前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

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■アライドHD <6835>  240円 (+50円、+26.3%) ストップ高

 アライドテレシスホールディングス <6835> [東証S]がストップ高。出来高流動性が高い低位株ならではの需給相場の様相を呈した。前週末の決算発表を境に、今週に入って商いを膨らませ急動意。週明け17日に50円高はストップ高に買われた後、前日18日も34円高の190円で引けるなど急騰パフォーマンスを際立たせた。18日引け後には、メルコホールディングス <6676> [東証S]の牧寛之社長が18日付で大量保有報告書を提出し、牧氏のアライドHD株式保有比率は6.16%と新たに5%を超えたことが判明。これが株価の先高期待を増幅させる形となった。

■ジェネパ <3195>  389円 (+80円、+25.9%) ストップ高

 ジェネレーションパス <3195> [東証G]がストップ高。18日の取引終了後、連結子会社の青島新嘉程家紡が、新たに「カポック繊維及び羽毛を含む充填材及びその製造装置・製造方法」に関する特許を取得したと発表しており、これを好感した買いが流入した。カポック繊維は、東南アジアやアフリカなどの熱帯地域に生息するカポックという木の実から採取される天然繊維。羽毛に匹敵する軽量性と保温性を備えつつ、羽毛と比較して経済的であることから、寝具・衣類市場で従来の羽毛に代わる新たな選択肢となる可能性を秘めているという。同社では今回の特許取得により、カポック繊維と羽毛をミックスした充填材を用いた寝具や衣類などへの活用が期待できるとしており、既に大手寝具メーカーとの間でリサイクル羽毛×カポックの製品製造の協業に向けて検討を開始しているという。なお、同件による25年10月期業績への影響は未定としている。

■フェニクスB <6190>  431円 (+80円、+22.8%) ストップ高

 フェニックスバイオ <6190> [東証G]がストップ高。19日午前10時、TOPPANホールディングス <7911> [東証P]の3D細胞培養技術とフェニクスBの新鮮ヒト肝細胞を組み合わせた「人工三次元肝臓組織」の試供に向け、業務提携契約を同社と締結したと発表。今後の収益貢献を期待した買いが入ったようだ。TOPPANの3D細胞培養技術「invivoid」により作製した肝臓モデルは、既存の培養技術と比較して、肝機能の点において優位性を示すデータが得られているという。フェニクスBの新鮮ヒト肝細胞「PXB-cells」を組み合わせた肝臓モデルを製薬企業など外部機関に試供し、医薬品開発での安全性評価に貢献していく。

■川崎地質 <4673>  3,060円 (+504円、+19.7%) ストップ高

 川崎地質 <4673> [東証S]がストップ高。19日午前11時ごろ、路面陥没を未然に防ぐための地中レーダーの探査深度向上への取り組みを発表しており、路面陥没事故が全国的に相次いでいることから、注目を集めたようだ。現在、路面陥没を未然に防ぐ取り組みとして、地中レーダー探査による空洞調査が行われているが、地中レーダー探査の可探能力は、一般的に深度2メートル程度が限界とされており、下水道管の損傷等に起因した深部の空洞の検出には、いまだ課題を残しているという。同社では1993年から、連続波レーダ(SF-CW)やチャープレーダの開発に着手し、5~10メートル程度の深部まで探査できる装置を開発し調査で使用。現在、広域且つ短時間で探査可能な「車載型の探査深度を5~10メートル程度まで可能」にするよう開発に取り組んでいるとしている。

■GFA <8783>  625円 (+100円、+19.1%) ストップ高

 GFA <8783> [東証S]がストップ高。19日正午ごろ、26年3月期から28年3月期までを対象とする今後の事業戦略を踏まえた「長期ビジョン・中期経営計画」を策定したと発表した。M&Aで既存事業を黒字化し、黒字化した事業にブロックチェーン技術を組み込み、サービス付加価値の増大を目指す。また、成果として得られた利益をビットコイン(BTC)の投資に振り向け、市場価値の上昇などで更なるリターンを狙うという。こうした施策により、時価総額1兆円や2万1000BTC保有という目標を実現するとしている。これを材料視した買いが膨らんだ。

■資生堂 <4911>  2,669円 (+308円、+13.1%)

 東証プライムの上昇率3位。資生堂 <4911> [東証P]が4日ぶり急反騰。英ロンドンの投資会社インディペンデント・フランチャイズ・パートナーズが資生堂の株式について、新たに5%を超えて保有していたことが明らかとなり、思惑視した買いを誘ったようだ。19日に提出された大量保有報告書によると、保有比率は5.20%。保有目的の項目には「純投資及び状況に応じて重要提案行為等を行うこともありうる」と記載。報告義務発生日は12日となっている。

■免疫生物研 <4570>  567円 (+60円、+11.8%)

 免疫生物研究所 <4570> [東証G]が3日続急騰。18日の取引終了後、25年3月期の連結業績予想について、営業利益を1億2000万円から1億8000万円(前期比73.1%増)へ、純利益を1億1500万円から2億1500万円(同15.6%増)へ上方修正したことが好感された。売上高は9億2500万円(同13.3%増)の従来見通しを据え置いたものの、抗体関連事業において利益率の高い主力製品である「アンジオテンシノーゲン(AGT)ELISA」や「Gd-IgA1 ELISA」が、海外CRO(医薬品開発業務受託)企業の治験に採用されていることや、国内外の体外診断用医薬品原料抗体の販売が大幅に増加したこと、更にコストの管理強化や効率的な使用に努めたことなどが利益を押し上げる。

■綜研化学 <4972>  3,530円 (+295円、+9.1%)

 綜研化学 <4972> [東証S]が急反発。18日の取引終了後、25年3月期の配当予想を期末一括95円から125円へ増額修正したことが好感された。前期実績95円に対しては30円の増配となる。同時に3月31日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表しており、これも好材料視された。投資単位当たりの金額を引き下げ投資家がより投資しやすい環境を整えることで、株式の流動性を高め、投資家層の更なる拡大を図ることが目的としている。

■日ヒュム <5262>  1,885円 (+130円、+7.4%)

 東証プライムの上昇率8位。日本ヒューム <5262> [東証P]が3日続急伸。ヒューム管やコンクリートパイルなどコンクリート2次製品を手掛け、国土強靱化や電線地中化の関連有力株として折に触れマーケットの視線を集めてきたが、直近では1月28日に埼玉県八潮市の県道で起こった道路陥没事故を受け、水道インフラの再構築で貢献が期待される関連最右翼として投資資金が流入した。都道府県が管理する大規模な下水道管の老朽化が進んでおり、耐用年数を超過している管路が今後20年間で12倍に膨らむとの試算もでており、社会の安全を確保するための喫緊の課題として早急な対応が求められる状況となっている。同社株は足もとの業績も好調で、7日に発表した24年4-12月期決算では営業利益が前年同期比2.5倍の20億2200万円と通期計画の19億円を上回った。テーマ性だけでなく良好なファンダメンタルズも短期筋の買い攻勢を後押ししたもようだ。

■太陽HD <4626>  4,100円 (+270円、+7.1%)

 太陽ホールディングス <4626> [東証P]が4日ぶり急反発。香港を拠点とする投資ファンドのオアシス・マネジメントが18日付で関東財務局に提出した大量保有報告書で、太陽HD株の保有割合が8.00%と新たに5%を超えたことが判明。これを受けて思惑的な買いが入った。保有目的は「ポートフォリオ投資および重要提案行為」とし、「株主価値を守るため、重要提案行為を行うことがある」としている。報告義務発生日は2月10日。

■東洋水 <2875>  9,302円 (+607円、+7.0%)

 東洋水産 <2875> [東証P]が3日続急伸。投資会社の日本グローバル・グロース・パートナーズ・マネジメント(NHGGP)が東洋水に対し株主還元の強化を求めていることが19日に明らかとなり、材料視されたようだ。同日、NHGGPはホームページにおいて資料を公表した。このなかでNHGGPは、卓越した事業運営と市場での株価ディスカウントの解消に向けた解決策を取締役会は策定すべきだと主張したうえで、「このギャップは非効率な資本配分と見劣りする株主還元方針によって引き起こされている」などと指摘。発行済み株式の17%を上限とする一時的な自社株買いの実施とともに、次期中期経営計画において、配当性向40%と純利益の15%に相当する自社株買いを毎年実施すべきだとの考えを表明している。更に、冷蔵倉庫事業からの撤退の検討などに向け、戦略検討委員会を設置することも提案している。NHGGPは東洋水の株式の約4%を保有しているという。

■プロディ <5580>  1,057円 (+67円、+6.8%)

 プロディライト <5580> [東証G]が急反発。18日取引終了後、25年8月期第1四半期から連結決算に移行したことに伴い、これまで未定とした通期業績予想を発表した。売上高を28億8700万円(前期単独21億9600万円)、営業利益を1億9600万円(同1億9000万円)とした。M&A効果を織り込んだ。これが好材料視された。

■サッポロHD <2501>  7,899円 (+495円、+6.7%)

 サッポロホールディングス <2501> [東証P]が続急伸。シンガポールに拠点を置く投資ファンドの3Dインベストメント・パートナーズが18日、サッポロHDに対し、株主総会で議決権行使をするうえで十分な情報を得られるように、公開書簡を提出したと発表した。このなかで同社の資本規律の不備について改めて懸念を表明したうえで、過去の大型買収案件について、企業価値の向上につながると確信した根拠や、減損損失の防止に向けて講じた措置などに関する質問を実施。回答を28日までに実施して公開するように求めた。3Dインベスト側は、不動産事業の実質的な売却を予定するサッポロHDの資本規律の欠如が解消されないままでは、過去の資本配分の失敗が繰り返される可能性が高いと主張している。株主側の圧力によって、サッポロHDの経営改革が進むとの期待が膨らみ、買いが集まったようだ。

※19日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

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