前週末18日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

投稿:

材料

■中外薬 <4519>  8,328円 (+1,243円、+17.5%)

 東証プライムの上昇率トップ。中外製薬 <4519> [東証P]が5日続急騰。イーライ・リリー  は17日、経口肥満症治療薬として開発中の「オルフォルグリプロン」について、第3相臨床試験の結果を発表。注射剤であるGLP-1受容体作動薬と同様の安全性と有効性が示されたと発表した。「オルフォルグリプロン」は中外薬が創製しており、製品化と今後の収益貢献を見込んだ買い注文が集まったようだ。

■住友ファーマ <4506>  708円 (+100円、+16.5%) ストップ高

 東証プライムの上昇率2位。住友ファーマ <4506> [東証P]がストップ高。市場では「米イーライ・リリー  が前日の米国株市場で急騰しているが、これは経口肥満症治療薬として開発中の『オルフォルグリプロン』について、第3相臨床試験の結果が材料視されたもの。オルフォルグリプロンは中外製薬 <4519> [東証P]が創製していることから同社株にも人気が波及したが、その買われ方が想定を超えた。更に、最近は iPS細胞由来心筋細胞シートなどが大阪・関西万博などで脚光を浴びており、大口の投資マネーを誘導している。直近では、iPS細胞から肝臓のオルガノイドを作製することに大阪大の研究グループが成功したとの発表も加わり、物色人気が加速している。ただ、思惑買いが先行している状況」(中堅証券マーケットアナリスト)という。

■チヨダ <8185>  1,261円 (+164円、+15.0%)cc

 東証プライムの上昇率3位。チヨダ <8185> [東証P]が急反騰。18日午後1時30分ごろ、27年2月期を最終年度とする中期経営計画の目標数値について、売上高を従来計画の870億円から900億円(25年2月期918億3500万円)へ、営業利益を50億円から52億円(同21億9300万円)へ引き上げたことが好感された。25年2月期決算を踏まえて業績計画を見直したとしている。

■芝浦電子 <6957>  5,470円 (+700円、+14.7%) ストップ高

 芝浦電子 <6957> [東証S]がストップ高。同社に対してはミネベアミツミ <6479> [東証P]が10日、1株4500円でTOB(株式公開買い付け)を開始する予定だと発表。台湾の電子部品大手である国巨(ヤゲオ)のTOBに対抗し、事実上のホワイトナイト(友好的な買収者)として買収に踏み切った。一方のヤゲオは17日の取引終了後、芝浦電子に対するTOB価格を4300円から5400円に引き上げた。芝浦電子に対しては、ミネベアが更にこれを上回るTOB価格を提示するとの思惑が広がり、買い注文が集まった。芝浦電子はこれまでヤゲオのTOBに反対の意見を、ミネベアのTOBに賛同の意見表明を行っていた。芝浦電子は17日付のヤゲオの提案内容を踏まえ、企業価値や株主共同の利益を確保し、または向上させるかという観点から真摯な検討を行い、決定事項があれば速やかに公表する、とコメントしている。

■ビープラッツ <4381>  460円 (+53円、+13.0%)

 ビープラッツ <4381> [東証G]が続急騰。17日取引終了後、企業向け SaaSの一元管理サービス「サブかん」について、オリックス傘下で測定器やパソコン、サーバーなどのレンタルを手掛けるオリックス・レンテックとの間で販売パートナー契約を締結したと発表した。企業のIT機器やSaaSサービスの適正な一元管理、業務効率化を支援していくという。

■OKウェイヴ <3808>  58円 (+6円、+11.5%)

 オウケイウェイヴ <3808> [名証N]が4日ぶり急反騰。17日の取引終了後、GFA <8783> [東証S]と資本・業務提携すると発表しており、好材料視された。GFAを割当先とする377万3500株の第三者割当増資を実施するほか、GFAなどを割当先とする15万7265個(潜在株式数1572万6500株)の第24回新株予約権を実施する。調達資金10億2435万円は内部管理体制の整備のため及び単月黒字化までの運転資金や外部借入金の返済資金、事業開発などに必要な資金に充てられる。

■プログリット <9560>  1,050円 (+100円、+10.5%)

 プログリット <9560> [東証G]が8日ぶり急反騰。17日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を35万株(発行済み株数の2.77%)、または3億円としており、取得期間は4月18日から6月30日まで。資本効率の向上及び事業環境の変化に対応した柔軟な資本政策を実施するためとしている。

■昭和真空 <6384>  1,396円 (+130円、+10.3%)

 昭和真空 <6384> [東証S]が急反騰。17日の取引終了後、集計中の25年3月期連結業績について、営業利益が従来予想の4億6600万円から7億3500万円(前の期比3.8倍)へ、純利益が2億9700万円から5億2900万円(同3.2倍)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。売上高は、顧客事情などにより一部案件が今期以降の計上となったため、86億6200万円から85億2500万円(同14.2%増)へ下振れたものの、好調な受注を背景に下期以降の生産の稼働率が上がり安定して推移したことや、効率的な生産努力などにより想定以上に原価低減が実現できたこと、更には固定費削減に努めたことなどが寄与し利益を押し上げたとしている。

■ABEJA <5574>  2,570円 (+225円、+9.6%)

 ABEJA <5574> [東証G]が続急伸。同社は独自開発のAIプラットフォームを活用し企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みを支援する事業を展開しており、足もとの業績はLLM(大規模言語モデル)案件が増勢となるなかで好調な伸びを示している。そうしたなか、17日取引終了後に7Bの小型LLM「ABEJA Qwen2.5―7B Model」が同規模LLMにおける最高水準の精度に到達したことを発表した。また、LLMを用いた小型リーズニングモデル「ABEJA QwQ―32B Reasoning Model」を開発し、汎用的な言語性能を評価するベンチマークである「MTBench」において米オープンAIの「GPT―4o」の性能を上回ったと発表した。これを材料視する形で上値を見込んだ投資資金が流入した。

■坪田ラボ <4890>  379円 (+30円、+8.6%)

 坪田ラボ <4890> [東証G]が急伸。同社は17日取引終了後、ロート製薬 <4527> [東証P]と共同開発中の近視患者を対象とした「TLM-003」について、ロートが国内第2相試験を開始したことを明らかにしており、これが材料視されたようだ。近視人口が急増しているうえ、高度近視は失明につながる疾患リスクを高めるため、安全性・有効性の高い近視進行抑制薬が求められている。TLM-003は、強膜菲薄化(目にある強膜が薄くなること)を抑制することにより、眼軸長の伸長を抑え、近視進行を抑制する効果が期待されている。

■中外炉 <1964>  3,490円 (+275円、+8.6%)

 中外炉工業 <1964> [東証P]が急反発。18日午後1時、25年3月期の業績に関し、最終利益が従来予想の23億円から29億9500億円(前の期比36.3%増)に上振れして着地したようだと発表。これを好感した買いが入ったようだ。収益性の高い案件の受注が増加し、原価改善効果も出た。25年3月期の売上高は、計画を13億6000万円下回る362億4000万円(同23.9%増)で着地する格好となったという。部材の納期の長期化などを要因に工事進捗に遅れが発生した。

■リベルタ <4935>  1,332円 (+100円、+8.1%)

 リベルタ <4935> [東証S]が3日続急伸。18日午後1時ごろ、冷感アイテムブランド「クーリスト」が、シリーズ累計販売個数200万個を突破したと発表しており、好材料視された。「クーリスト」シリーズは、ドライヤータイムを快適に過ごせる「スカルプクーラー」から始まり、塗るネッククーラー「アセダレーヌ」、お風呂上がりを快適に過ごせる「インバスボディクーラー」など現在では8アイテムを展開している。取扱店も増加しており、今年からは新たにコンビニエンスストアでも取り扱いを開始するとしている。

■マテリアルG <156A>  621円 (+44円、+7.6%)

 マテリアルグループ <156A> [東証G]が続急伸。17日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を40万株(発行済み株数の4.05%)、または2億6000万円としており、取得期間は4月18日から5月23日まで。経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行と株主還元の充実を図ることが目的という。

■フィルC <3267>  770円 (+54円、+7.5%)

 フィル・カンパニー <3267> [東証S]が続急伸。同社は17日取引終了後、三十三フィナンシャルグループ <7322> [東証P]傘下の三十三銀行とビジネスマッチング契約を締結したと発表しており、これが材料視されたようだ。この提携を通じて同社は、三十三銀行の顧客である土地オーナーに対し、自社グループが提供する空中店舗「フィル・パーク」やガレージ付き賃貸住宅「プレミアムガレージハウス」などの空間ソリューションの企画提案を行い、土地の有効活用を促進することで地域活性化につなげるとしている。

■エコモット <3987>  430円 (+28円、+7.0%)

 エコモット <3987> [東証G]が3日ぶり急反発。今週15日にマドを開けてストップ高に買われた後利食われ前日まで2日続落となっていたが、改めて買い直される展開となった。IoTソリューションの企画やこれに付随する端末製造、通信インフラ、アプリケーション開発などを行うが、17日取引終了後、同社の看板技術の一つである配筋検査ARシステム「BAIAS」が国土交通省からNETIS(新技術情報提供システム)の活用促進技術に選定されたことを発表、これが株価を刺激する材料となった。会社側ではこれに伴い今後、公共工事での活用促進と活用者へのインセンティブ付与によって更なる普及が期待されるとしている。

※18日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

オンラインで簡単。
まずは無料で口座開設

松井証券ならオンラインで申し込みが完結します。
署名・捺印・書類の郵送は不要です。