話題株ピックアップ【夕刊】(1):クオリプス、パルHD、ロート

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材料

■クオリプス <4894>  8,950円   +1,500 円 (+20.1%) ストップ高   本日終値
 クオリプス<4894>はストップ高。大阪大学発のバイオベンチャーで、ヒトiPS細胞由来の細胞シートなど再生医療製品の開発などを手掛ける。8日取引終了後、同社は厚生労働省に虚血性心筋症による重症心不全を適応としたヒト(同種)iPS細胞由来心筋細胞シートの製造販売承認申請を行ったことを発表、これを材料視する買いが集中した。株価は前日に12%強の大幅高で切り返し、25日移動平均線の上に再浮上したが、きょうはマドを開けて上放れる格好となった。

■サトウ食品 <2923>  7,180円   +410 円 (+6.1%)  本日終値
 サトウ食品<2923>が続伸。8日の取引終了後、25年4月期の連結業績予想について、売上高を450億円から462億円(前期比8.5%増)へ、営業利益を21億円から27億7000万円(同4.3%増)へ、純利益を17億1000万円から21億2000万円(同7.6%減)へ上方修正し、減益予想から一転して営業増益としたことが好感された。時短・簡便といったニーズの高まりとコメ価格高騰を背景に、パックごはんや包装餅といった即食性のある商品の利用機会が拡大し、販売金額と販売数量が増加したことが要因。また、その他原材料費及び物流費の高騰を受け、価格改定を実施したことも寄与する。同時に、期末一括配当予想を60円から70円(前期60円)へ引き上げた。普通配当を5円増額するとともに、25年4月に創業75周年を迎えたことを記念して5円の記念配当を実施する。

■パルHD <2726>  3,545円   +200 円 (+6.0%)  本日終値  東証プライム 上昇率2位
 パルグループホールディングス<2726>が続急伸。8日の取引終了後に発表した26年2月期の連結業績予想で、売上高2310億円(前期比11.2%増)、営業利益264億円(同11.6%増)、純利益168億5000万円(同42.2%増)と2ケタ増収増益を見込むことが好感された。前年のM&Aにより、「レイ・カズン」「w closet」「ノーリーズ」の3つのブランドがグループに新たに加わったことで売上高・利益の両面で貢献が期待できるほか、前年に発生したサーバートラブルに伴う販売機会ロスの反動増も売上高を押し上げる見通し。また、為替相場の落ち着きや販管費抑制効果の継続も寄与するとしている。なお、25年2月期決算は、売上高2078億2500万円(前の期比7.9%増)、営業利益236億5600万円(同27.1%増)、純利益118億4800万円(同7.8%減)だった。サーバートラブルによる仕入れ抑制の影響があったものの、雑貨事業で「3コインズ」が引き続き好調に推移した。なお、最終利益は創業者退任に伴う特別功労金31億5800万円を特別損失として引当計上したことが響き減益となった。

■ロート製薬 <4527>  2,266.5円   +106.5 円 (+4.9%)  本日終値  東証プライム 上昇率4位
 ロート製薬<4527>が急伸。英投資ファンドのアセット・バリュー・インベスターズが8日、ロートに対し、中核事業への集中などに向け株主とより建設的な対話を求めるためのキャンペーンを開始すると発表した。不振の再生医療事業への投資が株主価値の重荷となり、主力のアイケアや化粧品事業は大きな潜在的価値を持つにもかかわらず、ロート全体の本質的価値を実現するポテンシャルを制限していると懸念を表明している。英ファンド側との対話を通じ、ロートの企業価値が向上するとの思惑から、買いを誘ったようだ。

■レック <7874>  1,144円   +48 円 (+4.4%)  本日終値  東証プライム 上昇率6位
 レック<7874>が全体相場に逆行し大幅高。家庭用の日用雑貨や衛生用品などの製造を行い主に100円ショップ向けで実績を上げている。全体相場は米関税政策が与えるグローバル経済への影響を懸念し、輸出セクター中心に売りがかさんでいるが、関税の影響を受けない内需株の一角に買いが向かっており、特に「生活防衛関連株」が物色対象として投資資金の有力なシフト先となっている。同社株のほか、100円ショップを展開するセリア<2782>なども物色されている。足もとで進む円高も仕入れコストの低減につながりポジティブ材料として作用している。

■アストロHD <186A>  624円   +26 円 (+4.4%)  本日終値
 アストロスケールホールディングス<186A>が続伸。8日の取引終了後、米子会社が米国宇宙軍から受注したAPS-Rプロジェクトに関して、変更契約を新たに締結し、受注金額が再度増額したと発表したことが好感された。受注金額は、従来の2940万ドルから4120万ドルに増額した。APS-Rは当初、軌道上で衛星に燃料補給を実施する衛星のプロトタイプの開発を行うプロジェクトとして、23年9月に米国宇宙軍より受注。今回の変更は、燃料補給衛星APS-Rを全面的なミッション開発と運用実証に移行させるためのもので、静止軌道で2回の燃料補給活動を実施する。これにより衛星の動的運用(自由な移動)のための機動性と運用の柔軟性を高めることで、新たな可能性を切り開くという。

■フジHD <4676>  2,995.5円   +110 円 (+3.8%)  本日終値  東証プライム 上昇率10位
 フジ・メディア・ホールディングス<4676>が大幅高。アクティビストとして知られる村上世彰氏の長女である野村絢氏が、フジHDの筆頭株主に浮上したもようであることが8日の取引終了後に明らかとなり、思惑視されたようだ。同日にレノ(東京都渋谷区)が提出した変更報告書(報告義務発生日4月1日)によると、野村絢氏の保有割合は7.52%から8.74%に上昇した。昨年9月末の東宝<9602>の保有割合(7.93%)を上回り、信託銀行保有分を除いたベースでトップとなったとみられている。保有目的は「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」としている。

■JR西日本 <9021>  2,905円   +51.5 円 (+1.8%)  本日終値
 JR西日本<9021>が続伸。トランプ米政権の相互関税政策で世界経済の不確実性が高まるなか、ディフェンシブ銘柄へ資金をシフトする動きが強まっており、代表格として鉄道株への関心が上昇。なかでも大阪・関西万博で人の動きが活発化し、それによる業績への貢献が期待できる同社の物色人気が高いようだ。

■マックスバリュ東海 <8198>  2,955円   +36 円 (+1.2%)  本日終値
 マックスバリュ東海<8198>がしっかり。8日の取引終了後に発表した3月度の月次売上高速報で、既存店売上高が前年同月比2.6%増と5カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。買い上げ点数は苦戦したものの、客数、客単価、1品単価がいずれも前年を上回った。

■ディスコ <6146>  24,420円   -2,170 円 (-8.2%)  本日終値
 ディスコ<6146>が反落。前日の米国株市場では主要株価指数が揃って下落し、エヌビディアをはじめ半導体セクターも総じて下落、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は3.6%安と前日にリバウンドした上げ幅よりも大きな下げとなった。これを受けて東京市場でも半導体製造装置関連株に戻り売り圧力が改めて意識される状況となっている。そのなかディスコは25年3月期の連結営業利益について前の期比3割増の1650億円程度と5期連続過去最高を更新したもようと日本経済新聞が伝えたが、トランプ米政権の関税引き上げを背景とした世界経済の不透明感が強まるなか、先行き業績に対する警戒感から買いのニーズは限定的となっている。





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