴァングループ <7463> [東証S]が大幅高で3日続伸。前週末18日取引終了後、取得上限38万株(自己株式を除く発行済み株数の1.1%)、または3億円とする自社株買いの実施を発表した。期間は4月21日~7月18日。資本効率の向上と機動的な資本政策の遂行に加え、PBRの向上と株主還元の充実を目指すため。これが好感された。

■松屋フーズ <9887>  6,280円 (+190円、+3.1%)

 松屋フーズホールディングス <9887> [東証P]が大幅続伸。同社は前週末18日、価格改定の実施と深夜料金導入店舗の拡大について発表した。収益押し上げ効果を見込んだ買いを誘ったようだ。牛めしの並盛は430円から460円に値上げする。価格改定は22日午後3時に実施する。また、一部の店舗において午後10時から午前5時までに注文された商品の金額に、7%前後の深夜料金を加算する。

■ニトリHD <9843>  17,800円 (+500円、+2.9%)

 ニトリホールディングス <9843> [東証P]が続伸。足もと外国為替市場ではドル売り・円買いの動きが加速し、1ドル=141円台前半まで円高が進行していた。全体相場にはネガティブ材料ながら、同社のように円高に伴い仕入れコストの低減が見込まれる内需小売り関連には収益面で追い風となる。為替については今週に行われるG20財務相・中央銀行総裁会議において、ベッセント米財務長官と加藤財務大臣が会談する見通しで、これをにらんで投機的な円買いの動きもみられる状況となっていた。


※21日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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