ダウ平均が急騰 トランプ大統領が90日間の関税一時停止 マグ7も急反発=米国株概況
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NY株式9日(NY時間16:21)(日本時間05:21) ダウ平均 40608.45(+2962.86 +7.87%) S&P500 5456.90(+474.13 +9.52%) ナスダック 17124.97(+1857.06 +12.16%) CME日経平均先物 35050(大証終比:+3220 +9.24%) きょうのNY株式市場、ダウ平均は一時3100ドル超の急騰し、ナスダックは12%高と、こちらも2桁の急騰となった。午後になってトランプ大統領が、米国に対して報復措置を講じていない国・地域に対して、90日間の関税一時停止を承認したことを明らかにしたことで、懸念が一気に後退。ショートカバーが断続的に出て株価は急騰した。 これまで下げを先導してきたマグニフィセント7も買戻しが強まり、アルファベット<GOOG>を除く6銘柄は2桁の上げを記録。 米大手証券のエコノミストは、トランプ大統領が発表した相互関税一時停止措置を受け、米経済のリセッション(景気後退)予測を一旦撤回。同エコノミストは、「トランプ大統領の発表前の時点では、先に発効した相互関税を受けてリセッションを基本シナリオとする予測に切り替えていた」と説明。「現在は、それ以前のリセッションなしという基本シナリオに戻している」と記した。 一方、大統領は、中国には104%の関税を125%に引き上げ、即時実施すると発表。明日以降、中国は本日、対米関税を84%に引き上げていたが、さらに報復措置を強化してくるか注目される。 ウォール街の不安をさらに助長していた事象に、米国債の異常な下落(利回り上昇)がある。米10年債利回りは本日も上昇したが、トランプ大統領の発表で、利回りは上げ幅を急速に縮小していた。インフレ警戒なのか、それとも中国など各国から米国債離れが出ているのかは不明。それについてベッセント財務長官は「正常なデレバレッジ」だと述べていた。 本日はFOMC議事録が公表されていたが、インフレの長期化に言及しており、FRBの慎重な利下げ姿勢に変化はなく、本日のトランプ大統領の発表で市場の利下げ期待は後退している。 いずれにしろ、今回の発表でひとまず不安定な状態は収まりそうな気配も出ているが、明日以降も安定が続くか注目される。 石炭のピーボディ・エナジー<BTU>が大幅高。トランプ大統領が米国での石炭採掘と利用拡大に向けた大統領令に署名したことが好感されている。 安全性テスト用品メーカーのネオゲン<NEOG>が決算を受け大幅安。1株利益、売上高とも予想を下回った。通期のガイダンスも公表し、売上高およびEBITDAの見通しを下方修正している。 くら寿司USA<KRUS>が決算を受け急伸。個人消費へへの警戒感が出る中、通期の見通しを再確認したことに安心感が広がった模様。 ピーボディ・エナジー<BTU> 12.26(+1.00 +8.88%) ネオゲン<NEOG> 5.02(-2.02 -28.69%) くら寿司USA<KRUS> 54.57(+13.11 +31.62%) アップル<AAPL> 198.85(+26.43 +15.33%) マイクロソフト<MSFT> 390.49(+35.93 +10.13%) アマゾン<AMZN> 191.10(+20.44 +11.98%) アルファベットC<GOOG> 161.06(+14.48 +9.88%) テスラ<TSLA> 272.10(+50.24 +22.64%) メタ<META> 585.77(+75.32 +14.76%) AMD<AMD> 96.84(+18.63 +23.82%) エヌビディア<NVDA> 114.33(+18.03 +18.72%) イーライリリー<LLY> 753.71(+27.47 +3.78%) MINKABU PRESS編集部 野沢卓美