午後:債券サマリー 先物は反発、現物債との連動性薄れ乱高下 長期金利一時1.355%に上昇
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9日の債券市場で、先物中心限月6月限は反発した。トランプ米政権による相互関税が日本時間同日午後1時1分に発動した。世界経済に打撃をもたらすとの警戒感が広がった一方で、時間外取引で米金利が急上昇(債券価格が急低下)し、円債市場での長期債、超長期債の利回りに強い上昇圧力を掛けた。先物と現物債の連動性が薄れ、相場は乱高下した。 先物は午前中に141円56銭まで買われたが、この日実施された日銀の国債買い入れオペのうち、中期債ゾーンの「残存期間1年超3年以下」の応札倍率が4.69倍、超長期ゾーンの「同10年超25年以下」は3.71倍とともに高い水準となり、債券の保有ニーズの乏しさが示唆された。日銀オペの結果公表後の午後に先物は一時140円25銭まで急落。日中値幅は1円31銭となった。 直近で米長期金利は急ピッチな上昇をみせていたが、時間外取引では4.5%台に乗せる場面があった。一部で中国による米国債の売り観測が出ている。米国で予定されている国債入札を巡る警戒感も強く、円債市場ではきょう午前の段階で超長期債金利が急上昇していた。 午後の取引時間中には、日本の財務省と金融庁、日銀が午後4時から国際金融資本市場に関する情報交換会合を開催すると伝わった。先物に対してはショートカバーが入り、再びプラス圏に浮上した。 先物6月限は前営業日比30銭高の141円34銭で取引を終えた。新発10年債利回り(長期金利)は午後3時過ぎ時点では1.270%で推移。1.250%に低下した後、一時1.355%に急上昇する場面があった。新発40年債利回りは一時3.170%に上昇し、過去最高を記録した。 出所:MINKABU PRESS