株価指数先物【寄り前】 -2σ水準での攻防を想定

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先物

大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 33440 -1200 (-3.46%)
TOPIX先物 2433.0 -109.5 (-4.30%) 
シカゴ日経平均先物 33400 -1240
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 10日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。米政権は中国の輸入品に対して125%の追加関税を、合成麻薬フェンタニルの流入を理由に課している20%の関税と合わせて税率が145%になると明らかにした。これに対して中国は関税戦争に最後まで応じるとの見解を示しており、米国に譲歩しない姿勢を維持している。米中貿易摩擦の激化が世界経済に影響を与えるとの警戒感から幅広い銘柄に売りが出て、NYダウの下落幅は2000ドルを超える場面もあった。

 S&P500業種別指数は、家庭用品・パーソナル用品、食品・生活必需品小売、電気通信サービスが上昇した一方で、自動車・同部品、半導体・同製造装置、エネルギー、耐久消費財・アパレル、メディアの弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、ユナイテッドヘルス・グループ、ベライゾン・コミュニケーションズ、コカ・コーラ、ウォルマートが買われた。半面、ナイキ、シェブロン、ウォルト・ディズニー、エヌビディア、アメリカン・エキスプレスが下落。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比1240円安の3万3400円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中比390円安の3万4250円で始まり、直後につけた3万4260円を高値にショート優勢の流れが続き、米国市場の取引開始後には3万2470円まで売られる場面もみられた。売り一巡後は終盤にかけてショートカバーが入り、3万3440円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まることになりそうだ。前日は2810円高と大幅に上昇したこともあり、反動安はある程度想定されていた面はあるだろう。米中貿易摩擦が警戒されるものの、報復しない国・地域に関税を90日間停止しているため、この間に各国の政府間協議による交渉が進められると考えられ、協議の進展への期待からショートは仕掛けづらくなる。

 日経225先物はボリンジャーバンドの-1σ(3万3980円)をキープできなかったが、-2σ(3万2120円)を支持線とした底堅さは意識されてきそうだ。-1σ接近では戻り待ち狙いのショートが入りやすいと考えられるが、3万3000円に接近する局面においては、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。そのため、オプション権利行使価格の3万3000円から3万4000円でのレンジを想定する。

 また、週足の-2σは3万3600円で推移している。昨年8月の急落局面と同様、-3σ割れから下ヒゲを残す形をみせているため、終値で同水準を上回ってくるようだと、チャート上では目先底が意識されてくる可能性があるとみておきたい。

 10日の米VIX指数は40.72(9日は33.62)に上昇した。一時54.87まで上昇する場面もあったが、その後は上げ幅を縮めている。今週は30~60での荒い値動きを続けるなかで楽観視はできないが、4月7日につけた60.13をピークに上値は徐々に切り下がっているため、リスク回避の動きはそれほど強まらないだろう。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で13.62倍に上昇した。25日移動平均線(13.57倍)を上回って始まり、その後13.47倍に低下する場面もみられたが、前場終盤にかけて再びNTロングに振れる形となった。1月23日の高値14.54倍から4月1日の安値13.32倍までの下げに対するリバランスが意識されやすく、25日線を割り込む局面においては、その後のリバランスを狙ったNTロングに向かわせそうだ。

株探ニュース

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