株価指数先物【寄り前】 ディープシークショックに対するリバランスの動きへ
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大阪3月限ナイトセッション 日経225先物 39580 +160 (+0.40%) TOPIX先物 2789.5 +11.5 (+0.41%) シカゴ日経平均先物 39585 +165 (注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比) 30日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。2024年10~12月期の米実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率2.3%増と、市場予想を下回ったが、個人消費は4.2%増加と大幅な伸びとなった。米連邦準備理事会(FRB)が今後の利下げに慎重になるデータと受け止められた。また、トランプ大統領は、2月1日にカナダとメキシコに対して25%の関税を課す考えを改めて示したとの報道も相場の重荷となった。ただし、決算発表が本格化するなかで、主要企業の予想を上回る決算を好感した買いが指数を押し上げる形となった。 NYダウ構成銘柄では、2024年10~12月期決算で一株利益が予想を上回ったIBMが13%近く上昇。そのほか、ボーイング 、シャーウィンウィリアムズ 、ウォルマート 、ユナイテッドヘルス・グループ 、ハネウェル・インターナショナル が買われた。一方で、マイクロソフト 、キャタピラー 、アマゾン・ドット・コム 、セールスフォース 、ベライゾン・コミュニケーションズ が軟調。 シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比165円高の3万9585円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比60円高の3万9480円始まり、その後は軟化し下落に転じると、米国市場の取引開始後には3万9350円まで下げる場面もみられた。ただし、売り一巡後はロングが強まる形で切り返しており、終盤にかけて一時3万9710円まで買われる場面もみられた。終了間際に軟化し、3万9580円でナイトセッションの取引を終えた。 シカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることになりそうだ。日経225先物は3万9350円まで下げる場面もみられたが、同水準で推移する25日移動平均線(3万9350円)が支持線として機能する形での切り返しとなった。3万9710円まで買われた後は上げ幅を縮めたが、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9850円)を射程に入れた押し目狙いのロング対応に向かわせそうである。 また、米国ではIBMのほか、決算を発表したメタプラットフォームズ、テスラ が買われている。30日の取引終了後に予想を上回る決算を発表したインテル が時間外取引で上昇。決算が予想を上回ったアップル は時間外で一時下落したがその後は上昇に転じている。指数インパクトの大きい値がさ株においては決算を手掛かりに先物主導で仕掛けてくる動きが入りやすいため、日米の主要企業の決算に振らされやすい状況になりそうだ。 前日には決算評価からアドバンテスト<6857>[東証P]は3%を超える上昇をみせた。ディープシークショックによる、半導体・AI関連銘柄への売りが落ち着くなか、ショートカバーを誘う展開が期待されてくる。そのため、日経225先物は25日線を支持線とした押し目狙いのロング対応としつつも、下限レンジを切り上げる形で、節目の3万9500円から+1σでのレンジが意識されやすいだろう。また、+1σを捉えてくる局面では、ショートカバーを強めてくると考えられ、4万円が射程に入ってくるとみておきたい。 30日の米VIX指数は15.84(29日は16.56)に低下した。小動きではあったが、200日線(16.18)を下回っての推移が目立っていた。27日に22.51まで急伸した調整が順調に進んでいることから、リスク選好に向かわせやすいだろう。 昨日のNT倍率は先物中心限月で14.19倍に低下した。一時14.22倍をつける場面もみられたが、200日線(14.23倍)が抵抗となる形で、NTショートによるスプレッド狙いに向かわせた。ただし、昨年11月以来の14.15倍を下回る局面ではリバランスとみられる動きが入っている。週末要因もあって、NTロングへの転換も意識しておきたいところである。 株探ニュース