午後:債券サマリー 先物は小反発、長期金利1.070%で横ばい
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18日の債券市場で、先物中心限月12月限は小反発。この日の講演で日銀の植田和男総裁は12月利上げを強く示唆しなかったが、警戒感は依然として残っており上値は重かった。 債券先物は朝方に142円72銭まで軟化する場面があった。前週末の米長期債相場が小幅ながら反落(金利は上昇)したことが重荷となったほか、植田総裁が名古屋市での金融経済懇談会で追加利上げに関して前向きな姿勢を示す可能性が意識された。ただ、日経平均株価の下落を受けて安全資産とされる債券を選好する動きもあって下値は限定的で、午前10時すぎに植田総裁が「金融緩和の度合いの調整を実際にどのようなタイミングで進めていくかは、あくまで先行きの経済・物価・金融情勢次第」と述べたことが伝わると買いが流入。この日に日銀が実施した国債買いオペで「残存期間5年超10年以下」の応札倍率が1.78倍と前回の2.09倍を下回り、売り圧力は強くないと受け止められたこともあり、先物は午後に一時142円95銭まで上伸した。とはいえ、前週末にドル円相場が約4カ月ぶりのドル高・円安水準をつけたことを背景に、輸入物価上振れのリスクから日銀が早期に追加利上げに踏み切るとの見方がくすぶっており追随買いは広がらず。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が14日の講演で「経済は利下げを急ぐ必要があるというシグナルを発していない」との見解を表明し、米金利の先高観が強まっていることも一段の上値追いを慎重にさせたようだ。 先物12月限の終値は、前週末比3銭高の142円85銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは、午後3時時点で前週末と同じ1.070%で推移している。 出所:MINKABU PRESS