午後:債券サマリー 先物は反落、5年債入札の強い結果を受け下げ渋る場面も

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市況

 10日の債券市場で、先物中心限月12月限は反落。リスク選好地合いで売りが優勢だったが、午後には5年債入札の強い結果を手掛かりに下げ渋る場面があった。

 中国の国営新華社通信が9日、「中国共産党中央政治局常務委員会は来年、経済成長を支えるためにより積極的な財政政策と併せて、適度に緩和的な金融政策を導入する」と報じたことをきっかけに、中国経済に対する悲観的な見方が後退している。9日の米長期債相場は投資家のリスク選好姿勢の強まりから4営業日ぶりに反落(金利は上昇)し、この流れが東京市場に波及。日経平均株価が続伸したことも安全資産とされる債券の重荷となり、債券先物は前引け間際に142円95銭まで下押す場面があった。ただ、午後に入って5年債入札の結果が明らかになると買い戻しが流入。時間外取引で米長期金利の上昇が一服したことも買い安心感につながり、先物は午後2時20分すぎに一時143円14銭まで値を戻した。とはいえ、11日発表の米11月消費者物価指数(CPI)を見極めるまでは積極的には動きにくく、引けにかけて再び軟化した。なお、5年債入札の結果は小さければ好調とされるテール(平均落札価格と最低落札価格の差)が1銭と前回(11月15日)の2銭から縮小し、応札倍率は4.42倍と前回の3.81倍を上回った。

 先物12月限の終値は、前日比18銭安の143円08銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは、午後3時時点で前日比0.015%上昇の1.060%で推移している。

出所:MINKABU PRESS

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