話題株ピックアップ【夕刊】(1):フジクラ、日製鋼、アドテスト

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■フジクラ <5803>  4,293円   +700 円 (+19.5%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率4位
 フジクラ<5803>が急速人気化。前日まで2営業日連続のストップ安を含め3営業日続落し、この間に1760円も水準を切り下げていたが、きょうはその反動から空売り買い戻しや、突っ込み狙いの押し目買いに拍車がかかった。データセンター関連の有力株として人気化し、株価は昨年2月を起点に約1年間にわたる大相場を形成していた。今年2月13日には7620円の上場来高値をつけたが、その後は米国でAI用半導体やデータセンター関連株が軒並み崩れ足となったことで、同社株もそれに追随して大幅な調整を余儀なくされていた。データセンター投資の減速を背景に今期業績が停滞することへの懸念はあるものの、前日の米国株市場で半導体周辺株が軒並み切り返したことを受け、同社株にも水準訂正を狙った短期資金が集中した格好だ。

■日本製鋼所 <5631>  4,566円   +700 円 (+18.1%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率6位
 日本製鋼所<5631>とシンフォニア テクノロジー<6507>がストップ高の水準に買われた。8日の東京市場では日経平均株価が急反発した。3月26日のザラ場高値3万8220円から4月7日のザラ場安値3万792円まで7400円あまり下落し、特に7日の下落幅は史上3番目の大きさとなるなど、ショック安商状を呈していた。日製鋼をはじめとする防衛関連株も急落を余儀なくされたが、「トランプ2.0」で揺れる世界情勢のなかにあっても、国内では防衛関連予算を増額する流れ自体が変わることは見込みにくく、全体相場の急落が一服した8日に入ると、業績面で盤石な投資対象として押し目待ちの資金が流入したようだ。豊和工業<6203>も一時ストップ高。三菱重工業<7011>や川崎重工業<7012>、IHI<7013>の重工大手3社は10%を超す上昇となっている。

■グッドコムアセット <3475>  1,055円   +140 円 (+15.3%) 一時ストップ高   本日終値
 グッドコムアセット<3475>が急反騰、前日は全体相場が暴落するなかリスク回避の流れに抗せずマイナス圏で引けたが、途中上昇する場面もあるなど強さを発揮していた。きょうは相場環境が改善するなか、一気に上値追いを加速しフシ目の1000円大台ラインを突破、年初来高値に買われた。投資用新築マンションの企画・開発・販売・管理まで一気通貫で手掛け東京23区を中心に「GENOVIA(ジェノヴィア)」ブランドで高水準の需要を獲得している。24年10月期に営業利益が前の期比2.5倍と変貌を、続く25年10月期も営業増益基調を維持する見通し。PER8倍前後で高配当利回りが魅力。直近では福証への重複上場記念優待(デジタルギフト贈呈)を発表したことで注目度を高めた。トランプ関税の影響を受けにくい不動産セクターの成長株として人気に拍車がかかっている。

■エン・ジャパン <4849>  1,632円   +215 円 (+15.2%)  本日終値
 エン・ジャパン<4849>が急反騰。実質4月相場入りとなった3月28日以降は上昇した日がなく、前日は9%近い下落に見舞われたが、満を持して切り返す動きとなっている。求人情報サイトの運営及び人材紹介ビジネスを展開する。株主還元に積極的で、株価下落もあって配当利回りは直近で4.9%台と高い。そうしたなか、香港を拠点とするアクティビストファンドのオアシス・マネジメントが7日付で提出した大量保有報告書によると、オアシスのエンジャパン株式保有比率が5.93%と、新たに5%を超えたことが分かった。保有目的は「ポートフォリオ投資および重要提案行為」としており、株価の先高期待につながっている。

■めぶきFG <7167>  599.5円   +72.6 円 (+13.8%)  本日終値
 めぶきフィナンシャルグループ<7167>は急反発。7日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を4500万株(発行済み株数の4.57%)、または230億円としており、取得期間は4月8日から6月20日まで。株主還元の充実並びに資本効率の向上を目的としており、うち2500万株を8日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)により取得するとした。なお、8日朝のToSTNeT-3により、うち2344万8400株を取得している。

■ウェザーニューズ <4825>  3,255円   +362 円 (+12.5%)  本日終値
 ウェザーニューズ<4825>が急反騰。7日の取引終了後に25年5月期の連結業績予想について、営業利益を38億円から42億円(前期比28.4%増)へ上方修正したことが好感された。航海気象事業や陸上気象事業が牽引役となり売上高は計画通りの235億円(同5.7%増)となる見通し。一方の利益面では、AIなどを用いた運営モデルのシステム化の推進が想定より順調に進捗し、特にBtoB事業で運営品質維持に必要な人員数の増加が抑えられたことで利益率が改善する。なお、同時に発表した第3四半期累計(24年6月~25年2月)決算は、売上高174億2800万円(前年同期比4.6%増)、営業利益31億3700万円(同37.1%増)だった。

■アドバンテスト <6857>  5,629円   +595 円 (+11.8%)  本日終値
 アドバンテスト<6857>、ディスコ<6146>など半導体製造装置関連が一斉に切り返す展開。ここにきて下げが加速する状況にあったが、足もとで売り一巡感が出ており、空売り筋の買い戻しや目先リバウンドを狙った押し目買いが入っている。前日の米国株市場ではハイテク株が底堅さを発揮し、特に半導体セクターへのショートカバーが観測された。エヌビディアが朝安から切り返し大陽線を形成したほか、マイクロン・テクノロジーなども切り返し、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も3日ぶりに反発した。これを受けて東京市場でも同セクターの主力銘柄を中心にリスクを取る動きが再燃している。もっとも上値では戻り売り圧力も強く、買い一巡後の動きが注目される。

■三菱UFJ <8306>  1,658円   +162.5 円 (+10.9%)  本日終値
 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>やみずほフィナンシャルグループ<8411>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>が急反発。7日に米長期金利は4.18%に上昇した。トランプ米政権の関税政策が世界経済に打撃をもたらすとの見方から、質への逃避的な買いが米国債に入り、世界的にも債券価格に上昇圧力(金利に低下圧力)が掛かっていたが、中国が米国債の売却に動いているとの観測が広がった。米金利の低下が一服したことに加え、日米間の関税交渉を巡り、米国側はベッセント財務長官が交渉のテーブルに着くこととなった。通貨安誘導政策に厳しい姿勢を示してきたベッセント氏とあって、日銀が円安是正のために追加利上げに向けて圧力を受けるシナリオも意識されているようだ。これらが銀行株のショートカバーを誘発する形となったとみられている。

■コジマ <7513>  1,019円   +99 円 (+10.8%)  本日終値
 コジマ<7513>が急反発。7日の取引終了後、25年8月期単独業績予想について、売上高を2753億円から2787億円(前期比3.3%増)へ、営業利益を64億円から75億5000万円(同18.7%増)へ、純利益を42億円から51億5000万円(同28.7%増)へ上方修正したことが好感された。上期に主にスマートフォンの販売が好調に推移したことや、エアコンなどの季節家電が気温低下の影響により好調に推移したことに加えて、下期から実施する創業70周年記念セールなどの効果を見込むことが要因。また、継続して販売費のコントロールや水道光熱費の削減に努めることも寄与する。

■薬王堂ホールディングス <7679>  1,770円   +134 円 (+8.2%)  本日終値
 薬王堂ホールディングス<7679>が8営業日ぶりに反発。同社は7日取引終了後、26年2月期通期の連結業績予想を公表。営業利益の見通しを前期比4.9%増の57億5000万円としていることや、期末一括配当計画を前期比1円増配の29円としていることが買い手掛かりとなったようだ。売上高は同10.7%増の1682億円を見込む。基盤となる東北エリアに加えて関東への出店を進めるとともに、データサイエンスや人工知能(AI)活用などの新たな取り組みに積極的に挑戦することで、組織全体の競争力を高めるとしている。また、同時に3月度の月次速報を発表。客数や客単価が増加したことなどから、既存店売上高は前年同月比6.5%増となった。





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