話題株ピックアップ【夕刊】(2):南海電、ソフトバンクG、T&D

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■南海電気鉄道 <9044>  2,456.5円   +6 円 (+0.2%)  本日終値
 南海電気鉄道<9044>が3日ぶりに反発。3月31日の取引終了後、25年3月期の連結業績予想について、営業利益を327億円から340億円(前の期比10.3%増)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を17円50銭から22円50銭(年40円)へ引き上げたことが好感された。鉄道事業が好調に推移し輸送人員が増加した一方、ビル管理メンテナンス業における減収などで売上高は2624億円から2610億円(同8.0%増)へ下方修正したが、鉄道事業やバス事業の堅調が利益を押し上げる。なお、純利益は税金費用の増加などで212億円から211億円(同11.8%減)へ下方修正した。同時に、28年3月期に営業利益360億円以上を目指す中期経営計画を策定したと発表した。コア事業を中心とした総額3600億円の投資を短期集中で実行するほか、鉄道事業を分社化し、事業特性に応じた最適化を進めるという。また、連結配当性向30%を目安に配当を段階的に引き上げ、状況に応じて機動的に自社株を取得するとしている。

■ソフトバンクグループ <9984>  7,493円   +14 円 (+0.2%)  本日終値
 ソフトバンクグループ<9984>は4日ぶり反発も上値の重い展開。7500円近辺で強弱観を対立させている。前日の米国株市場でNYダウが切り返しに転じたことで、東京市場でも日経平均は自律反発局面にあり、指数寄与度の高い同社株にも先物主導の裁定買いの影響で株価に浮揚力が働いている。同社は1日、米国の新興AI企業であるオープンAIに対し、最大400億ドルの追加出資を行うことを発表した。ソフトバンクGはトランプ米政権下でのAIインフラ整備で主導的な役割を担うが、オープンAIへの追加出資はその流れに沿うもので注目度が高い。出資金額は日本円で約6兆円と巨額だが、400億ドルのうち100億ドルについては外部の投資家から募るとしており、ソフトバンクGの実質的出資額は最大で300億ドルになる見通し。ただ、米国ではAIバブルの崩壊懸念も意識され始めており、同社の投資が経営的に負担となるとの見方も一部にあることで、積極的にリバウンドを取りに行く動きはみられない。

■T&Dホールディングス <8795>  3,176円   +2 円 (+0.1%)  本日終値
 T&Dホールディングス<8795>が堅調推移。3月31日の取引終了後、取得総数5000万株(自己株式を除く発行済み株式総数の9.79%)、取得総額1000億円を上限とする自社株買いの実施を発表した。あわせて、26年3月期の修正利益が1400億円程度(25年3月期予想は1300億円)、年間配当が120円(同80円)となる見通しを示した。これらを好感した買いが株価を下支えしたようだ。自社株の取得期間は5月19日から26年3月31日。25年3月期の修正利益が当初の予想を上回る見通しとなったことを背景に、自社株買いを通じて更なる資本効率の向上を図る。また、同社は配当性向を5年平均のグループ修正利益の60%程度の水準とする新たな方針を示した。これまでは修正DOE(株主資本配当率)4%を現金配当の目安としていた。

■オイシックス・ラ・大地 <3182>  1,199円   -143 円 (-10.7%)  本日終値  東証プライム 下落率トップ
 オイシックス・ラ・大地<3182>が大幅安で3日続落し、年初来安値を更新した。3月31日の取引終了後、25年3月期第3四半期累計(4~12月)の連結決算を発表。売上高は前年同期比2.2倍の1936億2500万円、最終利益は同17.3%増の35億3600万円となった。大幅な増収で最終増益となったが、食材などの宅配サービス「Oisix」の会員数は前年同期比7%減の35万2423人となり、これを嫌気した売りが優勢となったようだ。BtoCのサブスク事業については、費用対効果を重視した新規会員獲得を継続した結果、会員数の伸びは当初の予想を下回って推移した。一方、4~12月期の業績に関しては、順調に推移しているとの見解を示している。あわせて同社は、シダックスが連結子会社となる前に発生した不適切会計の調査結果を踏まえた過年度の決算短信の訂正についても公表している。

■象印マホービン <7965>  1,407円   -89 円 (-6.0%)  本日終値  東証プライム 下落率8位
 象印マホービン<7965>が3日続落。3月31日取引終了後に25年11月期第1四半期(11月21日~2月20日)連結決算を発表し、売上高は前年同期比3.2%増の290億3200万円、営業利益は同4.2%減の33億7600万円だった。減益を嫌気した売りが出た。国内で販売が好調に推移したことに加え、円安による輸入コストの上昇に対する価格転嫁を進めたことで売上高は増加。一方、利益面では販管費の増加が重しとなった。

■キッズウェル・バイオ <4584>  162円   +50 円 (+44.6%) ストップ高   本日終値
 キッズウェル・バイオ<4584>は物色人気を集めた。3月31日取引終了後、25年3月期連結業績予想について売上高を40億円から49億円(24年3月期は24億3100万円)へ、最終損益を9億5000万円の赤字から2億円の赤字(同14億2200万円の赤字)へ上方修正すると発表。これが好感された。バイオシミラー事業において製造や納品が計画通り実行できたことに加え、一部製品でパートナー製薬企業に対する供給価格などの調整が進んだことで売上高が増加する見通し。契約一時金の計上も寄与する見込み。あわせて、子会社S-Quatre(エスカトル)が持田製薬<4534>との間で、国内における小児脳性麻痺と外傷性脳損傷を対象とした乳歯歯髄幹細胞(SHED)の実用化に向けた共同事業化に合意し、これに関する契約を締結したと発表した。これにより、契約一時金などを受領する予定という。

■コムシード <3739>  200円   +18 円 (+9.9%)  本日終値
 コムシード<3739>が後場急騰。午前11時30分ごろ、SANKYO<6417>と遊技機シミュレーターアプリを中心としたオンラインコンテンツ事業に関する業務提携を締結したと発表しており、好材料視された。SANKYOが発売する遊技機について、遊技機を利用したシミュレーターアプリをコムシードが展開および関連するサービスにおいて優先的に配信するほか、相互の事業発展につながる新たなコンテンツ創出に向けた検討及び協議を実施する。なお、業績に与える影響は精査中としている。

■IIF <6545>  623円   +47 円 (+8.2%)  本日終値
 インターネットインフィニティー<6545>が大幅高で3日ぶりに反発。3月31日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を15万株(発行済み株数の2.76%)、または1億2000万円としており、取得期間は4月1日から9月30日まで。経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行及び株主還元を図るためとしている。

■テスホールディングス <5074>  294円   +22 円 (+8.1%)  本日終値  東証プライム 上昇率6位
 テスホールディングス<5074>が大幅反発。3月31日の取引終了後、25年6月末時点の株主から株主優待制度を導入すると発表したことが好感された。毎年6月末日時点で10単元(1000株)以上を保有する株主を対象に、特設サイトで5000種類以上の商品と交換できる株主優待ポイントを保有株数に応じて3000~4万ポイント贈呈する。同時に、子会社テス・エンジニアリングが、静岡菊川蓄電所から系統用蓄電所のEPC(設計、調達及び施工)について大口受注を獲得したと発表した。受注金額は約50億円で、26年6月期から27年6月期にかけて売り上げ計上する予定。なお、受注先である静岡菊川蓄電所が連結子会社に該当する可能性があり、この場合には受注金額は連結売上高に計上されないとしている。





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