春迎え活躍機会が到来、需要急増「害虫防除」関連株でリベンジマッチ! <株探トップ特集>
投稿:
―業績堅調な殺虫剤大手2社、駆除サービス手掛けるドーナツチェーン運営企業なども― ゼンショーホールディングス <7550> [東証P]傘下の牛丼チェーン大手「すき家」で害虫などの異物混入が相次いだ。同社は全国にある約1900のすべての店舗(一部除く)を一斉休業して再発防止策を講じることを決定し、現在実施中だ。今後の続報が待たれる。ポジティブな事柄、ネガティブな事柄にかかわらず、株式市場では社会的に関心を集める出来事が起きると、そこから生じ得るシナリオをさまざま想定し、実際の投資行動に結びつけることが多々ある。今回の事案を起点に発想を広げた時、まず真っ先に思い浮かぶテーマは「害虫防除」だろう。 ●被害相談、全体減少傾向のなか急増するものは すき家は3月22日、鳥取南吉方店で提供したみそ汁にネズミが混入していたと発表した。事案が発生したのは1月21日。更に3月29日、今度は東京の昭島駅南店で28日に提供した商品に害虫が混入していたことが判明したと発表。会社側は混入事案が立て続けに起きたことを受け、3月31日午前9時~4月4日午前9時の間、ショッピングセンター内などの一部店舗を除く全店舗を一時閉店するとした。害虫・害獣の「外部侵入」と「内部生息発生撲滅」のための対策を行うという。 異物混入事案は折に触れ耳にする。外食大手トリドールホールディングス <3397> [東証P]で2023年に当時新発売した商品で事案が発生し、一時販売中止となったことがある。同年にはコンビニ向け食品メーカーのわらべや日洋ホールディングス <2918> [東証P]でも混入事案があり、一部商品の自主回収が行われた。こうした事態は企業の信用問題に直結し、業績に影響を及ぼす恐れがあるだけに株式市場は神経質に反応しやすい。トリドールの株価は事案発表前後で約4%(23年5月23~24日)、わらべ日洋は8%超(23年8月7日)下落する場面があった。今回のゼンショHDの場合、最初の事案発表後の24日に一時7%超安に。更に、その後の事態を受けて一段と売り込まれる場面があった。 ここで一つ、害虫に関するデータをみてみたい。東京都保健医療局の「ねずみ・衛生害虫等被害発生・相談件数」(14~23年度)によると、全体の件数は3万2000件前後から2万8000件前後へと年を追うごとに減っており、カテゴリー別ではシラミを含む「吸血昆虫」、蛾などの「接触昆虫」の減少が顕著。ゴキブリを含む「細菌付着昆虫」も減少傾向にある。一方、増加が目立つのが「ネズミ類」だ。6000件台後半の時期が続いた後、コロナ禍の21年度に5954件まで減少したが、22年度に6399件、23年度に7726件と急増。飲食店の営業制限が緩和されるなど経済再開が進み始めた時期と重なる。 ●ネズミの本能に作用、対策製品さまざま 異物混入を巡るニュースが取り沙汰されたことで、衛生管理を改めて徹底する動きは各所で広がるだろう。4月に入り本格的な春を迎えようとしている。害虫被害が増え始めるタイミングであり、企業だけでなく個人においても対策は重要だ。 まずは 殺虫剤メーカーから、業界大手のアース製薬 <4985> [東証P]をマークしたい。ゴキブリからハエ、蚊、ムカデ、ダニ、トコジラミまで、あらゆる害虫に対応した製品を手掛ける。「ネズミホイホイ」をはじめとするネズミ駆除製品も提供。また、工場や病院向けに異物混入対策を行う衛生管理サービスも展開する。同社の収益は需要最盛期の春先~夏の時期に集中しやすいが、近年では残暑により販売期間が長期化する傾向にある。25年12月期は増収・営業増益の確保を目指す。価格改定や東南アジア事業の成長、「バスクリン」を含む日用品部門の貢献を見込む。 同じく大手のフマキラー <4998> [東証S]も多様な製品群を持ち、ネズミ対策向けでは「ドラ」シリーズを販売。一般的な毒エサに耐性があるスーパーラットに効くもの、ネズミを群れごと退治するもの、ネズミの本能に作用する成分で追い出すものなど、さまざまなタイプの商品を取りそろえる。また、飲食店や工場など業務用の害虫対策製品も展開する。25年3月期は営業2ケタ増益と成長継続を予想。同社にも残暑効果が寄与する。通期決算発表の5月に向けて株価が業績期待を織り込む展開も想定される。 殺虫剤を手掛ける企業にはもちろん、三井化学 <4183> [東証P]、住友化学 <4005> [東証P]といった化学メーカー大手各社も含まれる。また、日用雑貨メーカーのレック <7874> [東証P]にも注目。同社は殺虫剤ブランド「バルサン」を手掛ける。同ブランドは生みの親の中外製薬 <4519> [東証P]からライオン <4912> [東証P]に引き継がれた後、18年からレックのもとで販売されている。 ●業者紹介サイト、撃退システムも 害虫駆除サービスを手掛ける企業も見逃せない。この分野では清掃大手のダスキン <4665> [東証P]が挙げられる。清掃用品のレンタル・販売からハウスクリーニング、家事代行まで幅広く手掛け、ドーナツチェーン「ミスタードーナツ」を運営していることでも知られる。虫やネズミに対応した害虫獣駆除サービスを提供しており、全国にある拠点網を生かし、知識と経験を持つスタッフが調査から実際の駆除作業、アフターフォローまで一気通貫で対応する。ダスキン代理店最大手のナック <9788> [東証P]とともにマークしたい。 飲食店が自ら手掛けているケースもある。居酒屋を運営する大庄 <9979> [東証S]は子会社のアサヒビジネスプロデュースで飲食店やオフィス、工場などに向けた害虫防除・除菌抗菌消臭事業を展開する。シロアリ防除大手のアサンテ <6073> [東証P]、祖業のシロアリ防除から太陽光発電など環境関連事業にシフトしているサニックスホールディングス <4651> [東証S]も各種駆除サービスを提供する。 上記以外で害虫防除に絡む銘柄としては、暮らしの困りごとを解決するサイト「生活110番」を運営するシェアリングテクノロジー <3989> [東証G]がある。同サイトで駆除業者の紹介を行っている。ポータルサイト運営のココナラ <4176> [東証G]、ジモティー <7082> [東証G]でもサイト内で業者紹介の案件を掲載している。このほか、超音波と衝撃波を使ったネズミ撃退システムを手掛けるエス・サイエンス <5721> [東証S]も挙げられる。 株探ニュース