午後:債券サマリー 先物は反落、長期金利は13年半ぶり高水準
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6日の債券市場で、先物中心限月3月限は反落。米金利の先高観から売りが出やすく、現物債市場では10年債の利回りが1.125%と13年半ぶりの高水準をつけた。 前週末3日の米長期債相場は反落(金利は上昇)した。同日に米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した24年12月の米製造業景況感指数が約9カ月ぶりの高水準となったことや、米リッチモンド地区連銀のバーキン総裁が「経済の持続的な強さのほか、賃金圧力などが再び高まる可能性を踏まえると、インフレ上振れリスクの方が下振れリスクより大きい」との見解を示したことなどが影響。トランプ次期米政権の政策によってインフレ圧力が再燃するとの思惑が根強いことも米長期金利を押し上げており、これが国内債の重荷となった。債券先物は朝方に141円57銭まで下押したあとは下げ渋る場面もあったが、今週は10年債入札(7日)や30年債入札(9日)が予定されていることから戻りは限定的。引けにかけては需給悪化を懸念した売りなどに押される展開となった。なお、日銀の植田和男総裁は全国銀行協会の新年賀詞交歓会で「今年も経済・物価情勢の改善が続いていくのであれば、それに応じて政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していく」などと発言したが、新味に乏しいとして相場の反応は特にみられなかった。 先物3月限の終値は、前営業日比31銭安の141円59銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは、午後3時時点で前営業日比0.035%上昇の1.125%で推移している。 出所:MINKABU PRESS